ホソバノツルリンドウ
ホソバノツルリンドウ | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Pterygocalyx volubilis Maxim.[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ホソバノツルリンドウ |
ホソバノツルリンドウ(細葉の蔓竜胆[4]、学名:Pterygocalyx volubilis Maxim.[1])は、リンドウ科ホソバノツルリンドウ属に分類される多年生のつる植物の1種[5]。別名がホソバツルリンドウ[1]。
特徴
[編集]つる性で他のものに巻き付きながら[6]、長さ50-100 cmになる[7]。茎は細長く[5]、紫色を帯びない[4]。葉は対生し[6]、披針形で先が長くとがり、長さ2-5 cm、幅5-10 mm[5]、裏面は紫色にならない[4]。花は葉腋にふつう一つつき[5]、下向きに開く[7]。萼筒は長さ15-20 mmで4条の翼があり、裂片は広線形で長さ3-5 mm[5]。花冠の先は4裂し[4]、筒状で長さ30-35 mm、白色で淡紫色を帯び、裂片は長楕円形で長さ約10 mm、副弁はない[4]。開花時期は9-10月[4][5]。蒴果は狭長楕円形で長さ約10 mm[5]。種子は多数[6]、ごく小さく、縁に膜質の翼がある[5]。
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茎は細長く紫色を帯びず、葉は対生し、披針形で先が長くとがる
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花冠は4裂し、副片がない
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蒴果は狭長楕円形
分布と生育環境
[編集]ウスリー、中国(東北)、朝鮮半島、日本に分布する[5]。日本では、北海道、本州、四国[4]にやや稀に[5]分布する。ホソバノツルリンドウ属の種は東アジアからインドにかけて数種知られているが、日本では本種の1種のみ[5]。
山地[5]から亜高山帯[8]にかけての林縁[9]や藪[6]などに生育する。道路脇ののり面に出現することがある[9]。
ツルリンドウとの識別ポイント
[編集]同科のつる性のツルリンドウとの識別ポイントを下表に示す。茎がつるになることはツルリンドウに似ているが、本種は全体に細く、葉がより狭い[5]。ツルリンドウが日本で全国に広く分布するのに対して、本種は北海道、本州、四国にやや稀に分布する[5]希少種[10]。
和名 学名 |
花の画像 | 果実の画像 | 識別のポイント |
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ホソバノツルリンドウ Pterygocalyx volubilis |
・茎は紫色を帯びない[5] ・葉は3角状披針形で、長さ3-5 cm[5] ・花冠は4裂し、副片がない[4] ・果実は蒴果[5] ・日本では、北海道、本州、四国にやや稀に分布する[4] | ||
ツルリンドウ Tripterospermum japonicum |
・茎は紫色を帯びる[5] ・葉は披針形で、長さ2-5 cm、幅5-10 mm[5] ・花冠は5裂し、副片がある[4] ・果実は液果[4]、紅紫色に熟す[11] ・日本では、北海道、本州、四国、九州に分布する[4] |
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茎は紫色を帯びるツルリンドウ
種の保全状況評価
[編集]日本では環境省によるレッドリストで絶滅危惧II類(VU)の指定を受けている[10]。
絶滅危惧II類 (VU)(環境省レッドリスト)
また以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている。磐梯朝日国立公園、日光国立公園、上信越高原国立公園、中部山岳国立公園で指定植物の一つに選定されていて、保護対象とされている[8]。
- 絶滅危惧IA類 - 山形県[12]、東京都西多摩[6]、山梨県[13]、徳島県[14]、愛媛県[15]
- 絶滅危惧I類 - 宮城県[16]、新潟県[8]、岐阜県[7]
- 絶滅危惧IB類 - 秋田県[17]、群馬県[18]、埼玉県[19]、神奈川県[20]、愛知県[21]
- 重要希少野生生物(Bランク) - 青森県[9]
- Bランク - 岩手県[22]
- 絶滅危惧I類(EN) - 石川県[23]
- 絶滅危惧II類 - 福島県[24]、高知県[25]
- 準絶滅危惧 - 栃木県[26]、富山県[27]、長野県[28]
- 希少種 - 滋賀県[29]
脚注
[編集]- ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2012年5月12日). “ホソバノツルリンドウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年10月21日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2012年5月12日). “ホソバノツルリンドウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年10月21日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2012年5月12日). “ホソバノツルリンドウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年10月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 門田 (2013)、396頁
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 佐竹 (1981)、29頁
- ^ a b c d e “東京都レッドデータブック、ホソバノツルリンドウ”. 東京都. 2021年10月21日閲覧。
- ^ a b c “岐阜県レッドデータブック(植物編)改訂版、ホソバツルリンドウ” (PDF). 岐阜県. 2021年10月21日閲覧。
- ^ a b c “レッドデータブックにいがた” (PDF). 新潟県. pp. 241. 2021年10月21日閲覧。
- ^ a b c “青森県レッドデータブック(2020年版)” (PDF). 青森県. pp. 92. 2021年10月21日閲覧。
- ^ a b c “環境省レッドリスト2019の公表について”. 環境省. 2021年10月21日閲覧。
- ^ 林 (2009)、259頁
- ^ “山形県第2次レッドリスト(植物編)について(2013年度改訂版)”. 山形県 (2020年9月28日). 2021年10月21日閲覧。
- ^ “山梨県レッドデータブックの改訂(平成30年3月公開)” (PDF). 山梨県. pp. 43. 2021年10月21日閲覧。
- ^ “徳島県版レッドデータブック(レッドリスト)”. 徳島県. 2021年10月21日閲覧。
- ^ “愛媛県レッドデータブック2014、ホソバノツルリンドウ”. 愛媛県. 2021年10月21日閲覧。
- ^ “宮城県レッドリストの公表について”. 宮城県 (2020年3月30日). 2021年10月21日閲覧。
- ^ “秋田県版レッドリスト2014(維管束植物)について”. 秋田県 (2014年2月18日). 2021年10月21日閲覧。
- ^ “植物レッドリスト(2018年部分改訂版)”. 群馬県 (2018年7月5日). 2021年10月21日閲覧。
- ^ “埼玉県レッドデータブック2011 植物編” (PDF). 埼玉県. pp. 142. 2021年10月21日閲覧。
- ^ “神奈川県レッドリスト〈植物編〉2020”. 神奈川県 (2020年10月26日). 2021年10月21日閲覧。
- ^ “レッドデータブックあいち2020、ホソバツルリンドウ” (PDF). 愛知県. pp. 330. 2021年10月21日閲覧。
- ^ “いわてレッドデータブック 岩手の希少な野生生物 web版、ホソバノツルリンドウ”. 岩手県. 2021年10月21日閲覧。
- ^ “いしかわレッドデータブック2020” (PDF). 石川県. pp. 174. 2021年10月21日閲覧。
- ^ “ふくしまレッドリスト(2020年版)について”. 福島県 (2021年4月23日). 2021年10月21日閲覧。
- ^ “高知県レッドリスト(植物編)2020年改訂版”. 高知県 (2020年11月5日). 2021年10月21日閲覧。
- ^ “栃木県版レッドリスト・レッドデータブックについて”. 栃木県 (2020年7月28日). 2021年10月21日閲覧。
- ^ “富山県の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブックとやま2012-”. 富山県 (2021年2月24日). 2021年10月21日閲覧。
- ^ “レッドリストの閲覧とダウンロード”. 長野県 (2020年11月30日). 2021年10月21日閲覧。
- ^ “ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例”. 滋賀県 (2021年5月10日). 2021年10月21日閲覧。
参考文献
[編集]- 門田裕一、畔上能力、永田芳男、菱山忠三郎、西田尚道『山に咲く花』(増補改訂新版)山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2013年3月30日。ISBN 978-4635070218。
- 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 編『日本の野生植物 草本Ⅲ合弁花類』平凡社、1981年10月。ISBN 4582535038。
- 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ホソバノツルリンドウの標本 国立科学博物館標本・資料統合データベース
- ホソバツルリンドウさく葉標本 北海道博物館
- ホソバツルリンドウ 登別市
- Pterygocalyx volubilis Maxim. (The Plant List)