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ポーキー・ミンチ

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MOTHERシリーズ > ポーキー・ミンチ
ポーキー・ミンチ
MOTHERシリーズのキャラクター
初登場作品MOTHER2 ギーグの逆襲 (1994年)
作者糸井重里
大山功一

ポーキー・ミンチPokey Minch または Porky Minch[1])は、任天堂から発売されたコンピューターRPG、『MOTHER』シリーズに登場する架空の人物。

概要

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シリーズ作品の『MOTHER2 ギーグの逆襲』と『MOTHER3』(以下、『2』『3』と表記)に登場する少年。ブタの様に太った体型と鼻、前髪で隠れている目元が特徴。年齢はネスと同じく12歳(小説版では『14歳』と表記されている)。

元々は『2』の舞台である「イーグルランド」の田舎町「オネット」出身で、『2』の主人公ネスの家が隣に存在する裕福な家系・ミンチ家の長男として生を受けた。親族に、父親のアンブラミ・ミンチ、母親のラードナ・ミンチ、弟のピッキー・ミンチがいる。

非常に我儘な性格をしており、良心や他者への共感性に欠落している面から自己中心的で意地汚い振る舞いが目立ち、「心が張り裂けそうな発言」も平然と行う。ドアのノックの仕方が下品。ネスを始め格下と見なした人間に対する態度は横柄である反面、実の両親やネスの母に対しては低姿勢を見せて言い包める等、狡賢さを見せる。一方、性根はかなりの臆病者で、ネスとの同行時は彼を盾にしたり、泣き真似をする、死んだふりをする、敵の味方をする等、ひたすら自己保身に走ろうとし、ポーキー自身も「強い者の味方」を公言している。

ネス達の持っているPSI能力の様な特殊能力こそ持ち合わせていないものの、自分の都合や目的の為ならば、他者を騙して利用するだけでなく、盗みを働いたり、あまつさえは誘拐にまで加担する等、犯罪行為に対する躊躇や自制心の無さを見せ、その問題的な人間性こそが最大の武器となっている。だが、その身勝手な性格や振る舞いが大きく災いしてか、行き先で出会った人々からもかなり嫌われており、「太ったガキ」、「いけすかないデブ」、「服を着たブタの様な者」等と散々な呼ばれ方をしているのだが、自分に甘い為に自らの非を認めたり改める意思を見せる事は殆ど無く、むしろ自分では無い誰かのせいにしようとする。

家庭環境は恵まれていると言えず、ポーキーの捻じれた性格は「両親から愛情をあまり注がれなかったのが原因」とされているが、浮気をしている母・ラードナーに比べれば父・アンブラミの方は比較的まともな親らしさを見せており、また同じ環境を生きてきた弟・ピッキーも常識的で良心のある性格であるのを見ると、ポーキー自身に全く問題が無かったとは言い難い。また、ピッキーに対しても意地悪をしたり迷惑を頻繁に掛けていたりしたらしく、『2』の序盤でも隕石見物に連れ出したり、マジカントでのピッキーの発言から食べていたお菓子を取り上げたりまでしていた模様。この為か、アンブラミからはかなり厳しく躾けられていた様で、ピッキーを連れ出したのがバレた際もお仕置きを受けている。一方、何だかんだで自分の我儘に付き合ってくれるネスに対しては本心から友情を抱いていたと思わせる節[2]も見せるが、普段から馬鹿にして尊大な態度を取ったり、ネスの好きな食べ物(デフォルトではハンバーグ)を大嫌いとする等、その感情は屈折している。

物語が進むにつれて、次第にその幼児性と暴力性はますます強まっていき、『3』に登場する際にはそれらが極地に達し、もはや取り返しのつかない状態となっていた。

作品別のポーキー

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MOTHER2 ギーグの逆襲

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物語の序盤、家の裏山に落下した隕石に興味を持った事で弟のピッキーを連れ出して見に行くものの、怖気づいた事でピッキーを置き去りにして逃げ出し、警察が来た頃に隕石を見に来たネスを馬鹿にして家に追い返してしまう。しかし、ピッキーを連れ出して置き去りにした事を父・アンブラミにバレる事を恐れ、あれこれと言い訳をしながら結局は就寝中であったネスを連れ出し、再び隕石の元へ向かう。その後、ピッキーを見つける事に成功するものの、そこに現れたブンブーンからネスがお告げを聞く場面をピッキーと共に偶然立ち会う(なお、上記の通り帰宅後は父・アンブラミからはピッキー共々迷惑をかけた罰として尻叩きを100回も喰らう羽目になった)。

お告げを聞いたネスが冒険へ旅立った後は、何を思ったのか自身もオネットの実家から家出。ハッピーハッピー村にて新興宗教団体である「ハッピーハッピー教」の教祖であるカーペインターに取り入り幹部の地位を得ようと画策。ネスの仲間の一人となる少女を誘拐する形で犯罪の片棒を担いでしまうが、ネスによってカーペインターが正気に戻ってしまった結果、ハッピーハッピー教は解散。あっけなく目論見が失敗した後、無人販売所で販売されていた食べ物の全てを持ち逃げし姿を消す。

その後、今度は大都市フォーサイドにて悪徳不動産として実力者となっていたモノトッチ・モノトリーに取り入り、若くして大富豪となる。服装も半ズボンのオーバーオールから赤いスーツ姿となり、父・アンブラミも重役として従わせるに至ったが、莫大な財産を築いた為か以前よりも性格面は大きく悪化。ネス達がやってきた際には傲岸不遜な態度を見せ、やりたい放題していたが、モノトリーが正気を取り戻してしまった事で、またしても目論見は失敗に終わる。しかし、最後の悪あがきと言わんばかりに魔境へ向かう為にモノトリーが手配してくれたヘリコプターを強奪。正気に戻ったモノトリーにもう用は無いとして逃亡した。なお、アンブラミはこの時、見捨てられている。

フォーサイドでの騒動後は全く姿を見せないが、ネス達の向かった先で色々と痕跡を残す事になる。南国リゾート地であるサマーズでは、ガードマンを買収してヒエログリフの写真を撮ったりホテルのドアマンに多額のチップを渡す等、豪遊している様子が描かれている一方、砂漠の町であるスカラビでは、「名残り」として街中で野糞をする形でマナーの悪さを見せている。しかし、密林地帯の「魔境」では、強奪していたヘリコプターを毒の沼地帯で墜落させてしまい、消息不明となっているのだが、ネスの仲間の一人・ジェフの調査によるとヘリコプターのエンジンも無くなっていた。しかし、ネス達が地底大陸に辿り着いた時期には、生きていた上にここへ既に立ち寄っていたと思われる情報があり、温泉に浸かっていた傷心中のグミ族によると「『心が張り裂けそうな事』を言われた」との事。

物語の終盤では、高度な技術力を持つ種族「どせいさん」が作成した時空間転移装置「スペーストンネル」を強奪。地球征服を企む宇宙人・ギーグが根城とする過去の世界「過去の最底国」へと向かってしまう。それに対し、ネス達はロボットに魂を入れる形で後を追って過去の最底国にやってきたのだが、その時には既に完全にギーグの配下となっており、重装備で身を固め結託したギーグと共に迎え撃つ。しかし、追い詰められた結果、既に人格は崩壊しながらも辛うじてギーグの形だけを保たせていた「悪魔のマシン」を勝手に切ってしまい、原型を完全に失い「悪の力」そのものと化したギーグをけし掛け、有利になったと見るやネス達を口汚く罵る。しかし、不用意に言ってしまった事がヒントになってしまう形で状況は逆転してしまい、戦いの末にギーグが敗れると、逃げ口上を残してその場から消える。その後、送付元は不明だが、冒険を終えて自宅へ帰ったネス宛てに挑発染みた内容の手紙を送っており、ここで『MOTHER2』のストーリーは終わる。

MOTHER3

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『2』の最終決戦でネス達に敗れて逃走した後、時空間転移装置を用いて様々な時代と空間を訪れていたが、生身の状態での時空間転移は自身の身体に大きな変調をもたらしてしまう危険性があり、それを何度も繰り返してしまった結果、「不死」の肉体を得るに至る。しかし、「不老」には至れなかった為に、年齢の重ね方には異常をきたしてしまい、次第に老衰。遂には自力でまともに動けなくなり、蜘蛛やにも似た機械のマシンの上で寝たきりの状態という悲惨な姿となってしまい、自分でも何年の時を過ごしているのか分からずにいる。更には、性格がすっかり歪み切ってしまっただけでなく、肉体は変わっても精神は子供のままという歪な状態であった為、訪れたどの時代のどの人間からも嫌われてしまい、最終的にはその時代から締め出される経験ばかりを繰り返していた。この結果、自分を認めない全ての人間達を逆恨みし、洗脳によって自分だけを愛する奴隷私兵集団である「ブタマスク」へと変貌させ、それを従える悪の権化に成り下がってしまった。

様々な時空間での迷走の末、時代と空間を超越した孤島「ノーウェア島」に辿り着く。そこで自らが「キングP」として君臨する都市「ニューポークシティ」を創り上げると、ブタマスク達に命令する形で島の住人の洗脳や動物達の「改造」を実行。島に生きる者の命や尊厳を玩具のように扱う事で自らの遊戯欲を満たしていき、それによって『3』の主人公・リュカの母と双子の兄であるヒナワとクラウスの二人が死亡してしまう事態となっている。だが、そうした禁忌にすらも飽きてしまった中、ノーウェア島の秘密を知るマジプシー達の一人で自らの側近となる形で裏切ったロクリア(ヨクバ)の話により、目覚めさせた者の心を反映するという「闇のドラゴン」が島の地下深くに封印されていることを知ると、ドラゴンの封印を解いて自分以外の全ての滅亡を望むようになる。

封印を解く為の能力を持っていたクラウスの遺体を改造して生み出した配下の「仮面の男」を、ノーウェア島のマジプシー達が護る各所へ仕向けて計画の完遂を目論むも、クラウスと同じく封印を解く能力を持ち善良な心を持ったリュカとその仲間達の活躍により、計画は思うように進まなくなる。封印を解くのにあと一つとなった際、使者を送ってリュカ達をニューポークシティへと招き入れ、エンパイアポーキービルの最上階にてノーウェア島の真実をリダから聞かされて知ったリュカ達や多くの島民達と対峙。最後の封印の場所がビルの地底にある事を明かし、一足早くその場所へと向かう。

地底にて、最後の封印を仮面の男へ解かせに向かった後、追ってきたリュカ達に対し巨大な装置に乗って応戦。戦いの末にその装置がリュカ達によって破壊されてしまうと、今度はアンドーナッツ博士とどせいさんを騙して作らせた外部からのいかなる攻撃も防ぐという究極の安全装置「ぜったいあんぜんカプセル」の中に逃げ込む。しかし、それはカプセルの外にいる者にとっても絶対に安全≒一度入ったら最後、もう二度と出られないという代物であり、以後はその後に迎える世界の終末を越えても尚、永遠に生き続ける事となった。

大乱闘スマッシュブラザーズX

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大乱闘スマッシュブラザーズX』では、ゲームモードの1つ「亜空の使者」にてボスとして登場。姿は『MOTHER3』のもの。同じ『3』の、少年期ポーキーを模した像「キングの像」もロボットとなって登場している。

小説版『MOTHER2 ギーグの逆襲』

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小説版『MOTHER2 ギーグの逆襲』(久美沙織・著 新潮文庫 1994年)では、幼い頃はネス達のよき兄貴分だったが、入学後に上級生にいじめられていた所を目撃したネスに見て見ぬ振りをされたことが性格を歪ませる一因となった(ネスはその時ポーキーを助けなかった事に負い目を感じている)。

物語の序盤で隕石と共に地球に落ちて来た宇宙人・ギーグと融合し、その後ゲーム本編のようにネス達の冒険を妨害する。物語の後半では体が肥大化して巨大な脂肪の塊のような姿となり、宇宙人たちに指令を送る。最終決戦の際にはギーグと完全に融合してネス達に襲い掛かり、戦いの末にネスの手によって葬られる。

その後、ネス達がギーグを倒したことにより世界が新しく書き換えられ、「ネスの兄」として復活する。以前とは性格が一変し、さわやかで弟妹想いな好青年になっている。

ポーキーの攻撃技

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MOTHER2 ギーグの逆襲
  • 突進
  • とてもくさいガス
MOTHER3

『3』におけるポーキーの攻撃は、その様子が詳しく描写されない。

  • ポーキーは…何をしたのか?(爆撃のようなエフェクトと効果音がするorエフェクトなし)
  • ポーキーがなにかした!(強力な光を発する。涙が止まらなくなる)
  • ポーキーはなにかをはきだした!(オフェンスとディフェンスにデバフ)
  • 何やら痺れるものを噴射する
  • なにやら吸い込む(HP吸収)
  • 話しかける
  • サイコカウンター装置
  • 絶対安全カプセル
大乱闘スマッシュブラザーズX

『3』の終盤のように多脚型のメカを操作して戦闘を行う。

  • 脚による攻撃
脚先で突く、突進してこちらを跳ね飛ばす、ジャンプした後に踏みつけるなどの攻撃を行う。
  • ビームの照射
メカ上部に作り出したエネルギー体からビームを放つほか、飛行状態の際には地面に向けてに放つ。
  • 自爆ロボの射出
少年期の自分を模したロボット(原作で登場した「ポーキー01〜10」)を放ち、相手の近くで自爆させる。

その他

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  • 同ホームページのコーナー「樹の上の秘密基地」で行われたWii用ソフト『街へいこうよ どうぶつの森』のプレイ企画で、糸井はゲーム内で幼児性と怖さを併せ持った部屋を作成した。これについて糸井は「『MOTHER3』を作ったときポーキーっていうやつにやらせたかったことを『どうぶつの森』でやってるんですよ」と語っている[4]

脚注

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  1. ^ MOTHER2 ギーグの逆襲』の日本国外版である『EarthBound』の中では「Pokey」表記だが、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズに登場の際は「Porky」表記になっている。
  2. ^ ゲームの序盤では「ボロのバット」の使い方を教える等、辛うじてだが「友人」としての体裁を保っており、マジカントでのポーキーはネスの家庭を羨んでいる様子も見せる。
  3. ^ ほぼ日刊イトイ新聞 - 本読む馬鹿が、私は好きよ。 その6:スティーブン・キングを読む人
  4. ^ ほぼ日刊イトイ新聞 - 樹の上の秘密基地 どうぶつの森 遊んだ人と作った人。 第3回