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ボールウェイン積分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

数学において、ボールウェイン積分: Borwein integral)は関数sinc(ax) の積の積分である。ただし、ここでsinc(x)はsinc関数であり、0でないxに対しては sinc(x)=sin(x)/xとし、sinc(0)=1と定める[1][2]。2001年にデイヴィッド・ボールウェイン英語版ジョナサン・ボールウェイン英語版によって提示された。これらの積分は、わかりやすいパターンを示すかと思いきや、やがてそれが崩れることで知られる。たとえば、以下のとおりである。

このパターンは、次まで続く。

ところが、次のステップではこのパターンが崩れてしまう。

一般には、3,5,...という数に限らず、それらの数の逆数の和が1より小さい任意の実数たちを用いても、同様に積分値がπ/2となる。上の例では、1/3+1/5+...+1/13<1だが、1/3+1/5+...+1/15>1である。

より長い列の例を挙げる。

だが、

である。これらの例とともに、このようなことが起こる理由の直観的な説明も示されている[3]

数式処理システムMaximaによるプログラムの例

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/* 上記の最初の例 */
f(n) := if n=1 then sin(x)/x else f(n-2) * (sin(x/n)/(x/n));
for n from 1 thru 15 step 2 do (
  print("f(", n, ")=", f(n) ), 
  print("integral of f for n=", n, " is ", integrate(f(n), x, 0, inf))
);
/* 上記の二つ目の例 */
for n from 1 thru 19 step 2 do (
  print("g(", n, ")=", 2*cos(x)*f(n) ), 
  print("integral of g for n=", n, " is ", integrate(2*cos(x)*f(n), x, 0, inf))
);

出典

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  1. ^ Borwein, David; Borwein, Jonathan M. (2001), “Some remarkable properties of sinc and related integrals”, The Ramanujan Journal 5 (1): 73?89, doi:10.1023/A:1011497229317, ISSN 1382-4090, MR1829810 
  2. ^ Baillie, Robert (2011). "Fun With Very Large Numbers". arXiv:1105.3943v1 [math.NT]。
  3. ^ Schmid, Hanspeter (2014), “Two curious integrals and a graphic proof”, Elemente der Mathematik 69 (1): 11–17, doi:10.4171/EM/239, ISSN 0013-6018, http://schmid-werren.ch/hanspeter/publications/2014elemath.pdf