ヘリオポリスよりII
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『ヘリオポリスより II』(Aus Heliopolis II)D754は、オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトがヨハン・マイアホーファーの詩に作曲した歌曲。
概要
[編集]- ヘリオポリスとは古代ギリシアの都市の名前で、マイヤーホーファーの詩は、その荒々しい廃墟でこそ詩人は正しい言葉を見いだせる、と力強く語る。詩はシラーの強い影響が見られる。
- シューベルトの音楽も非常に力強く、大胆な転調を含む斬新なものである。ハ短調であるが、ト短調、ホ短調、ヘ短調を経由して、最後にハ長調で力強く終結する。
原詩全文
[編集]aus Heliopolis II
- Johann Mayrhofer
- Fels auf Felsen hingewälzet,
- fester Grund und treuer Halt;
- Wasserfälle, Windesschauer,
- unbegriffene Gewalt.
- Einsam auf Gebirges Zinne
- Kloster wie auch Burgruine:
- grab' sie der Erinn'rung ein,
- denn der Dichter lebt vom Sein.
- Atme du den heil'ge Äther,
- schling die Arme um die Welt,
- nur dem Würdigen, dem Großen
- Bleib mutig zugesellt.
- Laß die Leidenschaften sausen
- im metallenen Akkord,
- wenn die starken Stürme brausen,
- findest du das rechte Wort.
備考
[編集]- マイヤーホーファー自身は“Im Hochgebirge”(高山にて)と題しており、シューベルト研究家のオットー・エーリヒ・ドイチュは一般的に「ヘリオポリスより I」と呼ばれている作品(作品65-3、D753)を『ヘリオポリス』とし、こちらの曲を『高山にて』としている。