ブルー・ライト・ティル・ドーン
『ブルー・ライト・ティル・ドーン』 | ||||
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カサンドラ・ウィルソン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | シアー・サウンド、サウンド・オン・サウンド・スタジオ、グリーン・ストリート・スタジオ、RPMスタジオ | |||
ジャンル | ジャズ | |||
時間 | ||||
レーベル | ブルーノート・レコード | |||
プロデュース | クレイグ・ストリート | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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カサンドラ・ウィルソン アルバム 年表 | ||||
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『ブルー・ライト・ティル・ドーン[注釈 1]』(Blue Light 'til Dawn)は、アメリカ合衆国の歌手、カサンドラ・ウィルソンが1993年に発表したスタジオ・アルバム。ブルーノート・レコード移籍第1弾アルバムとしてリリースされた。
背景
[編集]収録曲のうち2曲はブルース・ミュージシャン、ロバート・ジョンソンのカヴァーで[2][3]、更にロック界のジョニ・ミッチェルやヴァン・モリソン、R&B界のスタイリスティックスやアン・ピーブルスといったアーティストの曲もカヴァーされている。当初はサザン・ソウル作品集として制作する案もあったが、プロデューサーのクレイグ・ストリートの案により、ウィルソンのフォークやブルースからの影響を深く掘り下げた作風となって、スティール・ギターやパーカッションといった楽器が重視された[2]。
ウィルソンのオリジナル曲のうち「レッドボーン」は既発曲のリメイクで、1992年リリースのアルバム『アフター・ザ・ビギニング・アゲイン』に1991年の録音が収録されている[4]。
反響・評価
[編集]アメリカでは『ビルボード』のジャズ・アルバム・チャートで1位を獲得した[5]。また、ドイツでは3週にわたって総合アルバム・チャート入りを果たし、最高95位を記録した[1]。
ロン・ウィンはオールミュージックにおいて満点の5点を付け「カサンドラ・ウィルソンは断固として、決まりきったスタイルに分類・限定されることを拒んできた。高い期待をもって迎えられた彼女のブルーノート・デビュー作でも、彼女は再びあらゆる立ち位置におり、新たな論争を巻き起こすかもしれない」と評している[3]。
イギリスのジャズ専門誌『ジャズワイズ』が2006年に選出した「世界に衝撃を与えたジャズ・アルバム100」では94位にランク・インした[6]。また、音楽評論家のマーティン・ゲイフォードは2009年、「ジャズ・レコーディングのベスト100」の一つとして本作を挙げている[7]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はカサンドラ・ウィルソン作。
- ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ - "You Don't Know What Love Is" (Gene de Paul, Don Raye) - 6:05
- カム・オン・イン・マイ・キッチン - "Come on in My Kitchen" (Robert johnson) - 4:53
- テル・ミー・ユール・ウェイト・フォー・ミー - "Tell Me You'll Wait for Me" (Charles Brown, Oscar Moore) - 4:48
- チルドレン・オブ・ザ・ナイト - "Children of the Night" (Thom Bell, Linda Creed) - 5:19
- ヘルバウンド・オン・マイ・トレイル - "Hellhound on My Trail" (R. Johnson) - 4:34
- 黒いカラス - "Black Crow" (Joni Mitchell) - 4:38
- サンコファ - "Sankofa" - 2:02
- エストレラス - "Estrellas" (Cyro Baptista) - 1:59
- レッドボーン - "Redbone" - 5:36
- トゥペロウ・ハニー - "Tupelo Honey" (Van Morrison) - 5:36
- ブルー・ライト・ティル・ドーン - "Blue Light 'til Dawn" - 5:09
- アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン - "I Can't Stand the Rain" (Don Bryant, Bernard Miller, Ann Peebles) - 5:27
2013年日本盤SHM-CDボーナス・トラック
[編集]- ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ(シングル・ヴァージョン) - "You Don't Know What Love Is" (G. de Paul, D. Raye)
参加ミュージシャン
[編集]- カサンドラ・ウィルソン - ボーカル
- ブランドン・ロス - ギター(on 1. 2. 4. 5. 10.)
- ギブ・ワートン - ペダル・スティール(on 8. 9. 11.)
- クリス・ホイットニー - ナショナル・レゾフォニック・ギター(on 12.)
- ケニー・デイヴィス - ベース(on 2. 3. 11.)
- ロニー・プラキシコ - ベース(on 10.)
- ランス・カーター - ドラムス(on 2.)、パーカッション(on 4.)、スネアドラム(on 10.)
- ビル・マクレラン - パーカッション(on 6.)、ドラムス(on 11.)
- ケヴィン・ジョンソン - スネアドラム(on 3.)、パーカッション(on 4. 6. 10.)
- ヴィンクス - パーカッション(on 4. 6.)、ボイス(on 4.)
- ジェフ・ヘインズ - パーカッション(on 6. 8. 9. 11.)
- シロ・バプティスタ - パーカッション(on 6. 8. 9. 11.)
- チャーリー・バーナム - ヴァイオリン(on 1. 10. 11.)、マンドセロ(on 10.)
- トニー・セドラス - アコーディオン(on 2.)
- オル・ダラ - コルネット(on 5.)
- ドン・バイロン - クラリネット(on 6.)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2013年の日本盤SHM-CD (TOCJ-95039)に準拠。日本初回盤(TOCJ-5862)は『ブルー・ライト』という邦題だった。
出典
[編集]- ^ a b Offizielle Deutsche Charts
- ^ a b Guilliatt, Richard (1993年12月28日). “Capturing Her Roots : Jazz: Cassandra Wilson sings from touchstones of her Deep South past on 'Blue Light 'Til Dawn.'”. Los Angeles Times. 2022年5月29日閲覧。
- ^ a b Wynn, Ron. “Blue Light 'til Dawn - Cassandra Wilson”. AllMusic. 2015年12月17日閲覧。
- ^ Cassandra Wilson - After The Beginning Again (CD, Album) at Discogs
- ^ Cassandra Wilson - Awards : AllMusic
- ^ “The 100 Jazz Albums That Shock The World”. Jazzwise (2022年1月6日). 2022年5月29日閲覧。
- ^ Gayford, Martin (2009年11月10日). “100 Best Jazz Recordings”. The Telegraph. Telegraph Media Group Limited. 2015年12月17日閲覧。