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マセラティ・ギブリ (M157)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マセラティ・ギブリ
(M157型)
概要
製造国 イタリアの旗 イタリア
トリノグルリアスコ
販売期間 2013年 -
設計統括 ロレンツォ・ラマチョッティ[1]
デザイン マルコ・テンコーネ[2]
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
(4ドアサルーン)
駆動方式 FR (SQ4以外)
4WD (SQ4)
パワートレイン
エンジン V6 DOHCターボ 2,987cc (ディーゼル)
V6 DOHCツインターボ 2,979cc (ディーゼル以外)
最高出力 以下、全て[3]
275PS / 4,000rpm (ディーゼル)
350PS / 5,500rpm (ベース)
410PS / 5,500rpm (S、SQ4)
最大トルク 以下、全て[3]
570Nmないし600Nm / 2,000~2,600rpm (ディーゼル)
500Nm / 1,600~4,500rpm (ベース)
550Nm / 1,750~5,000rpm (S、SQ4)
変速機 ZF製8速AT[4]
シングル・レート・サスペンション[3]
フロント:ダブルウィッシュボーン式[5]
リア:5アーム・マルチリンク式[5]
シングル・レート・サスペンション[3]
フロント:ダブルウィッシュボーン式[5]
リア:5アーム・マルチリンク式[5]
車両寸法
ホイールベース 3,000mm
全長 4,985mm
全幅 1,945mm
全高 1,485mm
車両重量 2,040kg (ディーゼル)
1,950kg (ベース、S)
2,030kg (SQ4)
その他
最高速度 以下、全て[3]
250km/h (ディーゼル)
267km/h (ベース)
285km/h (S)
284km/h (SQ4)
0 - 100km/h加速 以下、全て[3]
6.3 (ディーゼル)
5.5秒 (ベース)
4.9秒 (S)
4.7秒 (SQ4)
テンプレートを表示

ギブリ (M157) (Ghibli) は、イタリア自動車メーカーであるマセラティ2013年から製造・販売するEセグメント[1][6]高級サルーンであり、M157は、そのモデルコードである。

概要

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ギブリ」の名称は、1990年代終盤にマセラティが2代目のギブリの生産を終了して以来、途絶えていたが、2013年4月に開催された上海モーターショーにて新型の3代目ギブリが発表され[7]、約15年ぶりにギブリの名称がマセラティのラインアップに加わる事になった。

新しいギブリは、Eセグメントに分類される高級スポーツセダン[1]であり、マセラティが掲げた「2015年までに年間5万台を生産する」という目標達成を支える戦略的モデルである[1][6][7]。そのセグメントが示すように、メルセデス・ベンツ・EクラスBMW・5シリーズアウディ・A6等の車種と競合する[7][8]

上述したような車種の顧客を取り込みつつ販売台数を伸ばす為に、価格設定は低めに抑えられており、日本では1,000万円未満からでも購入可能である[1][3][8]。この、マセラティとしては価格を抑えて他社からの客を獲得するという目論見は成功しており[1]、例えば2014年には、総計約3万6,500台の車両を販売して前年比でプラス136%という、記録的な伸び率を記録[9]。そして、その内訳の6割以上 (約2万3,500台) をギブリが占めていた[9]

デザイン・機能性

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エクステリア・デザイン

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Eセグメントの乗用車としてはかなり大きいボディ・サイズであり[1]、特に全幅に関しては1つ上位のFセグメントに属するメルセデス・ベンツ・Sクラスポルシェ・パナメーラ等よりも大きい。

フロントフェイスは、開発途上で描かれたレンダリングの時点で既に方向性が表れていた[1]グリルのデザインは、マセラティ伝統の大きな開口デザインとなっている。グリルのルーバーは凹型で[10]、中央にトライデントロゴが配されている点も、マセラティの共通のデザインアイコンである。ヘッドライト及びテールランプにはLEDが採用されている[10]

サイドビューは4ドアセダンながらクーペのような[6]流れるデザインを持ち、ドアもクーペで多く見られるサッシュレス方式となっている[1][8]。当然、サイドにもマセラティのアイデンティティが反映されており、フロント・フェンダー近傍の3連ダクトや、Cピラーに配されるトライデントのサエッタ・ロゴ等がある。

マフラーは左右各2本、計4本出しとスポーティな設計である。

ボディカラーは、2色のソリッド(ネロビアンコ) と9色のメタリック(グリジオ、ブルー・エモツィオーネ、ほか) の計11色から選択可能で、ホイールは18インチから21インチまでのサイズで、7種類から選択可能である[4]

その他、エクステリアに関するオプションとしては(ホイールも含めて、グレードによっては選べないケースもあるが)、ロッソブルー等のカラードキャリパーサンルーフ、防眩機能付きドアミラー等がある[4][11]

インテリア・デザイン

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インテリアの特徴の1つに、運転席と助手席が独立的に設計された「ダブル・コックピット・レイアウト」が採用され、内装のスポーティさを演出している[1][6][8]。また、ダッシュボードに設置された時計はアナログ式であり[12]、これもマセラティの各車種に共通するデザインである。

シートは、イタリアの高級家具メーカーであるポルトローナ・フラウ[11]が手掛ける上質なデザインであり、クラフトマンシップが息づくステッチ[13]、トリムのオプションも合わせると、非常に多様なバリエーションから選択可能である。また、エルメネジルド・ゼニアと組んで開発された「ゼニア・パッケージ」[4][14]カーボン・ファイバーのデザインを取り入れた「カーボン・パッケージ」[4]等も存在する。

エクステリア同様、インテリア及び車内エンターテインメントに関するオプション設定も豊富で、アルカンターラのルーフ・ライニング、フロント及びリアのシート・ヒーター、フロント・シートのベンチレーション、バワーズ・アンド・ウィルキンスハーマン・カードンのオーディオ・システム等、多岐に渡る (グレードや年式によって、差異あり)[4][11]

機構・パワートレイン

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エンジン

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ギブリに搭載されるエンジンはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン問わず全車、マセラティが設計したV型6気筒・DOHC24バルブヘッドのエンジンであるが、組み立てはマラネッロにあるフェラーリの工場で行われる[2][8]。グレードや年式によって、様々なバリエーションがある。

ギブリ (ベースグレード)
ガソリン・エンジンのベースグレードは、2,979ccのエンジンをツインターボで過給するエンジンが搭載され、4,750rpmで330PS (243kW) 、500Nmを発生させる[5]。このエンジンには1度変更が加えられ、その時の公称値は5,500rpmで350PS (275kW) に上げられた[15]
S・SQ4
搭載されるエンジン自体はベースグレードと同一であるが、ベースグレードに対してパワーアップされており、5,500rpmで410PS (302kW)、最大トルクは550Nmを誇る[5]
ディーゼル
ガソリン・エンジンとは異なるスペックのV6・DOHC24バルブエンジンが搭載されている。排気量は2987ccであり、馬力は4000rpmで275PS (202kW) と劣るものの、トルクはS及びSQ4をも上回る570Nmないし600Nmとなっており[5]ディーゼル・エンジンの特性が表れている。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j 「MASERATI COMPLETE GUIDE」『M.B.MOOK』、株式会社マガジンボックス、2015年8月1日、44 - 47頁、雑誌 62062-63。 
  2. ^ a b 中村孝仁 (2016年2月28日). “【マセラティ ギブリ 試乗】粋でお洒落で伊達、な「普通」のクルマ…中村孝仁”. レスポンス(Response.jp). 2017年6月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e f MASERATI PRICE & SPECIFICATIONS (マセラティ ジャパン公式カタログ) 、2017年3月25日閲覧。
  4. ^ a b c d e f Ghibli ギブリ”. マセラティ ジャパン. 2017年6月26日閲覧。
  5. ^ a b c d e MASERATI GHIBLI (マセラティ ジャパン公式カタログ) 、59頁、2017年3月25日閲覧。
  6. ^ a b c d Auto Prove 編集部 (2013年11月21日). “【マセラティ】ハイエンドEセグメントの「ギブリ」2車種を新発売”. Auto Prove - 自動車情報サイト「オートプルーブ」. 2017年6月26日閲覧。
  7. ^ a b c Steven J. Ewing (翻訳:日本映像翻訳アカデミー) (2013年4月23日). “【上海モーターショー2013】マセラティの新型「ギブリ」がワールドプレミア”. Autoblog 日本版 - 全米トップクラスの自動車サイト. 2017年6月26日閲覧。
  8. ^ a b c d e Hirokazu Kusakabe (2013年11月23日). “マセラティ ジャパン、"戦略的な価格"のイタリアン・ミドル・セダン「ギブリ」を発売!”. Autoblog 日本版 - 全米トップクラスの自動車サイト. 2017年6月26日閲覧。
  9. ^ a b 森脇稔 (2015年1月19日). “マセラティ世界販売、136%増の3.6万台…ギブリ と クアトロポルテ が牽引 2014年”. レスポンス(Response.jp). 2017年6月26日閲覧。
  10. ^ a b MASERATI GHIBLI (マセラティ ジャパン公式カタログ) 、20 - 21頁、2017年3月25日閲覧。
  11. ^ a b c MASERATI GHIBLI (マセラティ ジャパン公式カタログ) 、72 - 75頁、2017年3月25日閲覧。
  12. ^ MASERATI GHIBLI (マセラティ ジャパン公式カタログ) 、36 - 37頁、2017年3月25日閲覧。
  13. ^ MASERATI GHIBLI (マセラティ ジャパン公式カタログ) 、32 - 33頁、2017年3月25日閲覧。
  14. ^ OGAWA Fumio (2015年8月27日). “ゼニアが仕立てたマセラティのためのシルクシート”. Web Magazine OPENERS. 2017年6月26日閲覧。
  15. ^ マセラティ ジャパン株式会社 (2017年1月16日). “さらなる安全性と快適性を備えたモデルへ進化 マセラティ、「ギブリ」の装備を充実 新型インフォテインメント・システムと先進安全技術を搭載”. プレスリリース配信代行サービス『ドリームニュース』. 2017年9月9日閲覧。