ベース・ミュージック
ベース・ミュージック (Bass music) はクラブミュージックのジャンルの一つ。かつてはヒップホップのジャンルのひとつで、低音部を極端に強調したサウンドと速いBPMが特徴のマイアミ・ベース、アトランタ・ベースを指していた。その後、ドラムンベースやダブステップ、トラップなど、イギリス発祥のクラブミュージックのジャンルを指すケースも見られるようになった。
歴史
[編集]ドラムにはブレイクビーツが多用されているが、マイアミ・ベースの場合はリズムマシン(ローランド社のTR-808)が用いられる。これはTR-808のバスドラムの音圧が高いからである。
マイアミ・ベースは80年代後半にアメリカ・マイアミで生まれた。ヒップホップに比べラップ部分は比較的単純で、セックスをテーマにしたものが多い傾向にある。女性の喘ぎ声のサンプルが配される事も多い。 代表的なアーティストに、ルーク[1]と2ライヴ・クルー[2][3]、サー・ミックス・ア・ロット、タッグ・チーム、DJマジック・マイクらがいる。
90年代中盤にはアトランタでも流行、マイアミ・ベースに比べR&B色が強く、歌ものの楽曲も多い。 ジャーメイン・デュプリのソーソーデフ・レコーディングスよりリリースされたアルバム『So So Def Bass all stars』からシングル・カットされたINOJ『Time after time』がヒットとなった。
クラブミュージック
[編集]トラップにメロディックで心地よいシンセ音を入れ、キャッチーながら未来的な音のフューチャー・ベースといった新たなベース・ミュージックのサブジャンルも生まれ、日本でも中田ヤスタカ[4]、DEAN FUJIOKA[5]、2019年には宇多田ヒカル(Skrilexと共作[6])などが楽曲を発表している。 イギリス発祥で、2stepやUKガラージから発展した、重低音でリズミカルなベース音が特徴的なジャンルの包括的な総称。
サブジャンルとしてドラムンベース、ダブステップ、トラップ、ベース・ハウス、グライムなどが含まれる。2000年代半ば頃から、こうしたサブジャンルをまたいでミックスするDJたちにより呼称されるようになった。
2010年代からはイギリスにとどまらず、EDMブームとともに世界的に知れ渡った。2010年代中頃にはメインストリームEDMの似たようなビートに聴き飽きた若者に、ベース・ミュージックの多様でジャンルレスな音が受け、大型フェスなどでも、トラップやダブステップをかけるDJが増えた。
ベース・ミュージックはUKベースと同義語であるが、もはや世界中でブームとなり、DJスネイク(フランス出身)、Skrilex、Jauz(共にアメリカ出身)、アリソン・ワンダーランド(オーストラリア出身)など、世界中からヒットが産まれだし、トップチャートやヒップホップチャートにもベース・ミュージックの影響が見受けられるようになった。
脚注
[編集]- ^ 当初はルーク・スカイウォーカーを名乗っていたが、SF映画のキャラクターと同じ名前であったため、ルークに改名した
- ^ 2 Live Crew Allmusic.com 2024年2月8日閲覧
- ^ エロティックなライムを理由として、楽曲が放送禁止になったことがある
- ^ “ソロ活動本格化!中田ヤスタカが再び音楽シーンを変える | ミーティア(MEETIA)” (日本語). ミーティア(MEETIA). (2017年9月2日) 2018年11月3日閲覧。
- ^ “DEAN FUJIOKA、主演ドラマ『今からあなたを脅迫します』主題歌を書き下ろし!「日本の冬をイメージして作った」”. 音楽WEBメディア M-ON! MUSIC(エムオンミュージック) (2017年9月21日). 2019年1月16日閲覧。
- ^ 株式会社ローソンエンタテインメント. “宇多田ヒカル ニューシングル『Face My Fears』でスクリレックスと共作!2019年1月18日発売!|邦楽・K-POP”. HMV&BOOKS online. 2019年1月24日閲覧。
関連項目
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