ホオベニシロアシイグチ
ホオベニシロアシイグチ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Pseudoaustroboletus valens (Corner) Yan C.Li & Zhu L.Yang (2014)[1] | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ホオベニシロアシイグチ(頬紅白足猪口) | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Bitter bolete, Bitter tylopilus |
ホオベニシロアシイグチ(頬紅白足猪口[2]、学名:Pseudoaustroboletus valens[1])はイグチ目イグチ科ホオベニシロアシイグチ属のキノコである[3][4]。食用キノコ[3][4]。和名は、傘が反り返って見える管孔の部分を、頬に見立てたところから名付けられた[2]。
分類
[編集]ホオベニシロアシイグチはその外形・形態から、かつてはTylopilus(ニガイグチ属)に分類されていたが、Yan-Chun Liらによる分子系統解析の結果、ニガイグチ属とは別の独自の系統を形成していることが判明し、2014年に新属のPseudoaustroboletus(ホオベニシロアシイグチ属)とすることが提唱された[5]。なお、ホオベニシロアシイグチ属には本種のみが含まれるとされる。
分布
[編集]日本国内では主に関東以西で見られる種類とされるが、福島県や宮城県でも確認されている[4]。国外では中国、東南アジア(マレー半島、ボルネオ島)に分布する[4][5]。シイやカシなどのブナ科の樹林に夏から秋にかけて見られる外生菌根菌であるが、発生はやや稀[3][4][2]。
特徴
[編集]傘は直径6 - 20センチメートル (cm) 、初めはまんじゅう形で後に平らに開く[4]。傘表面は灰褐色で、幼菌時はやや線毛状、生長するにつれてほぼ無毛になり湿時は多少粘性を帯びる[3][4]。管孔は初めは白色で後に淡紅色から灰橙色となる[3][4]。孔口は多角形で管孔と同色、傷つくと褐色に変色する[4]。管孔と柄の関係は上生または離生[3]。柄は長さ7 - 15 cmで、白色[3]、基部がやや膨らむ[2]。柄表面にはやや目の粗い隆起した網目模様があり、基部付近は老成により黄色のシミを生じる[3][2]。
食用
[編集]食用キノコであるが、酸味がある[4]。調理する場合は、マリネや酢の物など酸味を生かした味付けをするのが良いとされる[4]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 『山渓カラー名鑑 日本のきのこ』、山と渓谷社、ISBN 978-4-635-09044-5、2011年
- 『おいしいきのこ毒きのこ図鑑』、主婦の友社、ISBN 978-4-07-416841-5、2017年
- A new genus Pseudoaustroboletus (Boletaceae, Boletales) from Asia as inferred from molecular and morphological data, Mycological Progress 13, Li YC, Li F, Zeng NK, Cui YY, Yang ZL, 2014年
- 吹春俊光『おいしいきのこ 毒きのこ』大作晃一(写真)、主婦の友社、2010年9月30日。ISBN 978-4-07-273560-2。
関連項目
[編集]- イグチ科
- 菌根菌
- ニガイグチモドキ - アカマツやコナラの林に発生する。管孔は紫色。強い苦みがあり、食用に適さない。
- アケボノアワタケ - 針葉樹や広葉樹の林床に生え、食用になるキノコ。ミドリニガイグチに似るが、管孔はピンク色をおび、エノキ部が黄色。
- ウラグロニガイグチ - ブナ科の樹木下に生える。孔口が黒いのが特徴。食用されるが、人によっては食中毒をおこす。