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プリンセスかおり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

プリンセスかおりとは、鳥取県が開発した香り米の品種。インド等の高級香り米品種「バスマティー370」の香りを受け継ぐ「プリンセスサリー」に「コシヒカリ」の大粒突然変異株「いのちの壱」を交配して育成した品種で、「プリンセスサリー」からポップコーンのような香りを、「いのちの壱」から粘りと旨みを引き継いでいる[1]。「プリンセスサリー」の「プリンセス」に、本品種の特徴である「かおり」を組み合わせて命名された[2]

特徴

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玄米及び炊飯米にポップコーンの様な香りがあり、早生熟期で玄米がやや長粒の低アミロース米「プリンセスかおり(鳥系香122号)」を育成した。本系統はカレールウと合わせて食べた時に、香り、食感等が優れ、カレールウとの相性が良い[3]

  • 白米は「コシヒカリ」より長粒で、「バスマティ」より短い[3]
  • アミロース含有率が「コシヒカリ」より約2%低く、ごはんがモチモチする[3]
  • 成熟期は「コシヒカリ」と同時期[3]
  • 収量は「コシヒカリ」よりやや少ない[3]
  • 稈長が「コシヒカリ」より約10 cm短く、やや倒れにくい[3]

開発の経緯

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カレールウの消費量が全国第1位(2014年 - 2016年)の鳥取県[4]で、カレーによる地域活性化の動きがあり、カレーを応援する市民団体「鳥取カレー倶楽部」に米に対する考え方について意見を求めたところ、カレーとの相性が良い米の開発についての提案を受け、開発に着手した[5]

  • 2010年 - 農業試験場において、独特の香りを持つ「プリンセスサリー」を母本に大粒でモチモチとした食感を持つ「いのちの壱」を父本として人工交配を行った。
  • 2011年 - 集団養成。冬に世代促進。
  • 2012年 - 集団養成及び個体選抜を行う。
  • 2013年 - 27系統を展開。うち出穂期が早く、玄米がやや長粒で品質が優れ、香りのある‘2026-3’を選抜。
  • 2014年・2015年 - 「極長21」「E9-43 長」として生産力検定で供試。
  • 2016年 - カレー店での評価が高く、使用希望があったため同年3月「鳥系香 122 号」の地方系統番号を付与した。
  • 2017年 - さらに県内各地のカレーを取り扱う店舗でアンケート調査を実施、複数店舗で使用希望のがあったため同年3月に育成完了とし、同年9月1日に品種登録出願を行った。

使用方法

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炊飯時は米の量の1.1 - 1.3倍程度の水で炊く[6]と推奨されているが、よりかために炊きたい場合は通常量でも可。

脚注

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  1. ^ とっとりの香り米「プリンセスかおり」がお披露目されました!”. 食のみやこ鳥取県. 鳥取県. 2019年7月4日閲覧。
  2. ^ 株式会社日本食糧新聞社編『全国お米のこだわり銘柄事典』株式会社日本食糧新聞社、2018年4月10日、112頁。 
  3. ^ a b c d e f 長粒でモチモチとした食感を持つ香り米「プリンセスかおり」”. 鳥取県. 2019年7月4日閲覧。
  4. ^ 家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキング(2016年(平成28年)〜2018年(平成30年)平均)”. 総務省統計局. 2019年7月4日閲覧。
  5. ^ 水稲新品種‘プリンセスかおり’”. 鳥取県. 2019年7月4日閲覧。
  6. ^ これで失敗なし!プリンセスかおり米のおいしい炊き方”. 田中農場日誌|鳥取県八頭町でおいしいお米と野菜を育てる農場スタッフブログ. 2019年7月4日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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