ポスカ (飲料)
表示
ポスカ(英語:Posca)は、古代ローマの兵士、奴隷、低層民に飲まれていた酢と水を混ぜた飲み物である。
語源
[編集]poscaという単語は、ラテン語のpotor(飲み物)またはギリシア語のepoxos(非常に鋭い)のいずれかに由来する[1]。古代ギリシア語にはもともとなかった言葉で、聖書などではὄξος(oxos、酢)という語で置き換えられていた。東ローマ帝国の軍隊がφοῦσκα(phouska)と名付けたものを飲むローマの伝統を続けたので、その後6世紀頃からギリシア語に流入した。
用例
[編集]大プリニウスの『博物誌』やプラウトゥスのローマ喜劇、『ローマ皇帝群像』まで、数多くの用例がある。
エピソード
[編集]- 将軍と皇帝が行軍中、兵士たちと同じように飲み連帯感を高めるのに用いた。
- キリストが磔刑にされた際、スポンジに含ませて飲ませた話がある。
- 哲学者ジェロラモ・カルダーノは、1562年に記した Encomium Neronis において、ローマ軍の優秀さの理由を以下の3点、すなわち莫大な給料、トレーニングによって培われた頑健さと重量物の運搬能力、そして塩漬けの豚肉・チーズ・ポスカといった良質な飲食物、に集約している。
出典
[編集]- ^ Roth, Jonathan. The Logistics of the Roman Army at War (264 B.C.-A.D. 235), pp. 37-38. BRILL, 1999. ISBN 90-04-11271-5
関連項目
[編集]- オキシメル - 酢と蜂蜜を混ぜた薬。
- スウィッチェル(en:Switchel) - イギリスの酢と水、まれにしょうがを混ぜた飲み物。
- ガスパチョ - ポスカが発展してできた料理であるという説がある。