ブロッホ公式

数学の一分野である代数的K-理論において、ブロッホ公式(Bloch's formula)は、$K_{2}$ に対してはスペンサー・ブロッホ(Spencer Bloch)が導入したもので、ある体上の滑らかな多様体 X の周群(Chow group)が、構造層 ${\mathcal {O}}_{X}$ のK-理論に係数を持つ X のコホモロジー群に同型であるという定理である。すなわち、

$\operatorname {CH} ^{q}(X)=\operatorname {H} ^{q}(X,K_{q}({\mathcal {O}}_{X}))$

であり、この公式の右辺は、層係数コホモロジーであり、$K_{q}({\mathcal {O}}_{X})$ は、U を X のザリスキー開部分集合として、前層 $U\mapsto K_{q}(U)$ に付帯する層である。一般の場合は、キレン(Quillen)による。q = 1 の場合には、$\operatorname {Pic} (X)=H^{1}(X,{\mathcal {O}}_{X}^{*})$ が得られる。（ピカール群も参照。）

混標数の場合には、本公式は未解決である。

参考文献

• Daniel Quillen: Higher algebraic K-theory: I. In: H. Bass (ed.): Higher K-Theories. Lecture Notes in Mathematics, vol. 341. Springer-Verlag, Berlin 1973. ISBN 3-540-06434-6