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マイケル・イグナティエフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
マイケル・イグナティエフ
Michael Ignatieff
生年月日 (1947-05-12) 1947年5月12日(77歳)
出生地 カナダの旗 カナダオンタリオ州トロント
出身校 トロント大学
ハーヴァード大学
前職 作家ジャーナリスト政治学者大学教授
所属政党 カナダ自由党
称号 教養学士
哲学博士
教養修士
配偶者 Susan Barrowclough (1977–1997)
Zsuzsanna Zsohar (1999–)
公式サイト カナダ自由党公式サイト

選挙区 エトビコウク=レイクショア選挙区

在任期間 2008年12月10日 - 2011年6月
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マイケル・イグナティエフ(Michael Ignatieff、1947年5月12日 - )は、カナダ政治学者政治家。専門は、政治思想人権論。

経歴

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カナダトロント生まれのロシア系カナダ人。トロント大学を卒業し、1976年にハーヴァード大学にて歴史学の博士号を取得、ブリティッシュコロンビア大学助教授を経て渡英。ケンブリッジ大学キングス・カレッジ研究員を務める一方、BBC放送のドキュメンタリー制作にも携わる。2000年よりハーヴァード大学ケネディ行政大学院で人権論を教えていたが、2005年末、ハーヴァード大学を辞し、翌年カナダ下院選挙に自由党から立候補、当選。2008年12月10日より、前党首ステファン・ディオンに代わり暫定的に自由党党首となる(2009年5月2日より正式に党首)。2011年の総選挙では落選し、党首も辞任。

アイザイア・バーリンに影響を受けた自由主義者の一方で人道的介入を支持するいわゆるリベラル・ホークであり、イラク戦争にも賛成したことは物議を醸した[1]2003年に発表した「軽い帝国」ではアメリカの「人道的帝国」としての責務を説いた[2]2000年9月にカナダ政府によって設置された「介入と国家主権に関する国際委員会」(ICISS)の一員として保護する責任の定義に貢献した。2019年ダン・デイヴィッド賞、2024年アストゥリアス皇太子賞社会科学部門受賞。

曽祖父は帝政ロシアの政治家ニコライ・イグナチェフ、祖父はパーヴェル・イグナチェフ。父ジョージ・イグナティエフはカナダで外交官を務めた。

著書

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単著

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  • A Just Measure of Pain: the Penitentiary in the Industrial Revolution, 1750-1850, (Pantheon Books, 1978).
  • The Needs of Strangers, (Viking, 1984).
    添谷育志金田耕一訳『ニーズ・オブ・ストレンジャーズ』(風行社、1999年)
  • The Russian Album, (Chatto & Windus, 1987).
  • Blood & Belonging: Journeys into the New Nationalism, (Chatto & Windus, 1993).
    幸田敦子訳『民族はなぜ殺し合うのか――新ナショナリズム6つの旅』(河出書房新社、1996年)
  • The Warrior's Honor: Ethnic War and the Modern Conscience, (Chatto & Windus, 1998).
    真野明裕訳『仁義なき戦場――民族紛争と現代人の倫理』(毎日新聞社、1999年)
  • Isaiah Berlin: A Life, (Chatto & Windus, 1998).
    石塚雅彦・藤田雄二訳『アイザイア・バーリン』(みすず書房、2004年)
  • Virtual War: Kosovo and Beyond, (Chatto & Windus, 2000).
    金田耕一・添谷育志・高橋和中山俊宏訳『ヴァーチャル・ウォー――戦争とヒューマニズムの間』(風行社、2003年)
  • The Rights Revolution, (House of Anansi Press, 2000).
    金田耕一訳『ライツ・レヴォリューション――権利社会をどう生きるか』(風行社、2008年)
  • Human Rights as Politics and Idolatry, (Princeton University Press, 2001).
    添谷育志・金田耕一訳『人権の政治学』(風行社、2006年)
  • Charlie Johnson in the Flames, (Grove Press, 2003).
  • Empire Lite: Nation-building in Bosnia, Kosovo, Afghanistan, (Vintage, 2003).
    中山俊宏訳『軽い帝国――ボスニア、コソボ、アフガニスタンにおける国家建設』(風行社、2003年)
  • The Lesser Evil: Political Ethics in an Age of Terror, (Edinburgh University Press, 2004).[3]
    添谷育志・金田耕一訳『許される悪はあるのか?――テロの時代の政治と倫理』(風行社、2011年)
  • True patriot love: four generations in search of Canada, Viking Canada, 2009.

編著

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  • American Exceptionalism and Human Rights, (Princeton University Press, 2005).

共編著

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  • Wealth and Virtue: the Shaping of Political Economy in the Scottish Enlightenment, co-edited with Istvan Hont, (Cambridge University Press, 1983).
    水田洋杉山忠平監訳『富と徳――スコットランド啓蒙における経済学の形成』(未來社, 1990年)
  • Making States Work: State Failure and The Crisis of Governance, co-edited with Simon Chesterman and Ramesh Chandra Thakur, (United Nations University Press, 2005).

選挙結果

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マイケル・イグナティエフは、エトビコーク=レイクショア選挙区 (Etobicoke—Lakeshoreで、2006年、2008年と当選した。

2008年カナダ総選挙(英語)
政党 候補者 得票数 % ±%
     自由党 マイケル・イグナティエフ 23,536 46.13% +2.50%
     保守党 Patrick Boyer 17,793 34.87% -0.29%
     NDP Liam McHugh-Russell 5,950 11.66% -3.91%
     緑の党英語版 David Corail 3,562 6.98% +1.87%
     Marxist-Leninist Janice Murray 181 0.35% +0.16%
有効投票総数 51,022
無効票総数 213
投票総数 51,235
2006年カナダ総選挙(英語)
政党 候補者 得票数 % ±%
     自由党 マイケル・イグナティエフ 24,337 43.63%
     保守党 John Capobianco 19,613 35.16%
     NDP Liam McHugh-Russell 8,685 15.57%
     緑の党英語版 Philip Ridge 2,853 5.11%
     Communist Cathy Holliday 186 0.33%
     Marxist-Leninist Janice Murray 104 0.19%
有効投票総数 55,778

参照

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  1. ^ Ignatieff, Michael (March 14, 2004). "The Year of Living Dangerously". The New York Times Magazine. Retrieved 2006-08-11.
  2. ^ Empire Lite: Nation-Building in Bosnia, Kosovo and Afghanistan, Minerva, 2003
  3. ^ 刊行前年にエディンバラ大学で行ったギフォード講義が元

外部リンク

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党職
先代
ステファン・ディオン英語版
カナダ自由党党首
第16代:2008年 - 2011年
次代
ボブ・レイ英語版