ベルシャザールの饗宴 (シベリウス)
『ベルシャザールの饗宴』(スウェーデン語: Belsazars gästabud) 作品51は、ジャン・シベリウスが作曲した付随音楽。ジャーナリスト、詩人、劇作家のヤルマル・プロコペ(スウェーデン語)が著した同名の戯曲に付された。
概要
[編集]シベリウスは1906年に管弦楽曲として8曲を作曲しており、一部の曲には歌い手も必要となっている。戯曲と付随音楽の初演は1906年11月7日にヘルシンキのスウェーデン劇場において、作曲者自身の指揮で行われた。1907年1月までに上演回数は21回を数えた[1]。
シベリウスは1907年に4曲を取り出して管弦楽のみからなる組曲を制作しており、こちらが原曲よりも広く知られるようになっている[1]。組曲も原曲と同じ作品番号51を付されている。初演は1907年9月25日にヘルシンキにおいて作曲者自身の指揮、ヘルシンキ・フィルハーモニー協会の演奏で行われた。同じ演奏会では交響曲第3番もお披露目されている。また同年中に組曲のピアノ編曲版も制作されている[1]。
原曲で番号2bとなっている「ユダヤ人の少女の歌」(スウェーデン語: Den judiska flickans sång)には多数の版が存在する。この曲は元来フルートと管弦楽のために書かれた楽曲だった。1907年に管弦楽組曲版の第2曲「孤独」となり、シベリウスは同年にピアノ伴奏歌曲としての版も作成している。1939年にアメリカのコントラルトであったマリアン・アンダーソンのために管弦楽伴奏歌曲へも編曲されており、「孤独」と名付けられた[1][2]。
原曲の全曲版世界初録音はオスモ・ヴァンスカ指揮、ラハティ交響楽団の演奏、リリ・パーシキヴィ(メゾソプラノ)、ペトリ・レート(Petri Lehto、テノール)、サウリ・ティーリカイネン(バリトン)、ラハティ室内合唱団によりBISレコードのシベリウス全集の一環として行われた。
楽器編成
[編集]組曲版の編成。
フルート2(第2奏者はピッコロ持ち替え)、オーボエ、クラリネット2、ホルン2、打楽器(大太鼓、シンバル、タンブリン、トライアングル)、弦五部[3]。
楽曲構成
[編集]付随音楽
[編集]- 1. 行進曲風に (第1幕)
- 2a. ノクターン (第1幕への前奏曲)
- 2b. ユダヤ人の少女の歌 (第2幕)
- 3. アレグレット (第3幕)
- 4. 生の踊り (第3幕)
- 5. 死の踊り (第3幕)
- 6. (4の一部分)
- 7. テンポ・ソステヌート (第4幕)
- 8. アレグロ (第4幕)
- 9. (4の短縮版)
- 10. (5の再現)[4][5]
組曲
[編集]- 「東洋の行進曲」 (原曲「行進曲風に」)
- 「孤独」 (原曲「ユダヤ人の少女の歌」)
- 「ノクターン」 (原曲「前奏曲:ノクターン」)
- 「カドラ(Khadra)の踊り」 (原曲「生の踊り」と「死の踊り」)[3]
出典
[編集]- ^ a b c d Jean Sibelius: The music
- ^ Jean Sibelius: The music
- ^ a b The Flying Inkpot Archived May 15, 2011, at the Wayback Machine.
- ^ ベルシャザールの饗宴 - オールミュージック. 2019年5月8日閲覧。
- ^ Levas, Santeri (1986) (Finnish). Jean Sibelius: Muistelma suuresta ihmisestä (2nd ed.). Helsinki: WSOY. pp. 466–467. ISBN 951-0-13306-X