ベルリンは晴れているか
『ベルリンは晴れているか』(ベルリンははれているか)は、深緑野分の小説。筑摩書房より2018年9月に出版された[1]。NHKでオーディオドラマ化されている他[2]、本屋大賞や直木賞の候補などにも選ばれている[3]。
あらすじ
[編集]ナチス・ドイツが敗戦し、米ソ英仏の4ヵ国統治下に置かれた1945年7月のベルリンでドイツ人の少女・アウグステの恩人にあたる男がソ連領域で米国製の歯磨き粉に含まれていた毒によって不審死を遂げる。米国の兵員食堂で働いており、恩人殺害の疑いをかけられたアウグステはKGBの前身・ソ連のNKVD(内務人民委員部)のドブリギン大尉に引き渡され、無実を証明するのであれば、ベルリン郊外のポツダムへ向かい、恩人の甥にあたるエーリヒを探せと命じられる。アウグステは任務遂行のためにユダヤ人の元俳優・カフカを相棒にして旅立つが、次々と試練が待ち構えていた[4][5]。
登場人物
[編集]以下に主要な登場人物を列挙する[6]。
アウグステ・ニッケル - アメリカ軍の兵員食堂で働く少女
ファイビッシュ・カフカ - 泥棒。元俳優
ユーリイ・ヴァシーリエヴィッチ・ドブリギン - NKVD(内務人民委員会大尉)
アナトーリー・ダニーロヴィチ・ベスパールイ - NKVD下級軍曹
クリストフ・ローレンツ - 音楽家。毒入り歯磨き粉で不審死を遂げる
フレデリカ・ローレンツ - クリストフの妻。戦中は潜伏者を匿う活動をしていた
エーリヒ・フォルスト - フレデリカの甥
グレーテ・ノイベルト - フレデリカの使用人
ヴィルマ - 動物園の元飼育員
ヴァルター - 機械いじりが得意な浮浪児
ハンス - ヒトラー・ユーゲントの制服を着ている
ダニエラ・ヴィッキ - 通称「ダニー」。映画の音響技師
デートレフ・ニッケル - 共産主義者。アウグステの父
マリア・ニッケル - アウグステの母。
イーダ - ポーランド人労働者の女児
ブーツ - ニッケル家が暮らす集合住宅の管理人
イツァーク・ベッテルハイム - ニッケル家の隣人のユダヤ人
エーディト・ベッテルハイム - エーファの妻
エーファ・ベッテルハイム - イツァークの娘
ギゼラ・ズーダー - ニッケル家の向かいに住むダウン症の少女
レオ・ズーダー - ギゼラの弟
ラウル - デートレフの政治活動の仲間
リーゼル - デートレフの政治活動の仲間
ヒルデブラント - 教師
ブリギッテ・ヘルプスト - アウグステの同級生
ホルン - 元英語教師
受賞・ノミネート
[編集]年度 | 賞 | 順位 | 参照サイト等 |
---|---|---|---|
2018年 | 第160回直木賞 | 候補 | [7][8] |
2018年 | 第31回このミステリーがすごい! | 2位 | [9] |
2018年 | 第21回大藪春彦賞 | 候補 | [10][11][12] |
2018年 | 週刊文春ミステリーベスト10 | 3位 | [13] |
2019年 | 第16回本屋大賞 | 3位 | [14] |
2019年 | 第72回日本推理作家協会賞
長編及び連作短編集部門 |
候補 | [15] |
2019年 | 第6回高校生直木賞 | 候補 | [16] |
2019年 | 第9回Twitter文学賞 | 1位 | [17][18] |
脚注
[編集]- ^ “ベルリンは晴れているか - 国立国会図書館”. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “ベルリンは晴れているか”. NHKオーディオドラマ. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “【「本屋大賞2019」候補作紹介】『ベルリンは晴れているか』――戦後・戦中のドイツを追体験できる歴史ミステリー - ニュース|BOOKSTAND”. BOOKSTAND. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “ベルリンは晴れているか”. 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “なぜナチス敗退後のベルリンを舞台に日本人がミステリーを書くのか? 『ベルリンは晴れているか』”. J-CAST BOOKウォッチ (2020年9月7日). 2020年10月28日閲覧。
- ^ “筑摩書房 ベルリンは晴れているか 深緑野分”. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “【第160回 直木賞 候補作】深緑野分「ベルリンは晴れているか」:芥川賞・直木賞発表を楽しもう”. 芥川賞・直木賞発表を楽しもう:ブロマガ - ニコニコチャンネル. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “直木賞-選評の概要-第160回|直木賞のすべて”. prizesworld.com. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “このミステリーがすごい!投票結果一覧1-32回|文学賞の世界”. prizesworld.com. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “深緑野分氏 講演会”. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “「ベルリンは晴れているか」深緑野分”. 【株式会社イマジンプラス】. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “大藪春彦賞受賞作・候補作一覧1-22回|文学賞の世界”. prizesworld.com. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “2018年週刊文春ミステリーベスト10 - 電子書籍・漫画のCOCORO BOOKS”. galapagosstore.com. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “これまでの本屋大賞 | 本屋大賞”. www.hontai.or.jp. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “2019年 第72回 日本推理作家協会賞|日本推理作家協会”. 日本推理作家協会. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “高校生直木賞受賞作・候補作一覧1-7回|文学賞の世界”. prizesworld.com. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “Twitter文学賞投票結果上位一覧1-10回|文学賞の世界”. prizesworld.com. 2020年10月28日閲覧。
- ^ “魔術的なまでに錯綜する魅力にあふれる一冊|深緑野分さん『この本を盗む者は』”. 本がすき。 (2020年10月10日). 2024年4月18日閲覧。