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マクスウェル分布

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マクスウェル分布
確率密度関数
累積分布関数
母数
確率密度関数
累積分布関数 erfは誤差関数
期待値
最頻値
分散
歪度
尖度
エントロピー
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マクスウェル分布(マクスウェルぶんぷ、: Maxwell distribution[1])とは、熱力学的平衡状態において、気体分子速度が従う分布関数である。マクスウェル=ボルツマン分布: Maxwell–Boltzmann distribution[1])と呼ばれることもある。気体分子運動論により導かれたが、より一般化されたボルツマン分布からも導かれる。イギリスの物理学者J.C.マクスウェルが1859年に見いだしたことにちなんで名付けられた。

導出

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気体分子運動論では、成分を vx, vy, vz とする速度ベクトル v について、x 方向の速度成分 vx の分布は、分子の質量を mボルツマン定数k絶対温度T、係数を A として

に従うことが知られており、この式は左右対称なつりがね状の正規分布になる。したがって、係数 A を求めるには vx に関して積分した値が1になれば良いので[2][3]

より、A = m / 2πkT となる。したがって、x 方向の速度成分 vx の分布は

となる[2][4]

また、x, y, z 方向の各速度の分布は互いに独立で、

が成り立つので、方向を指定しない3次元の速さ v の分布は

となる[2]。ここで、dvxdvydvz は半径 v で厚さ dv の球殻の体積に相当するので、4πv2dv となり[5][3]、またスカラー量である速さ v の大きさは v = v 2
x
 
+ v 2
y
 
+ v 2
z
 
なので、マクスウェル分布は

より

となる[6][5][4][3]

マクスウェル分布は一般化ガンマ分布英語版の一つである。

速度分布

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25℃における希ガス中での分子の速さの分布をプロットした図

分子の質量が大きく温度が低いほど分布は密になり、分子の質量が小さく温度が高いほど分布は疎になる。

導かれる速度

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マクスウェル分布からは3種類の速度が導出される。

まず1つ目の速度が英語で"The most probable speed"と呼ばれる速度で、日本語では「最大確率速度[3]」や「最確速度[5][7]」などと呼ばれるものであり、記号で vmp と表される。これは、マクスウェル分布の最頻値であり、グラフのピークを求めれば良いので[5]

より[8]

となる[5][8][9]

次に求められる速度が平均速度 v である。これはマクスウェル分布の期待値なので

となる[5][8][9]

最後に求められる速度が根二乗平均速度 vrms である。これはマクスウェル分布のモーメントなので

となる[8]

また、これら3つの速度の比は

と表される[9]

脚注

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出典

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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