ベティ・コムデン
ベティ・コムデン(Betty Comden, 1917年5月3日 - 2006年11月23日)は、アメリカの作詞家、映画の脚本家。
1944年ブロードウェイ・ミュージカル『オン・ザ・タウン』の作詞と脚本がMGMの名製作者アーサー・フリードの目にとまり、1947年頃から「作詞ができる」脚本家としてアドルフ・グリーンと共に二人三脚で活躍する。
グリーンとはしばしば夫婦に間違えられるほどの名コンビで、数多くの脚本を共同執筆した。ショウビジネスの舞台裏を描いたコメディタッチのミュージカル作品を得意とし、機知に富んだ軽妙な台詞のやりとりに特色がある。代表作として『踊る大紐育』(1949年)、『雨に唄えば』(1952年)、『バンド・ワゴン』(1953年)など。
また、コムデン=グリーンのコンビは作詞家としても有名で、特に日本劇場未公開ながら『私を野球につれてって』(1949年)などにも作詞している(一番有名な "Take Me Out to the Ball Game" 自体は古い既存曲であったが、このミュージカル映画で一躍有名になる)。
後に20世紀フォックスに動いて、通常のコメディ作品の脚本も手がけ、また一般映画の挿入歌やブロードウエイ・ミュージカルの作詞も数が多い。例えば『レオン』(1994年)の "I like myself" の作詞は彼らである。特にミュージカルの舞台部門において、7個のトニー賞を獲得している。
執筆した脚本と同じくジョークとユーモアを愛する人柄で、『ブロードウェイのバークレー夫妻』の打ち合わせで、フレッド・アステアとジュディ・ガーランドを前に、グリーンともどもできあがったばかりの脚本を朗読したときには、二人が笑いころげるほどの「名演」であったと言う。『バンド・ワゴン』に出てくる脚本家のマートン夫妻(オスカー・レヴァント、ナネット・ファブレイ扮)は、コムデンとグリーン本人をモデルとした役である。
心臓疾患のため91歳にて死去した。
主な作品
[編集]- 私を野球につれてって(Take Me Out to the Ball Game, 1949年) 一部の作詞
- ブロードウェイのバークレー夫妻(The Barkleys of Broadway, 1949) 共同脚本
- 踊る大紐育(オン・ザ・タウン、On the Town, 1949年) 共同脚本
- 雨に唄えば(Singin' in the Rain, 1952年) 共同脚本
- バンド・ワゴン(The Band Wagon, 1953年) 共同脚本
- メイム叔母さん(Auntie Mame、1958年) 共同脚本
- ベルズ・アー・リンギング(Bells Are Ringing, 1960年) 共同脚本
- 何という行き方!(What a Way to Go!, 1964) 共同脚本