プルガ (アンダマン神話)
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プルガ[1](Pūluga, Puluga[2], Pulugu[3])は、アンダマン諸島の先住民の宗教(アンダマン神話)に登場する創造神[3]、雷神[3]である。
アンダマン神話によれば、プルガは世界を創造したのち、最初の人間としてトモ (Tomo) という名の人間を創造した[2][4][注 1]。
また、創造時に与えられた命令を人々が怠るようになったとき、プルガは人々の下を訪れるのを止めた。そして、さらなる警告もなく、プルガは壊滅的な洪水を送り込んだ。4人の人間のみがこの洪水を生き残った。2人の男性、 Loralola と Poilola に、2人の女性、 Kalola と Rimalola である。彼らが陸に上がったとき、彼らは火を失ったことと、すべての生き物が滅んでしまったことに気付いた。プルガはその後、動物や植物を再創造したが、さらなる指示を与えた様子はなく、生存者に火を返すこともなかった[5][6][7]。
プルガは Marakele (アンダマン諸島)[注 2]の森のあらゆる富を創造した。現在、ストレイト島[注 3]に住むアンダマン人の数が減少する中で、プルガへの崇敬の念は忘れ去られつつあるようにみえる[要出典]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ Radcliffe Brown (1922) では他の異伝も紹介されている。例えば「 Nyali と Irap という名の男と女を創造した」など。
- ^ 翻訳時に参考にした記述: en:Aka-Jeru language#Great Andamanese place names (oldid=1235751552).
- ^ 「ストレイト島」の表記は以下の文献を参考にした: “大アンダマン語族 消えゆく言語が秘める世界観 - 日経サイエンス 2023年11月号”. 日経サイエンス. 2024年10月25日閲覧。
出典
[編集]参考文献
[編集]- 後藤明 (2006年12月20日). “神話に残る津波の記憶 - Ocean Newsletter 第153号(2006.12.20発行)”. 笹川平和財団海洋政策研究所. 2024年10月25日閲覧。
- 山田仁史「東南アジア古層の神話・世界観と竹利用」『パレオアジア文化史学 アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 計画研究B01班 2019年度研究報告』2020年3月30日、29-34頁、ISBN 978-4-909148-27-8。
- 李均洋「<研究ノート>日・中両民族の雷神思想の源流(その二) : 神話史と宗教史の黎明」『日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要』第15巻、国際日本文化研究センター、1996年12月、105-128頁、CRID 1390853649700916480、doi:10.15055/00000789、ISSN 09150900。
- 大場千秋「原始民族における児童発達--特にミンコピー族(Mincopi)のそれについて」『茨城大学文理学部紀要. 人文科学』第12巻、1962年1月、37-46頁、CRID 1390010292548905856、doi:10.34405/00015300、ISSN 0445166X。
- George Weber (2006年1月29日). “Myths and Legends of the Andamanese” (英語). Andaman Association, Lonely Islands - The Andamanese (andaman.org). The Andaman Association. 2010年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年10月25日閲覧。
- A.R. Radcliffe Brown (1922). “Chapter IV: Myths and Legends” (英語). The Andaman Islanders
- John Abercromby (1892). “An Analysis of Certain Finnish Myths of Origin” (英語). Folk-Lore 3: 308-336 .