プロメテック・ソフトウェア
種類 | 株式会社 |
---|---|
略称 | プロメテック |
本社所在地 |
日本 〒113-0033 東京都文京区本郷3-34-3 本郷第一ビル8階 |
設立 |
2023年4月6日 (創業:2004年10月29日) |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 | 7010001234341 |
事業内容 |
CAEソフトウェアの開発・販売 流体/粉体解析コンサルティング HPC&可視化ソリューションの構築 |
代表者 |
代表取締役社長 兼 CEO 鈴木 崇彦 [ プロメテックグループ株式会社 代表取締役副社長 / グループ最高財務責任者(グループCFO) ] |
資本金 | 5,000万円(2023年4月6日時点) |
支店舗数 | 1支社(名古屋オフィス) |
主要株主 | プロメテックグループ株式会社 |
外部リンク | https://www.prometech.co.jp/ |
プロメテック・ソフトウェア株式会社は、日本・東京都文京区に本社を置く、CAE(Computer Aided Engineering)および可視化ソリューションを提供している日本企業。
略称は、プロメテックなど。
東京本社のほかに、名古屋オフィスがある。グループ会社として、持株会社であるプロメテックグループ株式会社、イタリアのEnginSoft S.p.Aと共同で設立した欧州統括会社「Particleworks Europe S.r.l.」と、GPUプラットフォーム事業などを展開する「GDEPソリューションズ株式会社」がある[1][2]。
概要
[編集]プロメテック・ソフトウェアは、日本発のシミュレーション技術の事業化を推進する東大発ベンチャー[3]として、東京大学大学院工学系研究科の越塚誠一教授が考案した流体シミュレーション理論「粒子法」に基づく、革新的CAE(Computer Aided Engineering)ソリューションを提供する企業として創業された。[4][5]
粒子法流体解析ソフトウェア「Particleworks」、粉体解析ソフトウェア「Granuleworks」の開発や、受託解析業務・流体解析/粉体解析コンサルティング業務を行ない、CAEソリューションの提供に取り組んでいる。2012年に韓国、2014年に台湾、2015年にイタリア、中国に代理店を設置するなど、グローバル展開を進めている。[6]
映画「252生存者あり」「カムイ外伝」「海猿」 では、同社の流体シミュレータが採用されている。[6][7]
2016年、NVIDIA社GPU製品を販売するグループ会社「GDEPソリューションズ」を設立。また、2019年には、イタリアのEnginSoft S.p.Aと共同で欧州統括会社「Particleworks Europe S.r.l.」を設立した。[2]
持株会社制移行[8]に伴い、従来のプロメテック・ソフトウェア株式会社はプロメテックグループ株式会社へと商号を変更し、CAE事業・HPC&可視化事業に関する権利義務を吸収分割の方法により承継するかたちで、プロメテックグループ株式会社の100%子会社として、新たなプロメテック・ソフトウェア株式会社が設立された。
企業理念
[編集]プロメテック・ソフトウェアは、シミュレーション技術とCG技術の融合によって実現される次世代のリアリティ“Computational Reality”で、新たな価値を創造し、計算科学の立場から、人々がいきいきと暮らせる社会の実現に向けてチャレンジを続けている。[9]社名に織り込まれているのは、人類最初のテクノロジーというべき火をもたらした神(プロメーテウス)の名。世界中の人々に豊かな生活をもたらす『現代の火』、イノベーションを継続的に生み出す『グローバル・ソフトウェア企業』となることを目指している。
製品
[編集]- 流体解析ソフトウェア「Particleworks」
「Particleworks」は、MPS法(Moving Particle Simulation Method)を開発した東京大学大学院工学系研究科 越塚誠一教授の最新研究成果をベースに、日本発の流体解析ソフトウェアとして開発されている。[10]
- 粉体解析ソフトウェア「Granuleworks」
「Granuleworks」は、離散要素法(DEM)の理論に基づく粉体解析ソフトウェア。2017年に「Granuleworks」バージョン1.0 がリリースされた。また、前述の粒子法CAEソフトウェア「Particleworks」と連成解析ができる。[11]
その他
[編集]Prometech Simulation Conference (PSC)
[編集]プロメテック・ソフトウェアが年次で開催しているシミュレーション関係の産学連携カンファレンス。近年は、GPUを活用した製造業向けの可視化技術やAI/ディープラーニングのテーマも取り上げている。
プロメテックCGリサーチ
[編集]プロメテック・ソフトウェアが所管するコンピュータグラフィックス(CG)研究所。コンピュータグラフィックス(CG)の研究開発、新たなコンテンツ・サービス等の開発を進める研究機関である。同機関の所長である西田友是氏は、CG界のノーベル賞とも呼ばれているスティーブン・A・クーンズ賞(The Steven A. Coons Award)をアジアで唯一の受賞した研究者。
HPC WORLD
[編集]プロメテック・ソフトウェアとGDEPソリューションズが共同で運営幹事を務めるNVIDIA HPC SDKとOpenACCのユーザーコミュニティ。NVIDIA HPC SDKは、NVIDIA GPU上で動作するシミュレーションやAIテクノロジーの基盤となるソフトウェア開発ツールキット。HPC WORLDは、ソフトウェア開発者がNVIDIA GPUを活用するアプリケーション開発をHPCの技術面から支援している。NVIDIA HPC SDKに含まれるHPCコンパイラおよびPGIコンパイラに関する技術サポートを日本語で提供するほか、PGIコンパイラ関連技術としてOpenACC技術情報を公開し、HPC関連イベントやハードウェア、ソフトウェアなどの情報を発信している。
沿革
[編集]創業以前
[編集]1996年
[編集]2002年
[編集]- 文部科学省ITプログラム「戦略的基盤ソフトウェアの開発」プロジェクトの次世代構造解析グループにおいて、シミュレーションとCGの融合を目指す研究会「ビジュアルエンジニアリング研究会」を設立(代表:越塚教授、幹事:藤澤智光)。
創業~2000年代
[編集]2004年
[編集]- プロメテック・ソフトウェア株式会社を設立。
2005年
[編集]- NHK(日本放送協会)と共同試験協定を締結(物理シミュレーション技術の放送番組制作への応用を検証)。
2006年
[編集]2007年
[編集]- 東京大学アントレプレナープラザに本社移転。
- (株)バンダイナムコゲームスより、プロメテック・ソフトウェアの物理エンジン「OctaveEngine Nature」を採用したアーケード版「鉄拳6」がリリース。[13]
2008年
[編集]- (株)ソニー・コンピュータエンタテインメントより、プロメテック・ソフトウェアの物理エンジン「OctaveEngine Nature」を採用した「四季庭」がリリース。
- (株)ハドソンより、プロメテック・ソフトウェアの物理エンジン「OctaveEngine Casual」を採用したiPhone向け「AQUA FOREST Powered by OctaveEngine Casual」がリリース。
2009年
[編集]2010年代
[編集]2010年
[編集]2011年
[編集]- 「次世代粒子法CAEソフトウェア開発」が、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の平成22年度第2回「イノベーション推進事業」として採択。[14]
- 「Particleworks Ver2.1」が、第23回「中小企業優秀新技術・新製品賞」(りそな中小企業振興財団・日刊工業新聞社共催)ソフトウェア部門「優秀賞」を受賞。[15]
- 「Particleworks」が、2011年東京都ベンチャー技術大賞「優秀賞」を受賞。[16]
2012年
[編集]- 韓国に代理店(PRISM社)を設置。
- (株)構造計画研究所と資本・業務提携契約締結。
- 「Particleworks」が、第62回九都県市首脳会議において「平成24年九都県市のきらりと光る産業技術」として表彰される。[17]
2013年
[編集]- ファンクションベイ(株)と代理店契約締結。
2014年
[編集]- 台湾に代理店(Scientific Formosa Inc.)を設置。
- FunctionBay, Inc.(韓国)と代理店契約締結。
- 「Particleworks」が、日本計算工学会 平成25年度「技術賞」を受賞。[18]
- 大学発ベンチャー表彰2014(科学技術振興機構主催、文部科学省後援)において「文部科学大臣賞」を受賞。[19]
2015年
[編集]2016年
[編集]- GDEPソリューションズ(株)を設立。
2017年
[編集]- 粉体解析ソフトウェア「Granuleworks」ver1.0リリース。
2018年
[編集]2019年
[編集]- プロメテックCGリサーチを開設。
- 東京分室を開設。
- 大阪支社を堂島アクシスビル4階SYNTH(大阪市北区)へ移転。
- イタリアのEnginSoft S.p.Aと共同で欧州統括会社「Particleworks Europe S.r.l.」を設立。
2020年代
[編集]2021年
[編集]2023年
[編集]- 会社分割による持株会社制へ移行[20]。
脚注
[編集]- ^ “プロメテック・ソフトウェア 会社概要”. Prometech Software, Inc.. 2018年9月20日閲覧。
- ^ a b “GDEPソリューションズ”. www.gdep-sol.co.jp. 2018年9月20日閲覧。
- ^ “主な卒業企業一覧 | 東京大学 産学協創推進本部”. www.ducr.u-tokyo.ac.jp. 2021年4月19日閲覧。
- ^ “プロメテック・ソフトウェア株式会社”. Prometech Software, Inc.. 2018年9月20日閲覧。
- ^ “プロメテック・ソフトウェア株式会社” (日本語). 一般社団法人日本粉体工業技術協会. (2017年3月30日) 2018年9月20日閲覧。
- ^ a b “Prometech 沿革”. Prometech Software, Inc.. 2018年9月20日閲覧。
- ^ Inc., Aetas「プロメテック,映画「252生存者あり」に1000万パーティクルの高波シミュレーションデータを提供」『』。2018年9月20日閲覧。
- ^ “会社分割による持株会社体制への移行および商号変更のお知らせ”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2023年10月2日). 2023年11月14日閲覧。
- ^ “Prometech 創業者メッセージ”. Prometech Software, Inc.. 2018年9月20日閲覧。
- ^ “流体解析ソフトウェア 「Particleworks」”. 流体解析ソフトウェア Particleworks. 2024年2月5日閲覧。
- ^ “粉体解析ソフトウェア 「Granuleworks」” (英語). 粉体解析ソフトウェア Granuleworks. 2018年9月20日閲覧。
- ^ 「日本SGIとプロメテック、世界初となる粒子法流体解析のソリューションを発表」『ITmedia エンタープライズ』。2018年9月20日閲覧。
- ^ “西川善司の3Dゲームファンのための「東京ゲームショウ2007」グラフィックス講座”. game.watch.impress.co.jp. 2018年9月20日閲覧。
- ^ “NEDO:イノベーション推進事業:実用化助成事業採択事業一覧”. www.nedo.go.jp. 2018年9月20日閲覧。
- ^ “第23回「中小企業優秀新技術・新製品賞」受賞技術・製品一覧”. www.resona-fdn.or.jp. 2018年9月20日閲覧。
- ^ “暮らしのノートITO : 「技術が国の力となる」と、石原都知事=東京都ベンチャー技術大賞の表彰で”. blog.livedoor.jp. 2018年9月20日閲覧。
- ^ “「九都県市のきらりと光る産業技術表彰」過去の東京都受賞企業について|国・自治体との連携|東京都政策企画局”. www.seisakukikaku.metro.tokyo.jp. 2018年9月20日閲覧。
- ^ “歴代受賞者 : 表彰 | 日本計算工学会”. www.jsces.org. 2018年9月20日閲覧。
- ^ 科学技術振興機構, 独立行政法人. “共同発表:別紙1:「大学発ベンチャー表彰2014」受賞者一覧”. www.jst.go.jp. 2018年9月20日閲覧。
- ^ “会社分割による持株会社体制への移行および商号変更のお知らせ”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2023年10月2日). 2023年11月14日閲覧。