ブロッチュ
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ブロッチュ brocciu | |
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分類 | フレッシュ(熟成もあり)[1][2] |
原料 | 羊かヤギもしくは両方[1] |
原産国 | フランス[1] |
原産地 | コルシカ全域[3] |
生産場所 | コルシカ島[3] |
生産期間 | ヤギの乳を原料としたものは春 - 秋、羊は冬 - 初夏。熟成したものは一年中[1] |
形状 | 円錐台形[3]。もしくは水切り用のカゴの形状による[3] |
大きさ | さまざま[1] |
重量 | 250-3000g [4]500-1500g[2]。1000g前後のものが多い[1]。 |
脂肪分 | 40-51%[1]、45%[3] |
表皮 | 白 |
熟成 | 熟成させる場合は15日以上[3] |
呼称統制 |
AOC(1983、以降たびたび厳格化)[1] AOP(2003)[4] |
ブロッチュ(ブロチュ、ブロッチョオまたはブロチョ)チーズ(コルシカ語: brocciu、フランス語: broccio[1])は、フランスのコルシカ島全域で生産される、羊やヤギの乳を原料として製造されるフレッシュおよび熟成チーズ[3]。語源は「凝固させる」を意味するプロヴァンス語の broussa という説[3]と、「フレッシュチーズ」を意味する brousse という説が挙げられる[3]。
羊乳やヤギ乳による他のチーズを作る際にできるホエーを再利用して、それにさらに羊、ヤギの乳を追加して作られる[1]。この際に塩も添加する[3]。90℃に加熱するとたんぱく質が浮いてくるので、これをすくってカゴに入れ水分を切る[3]。このカゴはかつてはイグサを編んで作ったものを使用していたが、現代ではプラスチックのものを使用している[3](ただし、現代においてもイグサのカゴを使っている生産者もある[1])。できたてのブロッチュの食感はさながら豆腐のようで、これは48時間以内に出荷しなくてはならない[2]。熟成させる場合は板の上に原型をキープしたままのせ、表面に塩をかけてなじませてから15日以上熟成させる[3]。
フレッシュなものは砂糖とマール酒(マール (marc) はぶどうの搾りかすまたはそれを原料とした蒸留酒をいう[5])をかけて食べる[2]。
フィアドーネ[6]など、多彩な料理の食材としても使用される[2][3]。
コルシカ島出身のマリア・レティツィア・ボナパルトはパリに引越しした際、このチーズの味を懐かしんでパリでも作れるようにとヤギをとりよせたが、チーズの再現には失敗したという逸話が残っている[1]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l 本間るみ子; 増井和子; 山田友子 著、文藝春秋 編『チーズ図鑑』 182巻(7版)、株式会社文藝春秋〈文春新書〉、2009年、74-75頁。ISBN 4-16-660182-2。
- ^ a b c d e 本間るみ子 著、主婦の友社 編『チーズの選び方 楽しみ方』株式会社主婦の友社、2012年、15頁。ISBN 978-4-07-285215-6。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 日仏料理協会 編『フランス 食の事典(普及版)』株式会社白水社、2007年、597頁。ISBN 978-4-560-09202-6。
- ^ a b “Brocciu corse ou Brocciu”. EUR-Lex(欧州連合). 2014年3月30日閲覧。
- ^ 前掲 (本間, 増井 & 山田 2009, p. 229) および (日仏料理協会 2007, p. 639)。
- ^ コルシカの名物タルト。(日仏料理協会 2007, p. 529)。