ブルネイ王国空軍
ブルネイ王国空軍 Tentera Udara Diraja | |
---|---|
創設 | 1966年 |
国籍 | ブルネイ・ダルサラーム国 |
軍種 | 空軍 |
タイプ | 軍事航空 |
上級部隊 | ブルネイ王国軍 |
基地 | リンバ空軍基地 |
作戦機 | 27機 |
識別 | |
空軍旗 | |
フィンフラッシュ | |
使用作戦機 | |
練習機 | PC-7 |
輸送機 | CN-235 |
ブルネイ王国空軍(ブルネイおうこくくうぐん、マレー語: Tentera Udara Diraja、英: Royal Brunei Air Force、略称:RBAirF)は、ブルネイ・ダルサラーム国の空軍組織。領空・領海警戒、国土防空、地上部隊支援、災害派遣等を任務とする[1]。
歴史
[編集]ブルネイ王国空軍の前身は1965年にロイヤル・ブルネイマレー連隊隷下の航空団で、ワールドワイド・ヘリコプター・カンパニーの社員が操縦するS-55輸送ヘリコプター2機を使用して、地方に医師を派遣する任務を負い、1966年に任務はイギリス空軍のホワールウインド輸送ヘリコプター3機に引き継がれた[2]。
1967年に部隊はヘリコプター小隊へ改編され、ベル 206汎用ヘリコプター5機を受領し、1980年には航空訓練学校が設立された。1981年に第2飛行隊が新編され、Bo 105汎用ヘリコプター6機を配備、1982年には第3飛行隊を新編し、SF-260練習機を配備した。1984年にイギリスから独立後、航空団は拡充され、1991年10月1日にはブルネイ国王の同意を得て、ブルネイ王国空軍へと改編された[2]。
1997年には第4、第5飛行隊が新編され、第4飛行隊にはS-70A汎用ヘリコプター、第5飛行隊にはCN-235輸送機が配備された。また同年、第3飛行隊がPC-7に機種転換している。1999年にはミストラル地対空ミサイルを装備する、第38中隊が編成されている[2]。
組織
[編集]ブルネイ王国空軍は機能別の7個航空団で構成され、隷下に飛行隊と各種部隊を配置しており、ブルネイ国際空港に併設されるリンバ空軍基地を拠点としている[3][4]。
- 第1航空団[5]
- 第2航空団[6]
- 第233中隊
- 第236中隊
- 第238中隊 - ミストラル
- 通信中隊
- 工兵中隊
- 第3航空団[7]
- 第31中隊(落下傘空挺戦術輸送隊)
- 消防隊
- 通信中隊
- 航空移動隊
- 航空宇宙管制隊
- 第4航空団[8]
- 国内供給中隊
- 供給管理会計隊
- 技術供給中隊
- バルク燃料施設
- 第5航空団[9]
- 第51中隊
- 第52中隊
- 第53中隊
- 第54中隊
- 第55中隊
- 技術支援隊
- 第6航空団[10]
- 連隊プロボスト
- 会計隊
- 基地整備隊
- 資産整備隊
- 医療受付サービス
- 歯科隊
- 軍事輸送隊
- 軽支援班
- 第7航空団[11]
装備
[編集]ブルネイ王国空軍は戦闘機を保有しておらず、輸送機や練習機およびヘリコプターで構成される。主戦力であるS-70汎用ヘリコプターは、1997年から1998年に4機のS-70A-33を導入後、2011年12月に12機のS-70iを発注し、2013年12月から受領が行われた[12]。
2021年に開催されたブルネイ王国空軍記念式典の席上では、無人航空機としてRQ-21の導入が発表された[13]。
固定翼機
[編集]名称 | 画像 | 製造国 | 種別 | 現用数 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
CN-235-110M | インドネシア | 輸送機 | 1[14][15] | ||
RQ-21 | アメリカ合衆国 | 無人航空機 | 1[13][15] | ||
PC-7 Mk.2 | スイス | 練習機 | 4[14][15] |
回転翼機
[編集]名称 | 画像 | 製造国 | 種別 | 現用数 | 備考 |
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Bo 105 | ドイツ連邦共和国 | 汎用/偵察ヘリコプター | 6機保有[14]。退役済み[15]。 | ||
ベル 214ST | アメリカ合衆国 | 汎用ヘリコプター | 1機保有[14]。退役済み[15]。 | ||
S-70A/i | アメリカ合衆国 | 汎用ヘリコプター | 16[15] | ||
H145M | フランス | 汎用ヘリコプター | 6機契約済み。2026年以降納入予定[15]。 | ||
ベル 206 | アメリカ合衆国 | 練習ヘリコプター | 3[14] |
事故
[編集]2012年7月20日、ブルネイ王国空軍が運用するベル212汎用ヘリコプターが訓練から帰投中にクアラブライトで墜落し、乗員14名のうち12名が死亡した[16][17]。
脚注・出典
[編集]- ^ “Vision and Mission”. RBairF. 2021年11月18日閲覧。
- ^ a b c History Royal Brunei Air Force Archived 20 February 2007 at the Wayback Machine. - Retrieved 21 April 2007
- ^ http://www.mindef.gov.bn/airforce/_layouts/15/start.aspx#/SitePages/About%20Us.aspx
- ^ Organisation Royal Brunei Air Force Archived 20 February 2007 at the Wayback Machine. - Retrieved 21 April 2007
- ^ “No.1 Wing”. RBairF. 2021年11月19日閲覧。
- ^ “No.2 Wing”. RBairF. 2021年11月19日閲覧。
- ^ “No.3 Wing”. RBairF. 2021年11月20日閲覧。
- ^ “No.4 Wing”. RBairF. 2021年11月20日閲覧。
- ^ “No.5 Wing”. RBAirF. 2021年11月20日閲覧。
- ^ “No.6 Wing”. RBairF. 2021年11月20日閲覧。
- ^ “No.7 Wing”. RBairF. 2021年11月20日閲覧。
- ^ 「世界のH-60/S-70シリーズ基礎知識」『世界の名機シリーズ UH-60 ブラックホーク』、イカロス出版、2011年6月、106頁、ISBN 978-4-8022-0331-9。
- ^ a b Shareen Han (2021年5月31日). “RBAF to use drones for maritime security surveillance”. The Scoop. 2021年11月17日閲覧。
- ^ a b c d e “World Air Forces 2021”. Flightglobal Insight (2021年). 4 May 2021閲覧。
- ^ a b c d e f g “Brunei orders six H145M helicopters”. janes.com (2024年5月2日). 2024年7月31日閲覧。
- ^ AFP (21 July 2012). “Brunei helicopter crash kills 12: air force”. オリジナルの24 July 2012時点におけるアーカイブ。 21 July 2012閲覧。
- ^ CNN Wire Staff. “12 killed in Brunei helicopter crash”. オリジナルの22 July 2012時点におけるアーカイブ。 21 July 2012閲覧。
外部リンク
[編集]- ブルネイ王国空軍(公式サイト)