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マット・シルビントン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マット・シルビントン Portal:陸上競技
2013年
選手情報
ラテン文字 Matthew "Matt" Shirvington
国籍 オーストラリアの旗 オーストラリア
競技 陸上競技 (短距離走)
種目 60m, 100m, 200m
生年月日 (1978-10-25) 1978年10月25日(46歳)
出身地 オーストラリアの旗 ニューサウスウェールズ州シドニー
身長 183cm
体重 80kg
引退 2008年
成績
オリンピック 100m 準決勝2組5着 (2000年)
200m 2次予選棄権 (2000年)
4x100mR 準決勝失格 (2000年)
世界選手権 100m 準決勝2組6着 (2001年)
200m 2次予選1組7着 (1999年)
4x100mR 3位 (2001年)
地域大会決勝 コモンウェルスゲームズ
100m 4位 (1998年)
200m 6位 (1998年)
4x100mR 3位 (1998年)
国内大会決勝 オーストラリア選手権
100m 優勝 (1998年 - 2002年)
200m 2位 (1998年)
自己ベスト
60m 6秒52 (1999年) 室内オセアニア記録
100m 10秒03 (1998年)
200m 20秒45 (1998年)
獲得メダル
陸上競技
オーストラリアの旗 オーストラリア
世界選手権
2001 エドモントン 4x100mR
コモンウェルスゲームズ
1998 クアラルンプール 4x100mR
グッドウィルゲームズ
2001 ブリスベン 100m
2001 ブリスベン 4x100mR
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マット・シルビントンMatthew "Matt" Shirvington1978年10月25日 ‐ )は、オーストラリアシドニー出身で短距離走を専門にしていた元陸上競技選手。自己ベストは100mが元オセアニア記録の10秒03、室内60mがオセアニア記録の6秒52。2001年エドモントン世界選手権男子4×100mリレーの銅メダリストである。

シルビントンは19歳の若さで10秒0台を複数回記録した最初の白人選手ということもあり[1]、白人選手として初めて10秒の壁を破ることが期待された。しかし、その後は10秒0台を数回記録するものの、9秒台を記録することはできなかった。白人選手初の9秒台は2010年にフランス人クリストフ・ルメートルが達成した。

経歴

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1997年

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10月11日、シドニーで開催された大会の100mで10秒29(+1.2)のジュニアオセアニア記録(当時)を樹立した[2]

1998年

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9月、ヨハネスブルグで開催されたワールドカップにオセアニア代表として出場すると、男子100mで10秒07(-0.2)をマークして5位に入った[3]。これは1994年にニュージーランドオーガスティン・ンケティア英語版がマークした10秒11を更新するオセアニア記録(当時)であり[4]、1995年にダミアン・マーシュ英語版がマークした10秒13を更新するオーストラリア記録(当時)であった[5]

同月、クアラルンプールで開催されたコモンウェルスゲームズに出場すると、男子100m決勝で10秒03(-0.1)のオセアニア記録(当時)を樹立。自身が約1週間前にマークしたオセアニア記録を0秒04更新したが、アト・ボルドン(9秒88)、フランク・フレデリクス(9秒96)、オバデレ・トンプソン(10秒00)に次ぐ4位に終わり、0秒03差で惜しくもメダルを逃した[6][7]。男子4×100mリレーでは決勝でアンカーを務め、38秒69をマークしての銅メダル獲得に貢献した[6]

1999年

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3月、前橋で開催された世界室内選手権の男子60mで世界大会デビューを果たすと、予選で6秒52のオセアニア記録を樹立。準決勝は予選のタイムに迫る6秒53で突破し、この種目ではオーストラリア勢初のファイナリストになった[注 1]。迎えた決勝では再び6秒52のオセアニア記録をマークしたが、モーリス・グリーン(6秒42)、ティム・ハーデン(6秒43)、ジェイソン・ガードナー(6秒46)に次ぐ4位に終わり、0秒06差でメダルを逃した[8]

8月、セビリアで開催された世界選手権に初出場を果たすと、男子100mで準決勝まで進出した。準決勝では同組のフランク・フレデリクスとフレディ・マヨラが棄権したため6人だけのスタートになった。4着までに入れば決勝に進出することができ、もしも決勝に進出すればオーストラリア勢として1983年ヘルシンキ大会ポール・ナラコット以来、史上2人目となる世界選手権同種目でのファイナリスト誕生だったが、シルビントンは2回フライングをして失格になってしまった[9][10]

2000年

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9月、地元シドニーで開催されたオリンピックに初出場を果たすと、男子100mでは前年のセビリア世界選手権に続いて準決勝に進出した。準決勝では4着までに入れば決勝に進出できたが、結果は10秒26(+0.2)の組5着に終わり、4着のアジズ・ザカリとは0秒10差で決勝進出を逃した[11]

2001年

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3月、リスボンで開催された世界室内選手権の男子60mで2大会連続のファイナリストになったが、6秒55の5位に終わった[12]

8月、エドモントンで開催された世界選手権に出場すると、男子100mでは2大会連続で準決勝まで進出するも、10秒32(-1.7)の組6着に終わり決勝進出を逃した[13]。男子4×100mリレーでは予選と準決勝で1走を務めてラウンド突破に貢献すると、アンカー(アダム・バジル英語版Paul Di BellaSteve Brimacombe、シルビントン)を務めた決勝では38秒83をマークし、アメリカ(37秒96)、南アフリカ(38秒47)、トリニダード・トバゴ(38秒58)に次ぐ4位に貢献した[14]。その後、アメリカはリレーメンバーだったティム・モンゴメリのドーピング処分によりメダルが剥奪され、オーストラリアの順位は繰り上がり銅メダルを獲得した[15]

9月、ブリスベンで開催されたグッドウィルゲームズに出場すると、男子100mで10秒30(-0.3)をマークし、4位のアジズ・ザカリに同タイム着差ありで競り勝ち銅メダルを獲得した。男子4×100mリレーでも1走を務め、39秒12をマークしての銅メダル獲得に貢献した[16]

2002年

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4月、オーストラリア選手権の男子100mで史上初の5連覇を達成した。

自己ベスト

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記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風、-は向かい風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 10秒03 (-0.1) 1998年9月17日 マレーシアの旗 クアラルンプール オセアニア歴代2位 (元オセアニア記録)
オーストラリア歴代2位 (元オーストラリア記録)
200m 20秒45 (+1.9) 1998年8月10日 オーストラリアの旗 シドニー
室内
60m 6秒52 1999年3月7日 日本の旗 前橋 オセアニア記録

主要大会成績

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備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
1998 ワールドカップ (en 南アフリカ共和国の旗 ヨハネスブルグ 100m 5位 10秒07 (-0.2) オセアニア記録
オセアニア代表
4x100mR 5位 38秒78 (4走) オセアニア代表
コモンウェルスゲームズ (en マレーシアの旗 クアラルンプール 100m 4位 10秒03 (-0.1) オセアニア記録
200m 6位 20秒53 (-0.2)
4x100mR 3位 38秒69 (4走) 予選は3走
1999 世界室内選手権 日本の旗 前橋 60m 4位 6秒52 オセアニア記録 (予選で同タイムを記録)
オーストラリア男子初のファイナリスト
世界選手権 スペインの旗 セビリア 100m 準決勝失格 DQ 不正スタート
200m 2次予選1組7着 20秒67 (+0.2)
4x100mR 予選失格 DQ (4走)
2000 オリンピック オーストラリアの旗 シドニー 100m 準決勝2組5着 10秒26 (+0.2)
200m 2次予選棄権 DNS
4x100mR 準決勝失格 DQ (1走)
2001 世界室内選手権 ポルトガルの旗 リスボン 60m 5位 6秒55
世界選手権 カナダの旗 エドモントン 100m 準決勝2組6着 10秒32 (-1.7)
4x100mR 3位 38秒83 (4走) 予選と準決勝は1走
グッドウィルゲームズ (en オーストラリアの旗 ブリスベン 100m 3位 10秒30 (-0.3)
4x100mR 3位 39秒12 (1走)
2003 世界選手権 フランスの旗 パリ 100m 2次予選1組6着 10秒28 (+0.6)
4x100mR 準決勝2組5着 38秒90 (1走)
2005 世界選手権 フィンランドの旗 ヘルシンキ 4x100mR 予選1組4着 38秒65 (4走) 決勝進出[注 2]
2006 コモンウェルスゲームズ (en オーストラリアの旗 メルボルン 4x100mR 決勝途中棄権 DNF (4走)
2007 世界選手権 日本の旗 大阪 4x100mR 予選2組6着 38秒73 (1走)

脚注

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注釈

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  1. ^ 女子は1987年インディアナポリス大会でDianne Holdenが決勝に進出している
  2. ^ 予選のみ出場。オーストラリアは決勝で38秒32の5位。

出典

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  1. ^ Matt: Marist NS 100m maestro”. The Catholic Weekly. 2012年11月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月1日閲覧。
  2. ^ OCEANIA RECORDS (PDF) - Oceania Athletics Association 2013年10月18日閲覧
  3. ^ 第8回ワールドカップ男子100mリザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年4月1日閲覧。
  4. ^ 第1回コンチネンタルカップ ハンドブック(エリア別歴代10傑参照) (PDF) - 国際陸上競技連盟 2013年11月2日閲覧
  5. ^ This month GIRL.com.au puts the SPORT spotlight on Australian Olympic Athlete - Matt Shirvington.”. GIRL.com.au. 2016年4月1日閲覧。
  6. ^ a b 大会リザルト”. 1998年コモンウェルスゲームズ. 2016年4月1日閲覧。
  7. ^ 第7回世界室内選手権男子60m-200m選手紹介”. 国際陸上競技連盟. 1999年時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月1日閲覧。
  8. ^ 第7回世界室内選手権男子60m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年4月1日閲覧。
  9. ^ Reports THE 7th WORLD CHAMPIONSHIPS IN ATHLETICS”. 国際陸上競技連盟. 1999年時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月1日閲覧。
  10. ^ 第7回世界選手権男子100m準決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年4月1日閲覧。
  11. ^ 第27回オリンピック男子100m準決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年4月1日閲覧。
  12. ^ 第8回世界室内選手権男子60m決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年4月1日閲覧。
  13. ^ 第8回世界選手権男子100m準決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年4月1日閲覧。
  14. ^ 第8回世界選手権男子4×100mリレー決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟. 2016年4月1日閲覧。
  15. ^ Aussie sprinters to receive belated bronze”. ABCニュース (2006年1月5日). 2016年4月1日閲覧。
  16. ^ 大会リザルト”. 2001年グッドウィルゲームズ. 2001年時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年4月1日閲覧。

外部リンク

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記録
先代
ニュージーランドの旗 オーガスティン・ンケティア英語版
(6秒59)
1995年3月10日
男子60m
室内オセアニア記録保持者
(6秒52)

1999年3月7日 -
次代
未定
先代
ニュージーランドの旗 オーガスティン・ンケティア
(10秒11)
1994年8月22日
男子100m
オセアニア記録保持者
(10秒07 - 10秒03)

1998年9月11日 - 2003年5月5日
次代
オーストラリアの旗 パトリック・ジョンソン
(9秒93)
2003年5月5日
先代
ダミアン・マーシュ英語版
(10秒13)
1995年9月9日
男子100m
オーストラリア記録保持者
(10秒07 - 10秒03)

1998年9月11日 - 2003年5月5日
次代
パトリック・ジョンソン
(9秒93)
2003年5月5日