ボガート
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ボガート(Boggart)は、ケルト族の神話に伝わる、いたずら好きだがときに人間を助けてくれる、家に住む妖精の一種である[1]。別名ボーガン(Bogan)またはボーグル(Bogle)。ボガト、ボガン、ボグルとも。同じくケルトの神話を伝えるフランスのブルターニュ地方ではアナオン[2]とも呼ばれている。
イギリスの民間伝承では、ボガートは屋敷に憑く妖精で、ブラウニーよりもいたずら好きである[3]。夜中にポルターガイスト現象を起こし、それにより物体が消滅したり、牛乳が酸っぱくなったり、犬がビッコになったりする。常に悪さをし、どこへ逃げてもついてくる。
ボガートは夜間寝ている人に忍び寄り、冷たい手を顔に当てると言われている。敷布を剥がしたり、時に耳を引っ張ったりする。
北イングランドでは、ボガートは危険な曲がり角の橋の下に棲み、御者がその橋を渡るとき丁寧に挨拶をしないと、不幸なことが起きるとされる。少なくともイングランド北部では、ボガートに命名してはいけないことになっている。ボガートが名を得ると、理不尽で説得することのできない、手に負えない破壊的なものになる。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 草野巧『幻想動物事典』新紀元社、1997年 ISBN 4-88317-283-X
- アナトール・ル=ブラース、後平澪子 訳『ブルターニュ 死の伝承』藤原書店、2009年 ISBN 978-4-89434-685-7