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プロピオンアルデヒド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
プロパナールから転送)
プロピオンアルデヒド
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識別情報
CAS登録番号 123-38-6 チェック
PubChem 527
ChemSpider 512 チェック
UNII AMJ2B4M67V チェック
EC番号 204-623-0
国連/北米番号 1275
KEGG C00479
ChEBI
ChEMBL CHEMBL275626 チェック
RTECS番号 UE0350000
3DMet B01258
特性
化学式 C3H6O
モル質量 58.08 g mol−1
外観 無色の液体
匂い 刺激臭、果実臭
密度 0.81 g cm−3
融点

−81 °C, 192 K, -114 °F

沸点

46 - 50 °C, 269 K, -12 °F

への溶解度 20 g/100 mL
磁化率 -34.32·10−6 cm3/mol
粘度 0.6 cP at 20 °C
構造
分子の形 C1, O: sp2

C2, C3: sp3

双極子モーメント 2.52 D
危険性
GHSピクトグラム 可燃性 腐食性物質 急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H225, H302, H332, H315, H318, H335[1]
Pフレーズ P210, P261, P280, P304+340+312, P305+351+338, P310, P403+235[1]
NFPA 704
3
2
2
引火点 −26 °C (−15 °F; 247 K)
発火点 175 °C (347 °F; 448 K)
関連する物質
関連するアルデヒド アセトアルデヒド
ブチルアルデヒド
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

プロピオンアルデヒド (propionaldehyde) とは、脂肪族アルデヒドに分類される有機化合物のひとつ。IUPAC命名法ではプロパナール (propanal) と表される。消防法に定める第4類危険物 第1石油類に該当する[2]

製造

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オキソ法(ヒドロホルミル化)によって、金属触媒の存在下でエチレンガスに合成ガス一酸化炭素水素の混合ガス)とを作用させることで得られる。

1-プロパノールの脱水素による合成法も知られる。硫酸酸性条件下に二クロム酸カリウムで1-プロパノールを酸化すると得られる[3]

性質

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室温では無色の液体。融点 -81 ℃、沸点 48 ℃。甘酸っぱさの中に焦げたような臭気を有し、刺激性が強い。日本の悪臭防止法では、特定悪臭物質に指定されている。

引火性が高く、重合して過酸化物を作ることがある。ホルミル基の還元力のため、銀鏡反応を起こす。

用途

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主にメタノールとの縮合によってトリメチロールエタン (H3C(CH2OH)3) の製造に用いられる。トリメチロールエタンはアルキド樹脂の原料となる。

tert-ブチルアミンとの縮合によりイミン t を与える。この化合物は3炭素の構成要素として、リチウムジイソプロピルアミド (LDA) でリチオ化したあとアルデヒドと縮合させるなど、有機合成で用いられる[4]

出典

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  1. ^ a b Record of Propanal 労働安全衛生研究所(IFA)英語版発行のGESTIS物質データベース, accessed on 22 March 2020
  2. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
  3. ^ Hurd, C. D.; Meinert, R. N. (1932). "Propionaldehyde". Organic Syntheses (英語). 12: 64.; Collective Volume, vol. 2, p. 541
  4. ^ Peralta, M. M. (2004), “Propionaldehyde t-Butylimine”, in Paquette, L., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, New York: J. Wiley & Sons, doi:10.1002/047084289 .
C2:
アセトアルデヒド
飽和アルデヒド C4:
ブタナール