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プロジェクト:アウトリーチ/図書館総合展2022/紹介/14 WikiGap by edit Tango 歴史に埋もれた丹後の女性たち

会場の様子(題材の紹介コーナー)
成果発表

wikigap by edit Tango 歴史に埋もれた丹後の女性たち(うぃきぎゃっぷ・ばい・えでぃっとたんご)は、京都府北部丹後地方の歴史上、特筆すべき女性についての項目作成に焦点をあてたエディタソン。

WikiGap定番の人名記事にこだわらず、丹後の女性に関連する地名や伝承、職業など、多角的な視点から、Wikipediaにおけるジェンダーギャップの改善をめざした。

ウィキペディアサロン2022関連企画

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無し

企画概要

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企画名
WikiGap by edit Tango ~歴史に埋もれた丹後の女性たち~
初開催時期
2020年2月29日
最新開催時期
2020年2月29日
開催地
京都府京丹後市網野町網野 社会参加交流ハウス「いっぷく亭」
参加者
約20名。地元・丹後地方でもそれまであまりウィキペディアタウンには参加していなかった年代の女性参加が多く、地域のエディタソン活動に一石投じる企画となった。また、京都府内の複数の館の公共図書館員や、関東・東海・北陸など広域からウィキペディアエディタソンの主催者・協力者などが多数参加し、各地の編集方針や活動指針を交流する機会となった。
参加費
1,000円(昼食費)

企画内容

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企画のねらい

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  • 「丹後ちりめん女工」のほか、ちょうど大河ドラマで話題の細川ガラシャをはじめ「丹後七姫」の姫君たちや、古事記や日本書紀に名を残す「竹野媛」や「川上摩須朗女」「日葉須媛」などの伝説の女性、丹後全域で5000はあるとされる古墳に、華やかな装飾品とともに埋葬された女性、和泉式部など、丹後地方の記録に残る様々な女性について、参加者各自の好きな題材を調査し、「Wikipedia(ウィキペディア)」で発信することを目標とした。
  • ジェンダーをテーマとすることで、それまでの「地区」をテーマに据えたウィキペディアタウンにはあまり注目していない、新たな参加者の開拓を図った。
  • 全国各地で同様のエディタソンを行っている主催者や関係者にできるだけ参加してもらい、各地のやり方をお互いに学ぶ機会となることをねらった。

当日の日程

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スケジュール
9:40 受付開始
10:00 開会あいさつ、国連著名人およびスウェーデン大使館からのビデオメッセージ
10:15 講習Ⅰ「Wikipediaの歴史とその影響」 講師: Miya.m氏
10:35 講習Ⅱ「短時間でもできる! 読みやすく見栄えするWikipedia新規記事作成のコツ」 講師:Asturio Cantabrio(かんた)氏
11:00 - 16:20 Wikipedia編集(昼食・休憩は参加者各位で適時。飲食提供あり)
16:20 成果発表
17:00 閉会
ガイダンス
主催者あいさつ(約10分)、ウィキペディア解説(約45分)、成果発表・講評(約40分)
ウィキペディア編集時間
4~5時間

編集題材

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新規作成
松田道東世津子芦田久美子丹後七姫丹後ちりめんの女工味土野磯 (京丹後市)磯砂山大谷古墳 (京丹後市)
このうち、「味土野」「磯 (京丹後市)」「大谷古墳 (京丹後市)」はメインページの「あたらしい記事」に選出された。また、「味土野」「磯 (京丹後市)」は後日「良質な記事」に認定された。
加筆編集
正田絢子和泉式部八百比丘尼比沼麻奈為神社赤坂今井墳墓 - 「正田絢子」は強化記事に選出された

運営体制

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edit Tango 3名
ウィキペディア講習担当
Miya.m氏(講師)、かんた氏(講師)
準備物
Wi-Fi、投影用モニター、昼食(弁当を手配)、文献資料(コンテナBOX8箱相当)
その他
翌3月1日に、同地区内にて、作成した記事のブラッシュアップ編集会(自由参加)、および、Google map等のベースマップとしても活用されているオンライン地図「オープンストリートマップ(OSM)」の編集会も同時に計画し、数名が引き続き参加した。

企画実施の背景

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  • ウィキペディアの記事における男女比率の改善をめざすWikiGapが、世間的に注目されていた。
  • 地場産業の丹後ちりめんが創業300年にあたり、高齢化で語れる人も少なくなっていたちりめん製織に携わった女工の記録をどう残すかをひとつの課題と考えていた。
  • NHKの大河ドラマで、地域に縁ある女性・細川ガラシャが注目されていた。

2020年に創業300年を迎えた地場産業の丹後ちりめんの発展に大きな功績を残した人物の名は、明治時代の記録まですべて男性名だけが記されているが、最盛期には丹後全域で1万戸を超えたちりめん製織の場で、実際に糸を紡ぎ、機を織りあげてきたのは、多くが女性達だったことは周知の事実である。スウェーデン大使館で推奨されていた女性の人物記事を増やそうというWikiGapの取組を知り、個人としては記録に残されておらずとも歴史上重要な役割を担った女性の存在にも注目してほしいと思ったことが、本企画のひとつのきっかけである。

実施後の影響 あるいは 展望

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  • 新聞、地元ケーブルテレビ局などが事前・当日とも取材し、イベント告知でも大きな記事にしていただくなど、地域でも注目を集めた。
  • 事前の資料収集の段階で、健康面の理由により参加できないという東世津子様(当時91歳)から資料の寄贈を受け、その際におはなしされた以下のエピソードが非常に心に残り、主催者のその後の活動において原動力のひとつとなっている。
戦時中に育ち、学校は年齢がきて卒業したけど勉強する機会は一切なかった。そんな無学な自分でもできることはないかと、その時代の暮らしの記録を出版したいと学校の校長をしていた叔父に相談すると、気持ちはわかるが戦時のそういうことは立派な文学者がたくさん本を出しとるから あんたががんばらんでもええんやでと言われた。しかしその場にいっしょにいた叔母は、たしかに立派な作家さんもぎょうさん書いてはるけど、そこに丹後の女性のことは出てこない。それはたしかに、あんたがやる価値のあることやし応援するといってくれた。
グループを作って執筆者を募り、原稿をお願いすると、そんな時代のことは思い出したくもないという人もいれば、もう忘れたわという人もいた。それでも10人以上の人が原稿を寄せてくれた。みんな戦争や機織りで、学校で勉強する機会なんてなかった女性ばかりやから字も書けない人もおったから聞き書きで、本にできるように整えてくれる人もいて、各1.000部作ったら、すぐに完売してしまって、もう残っていない。書いた人もほとんど死んだ。でも、みんなこれを作ってよかった、自分の言葉を残せてよかった、といって死んでいった。
この2冊が役に立つかどうかは自分にはわからんけど、一行でも使ってもらえたら嬉しい。(2020年2月13日 東世津子氏のことば)
  • ブラッシュアップ企画として、2020年11月21日(10:00~17:00)に、「Wikigap by edit Tango 歴史に埋もれた丹後の女性たちⅡ」を開催し、終日編集活動を行った。

企画の課題 あるいは 後進へのアドバイス

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題材のテーマを幅広くとらえた結果、膨大な文献を用意することとなり、図書館ではない会場で実施するのは準備と片づけの労力を要した。

参考情報

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