ペンギン・クラシックス
表示
ペンギン・クラシックス(英語: Penguin Classics)とは、ペンギン・ブックス出版社の出版物の内、文学の古典作品が英語、スペイン語、ポルトガル語、韓国語やその他広く世界の言語からの作品が出版されているシリーズを指す。文学批評家たちはこのシリーズの書籍を西洋正典の重要な要素と見なす傾向があるが、多くのタイトルは翻訳されたか、西洋以外の起源のものであった。実際、このシリーズの誕生から数十年間は翻訳書のみであったが、1986年になってやっと英語からの図書がペンギン・ブックスに組み込まれた。
歴史
[編集]最初のペンギン・クラシックスは『オデュッセイア』のE.V.リュー(E. V. Rieu)による英訳で(1946年出版)、リューはこのシリーズの総合編集者になった。彼はロバート・グレーヴスやドロシー・セイヤーズなどの文学小説家を翻訳者として探しだして、彼らが「多くの既存の翻訳が現代人に合わない、古風な好みと外国の言い回しを避けてくれるだろう」と信じてのことであった。
1964年にベティ・ラディス(Betty Radice)とウィリアム・バルディック(William Baldick)が共同編集者としてリューを引き継ぎ、1974年にラディスが単独の編集者となり、21年間編集者を務めた。[1]編集者としてのラディスは、人気のある本には奨学金を設定するように主張し、以前の平文のペンギン・ブックスの慣習を修正し、脚注、参考図書、地図、注釈、索引を追加した。彼女は「古典」の規範を広げ、学術的基準を守りながらも読者を励まし、多様化させた。[2]
シリーズ
[編集]ペンギン・ブックスには、次のような専門化した分野のシリーズがある。
- Penguin Nature Classics:ジョン・ジェームズ・オーデュボン、レイチェル・カーソン、ジョン・ミューアなどの作品
- Penguin Modern Classics:トルーマン・カポーティ、ジェイムズ・ジョイス、ジョージ・オーウェル、ウラジーミル・ナボコフ、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリなどの作家
- Penguin Enriched Classics:『ハックルベリー・フィンの冒険』、『高慢と偏見』、『緋文字』、『二都物語』などの作品
- Penguin Popular Classics:ペーパーバック版
- Penguin Designer Classics:ペンギン・ブックスの60周年(2007年)に発行された5書籍
- Penguin Mini Modern Classics:上記Modern Classicsの50周年(2011年)に50人の作家の書籍のポケット版
- Penguin Little Black Classics:ペンギン・ブックスの80周年(2015年)に発行
- Pocket Penguins:2016年から始まったさらに小さなA-format版で、この年20書籍を出版
参照項目
[編集]脚注
[編集]- ^ Radice, William; Reynolds, Barbara (1987). The Translator's Art. Essays in honour of Betty Radice. Harmondsworth, UK: Penguin. p. 29.
- ^ Fowler, R (2016) 'Betty Radice and the survival of classics' in Wyles, R. and E. Hall (eds) Women Classical Scholars: Unsealing the Fountain from the Renaissance to Jacqueline de Romilly, Oxford. p.347-349,358
外部リンク
[編集]- オフィシャルサイト (米国、カナダ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカのサイトへ移動できる)