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ブラバ (ソマリア)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブラバ

Baraawe

Brava Ierè
2014年に撮影されたブラバの街並み。
2014年に撮影されたブラバの街並み。
ブラバの位置(ソマリア内)
ブラバ
ブラバ
ブラバの位置(アフリカの角内)
ブラバ
ブラバ
北緯1度12分 東経44度02分 / 北緯1.200度 東経44.033度 / 1.200; 44.033
ソマリアの旗 ソマリア
自治政府 南西ソマリアの旗 南西ソマリア
下部シェベリ州
等時帯 +3
ブラバ (ソマリア)の位置(ソマリア内)
ゴブローン王国首都
ゴブローン王国首都
ブラバ
ブラバ
バルデラ
バルデラ
関連地図

ブラババラワブラヴァバラウェBrava, Barawa, ソマリ語: Baraawe, アラビア語: مدينة ﺑﺮﺍﻭة‎)はソマリア南部にある港町。主な住民は、ソマリ語ツンニ方言英語版を話すソマリ族[1]スワヒリ語ブラワ方言英語版を話すブラワ人英語版[2]。ブラバの辺りがアフリカ東海岸でスワヒリ語が話される北限である[3]。2014年11月8日以降は連邦構成体の南西ソマリア自治政府の首都[4]

歴史

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1500年頃のアフリカ東海岸。ブラバは当時からモガディシュとザンジバルの間に位置する主要都市の一つだった

15世紀前半、の探検家鄭和が寄港したという卜剌哇(不剌哇)がブラバに比定されており[5]、鄭和はそこからラクダやダチョウを持ち帰っている[6]

1503年、ポルトガルの第5次インド遠征艦隊英語版の一部がラヴァスコ(Rui Lourenço Ravasco)に率いられ、モンバサに攻められるマリンディを救援する際、モンバサを応援するため駆け付けたブラバからの船隊を捕えている。ラヴァスコは乗員の解放と引き換えに、ソマリアから身代金を受け取っている。同時期に同じくポルトガルのトリスタン・ダ・クーニャもブラバを訪れている。

1840年バルデラの海兵が航海途中でブラバを襲ったので、町の住民はゴブローン王国英語版スルターンに援軍を求め、ゴブローン王国はバルデラに攻め入って町を焼き討ちしている。1889年になると、ブラバの南方にある有力なイスラーム国家ザンジバルの力が衰え、ザンジバルは他のバナディール周辺の港と合わせて、ブラバの支配権をイタリアに譲った。しかしブラバはゴブローン王国の影響が強かったので、イタリアとザンジバルの合意は無効だとして抵抗している。しかし結局はイタリア領ソマリランドの一部となった。

ブラバは1947年に設立されたディジル・ミリフレ党(Hizbiya Digil-Mirifle, HDM)の拠点であり、後にアル・ダストゥル・ムスタキ・アル・ソマリ党(Hizb al-Dastuur Mustaqil al-Somali, Somali Independent Constitutional Party, HDMS)に発展した[7]

現在

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1991年にソマリア内戦が発生すると外国人にとってブラバは危険地帯となり、1993年には人道支援部隊でさえ通行不可能と報告されている[8]

2009年、ブラバはイスラム武装集団アル・シャバブの支配下となった[9]。ブラバは密貿易の拠点にも使われ、6月にはブラバからアラブ首長国連邦に向かうインドの木炭密輸船が、ソマリア沖の海賊に襲われ、ポルトガル海軍に救出されている[10]。2009年9月、アメリカ軍がこの地に潜伏していたアルカーイダのメンバーとみられるサレー・アリ・サレー・ナブハン英語版を殺している[9]

2012年9月、アル・シャバブが拠点キスマユをソマリア政府に奪われることで、ブラバはアル・シャバブの新たな拠点の一つとなった[11]。2013年10月5日、アメリカ合衆国SEALs[12]武装ヘリコプターの攻撃を受け、アル・シャバブは数名の死者を出したもののこれを撃退した[13]

2014年10月、ソマリア政府軍はブラバをアル・シャバブから奪取[14]。その後はソマリア連邦の構成体の一つである南西ソマリアの首都となっている。

参考文献

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  1. ^ Muslim Brotherhoods in Nineteenth-Century Africa By B. G. Martin pg 160
  2. ^ east_africa_languages [Multicultural Topics in CSD]
  3. ^ 稗田乃 スワヒリ語文法
  4. ^ Somalia Southwestern Somalia”. Worldstatemen.org. 2021年6月14日閲覧。
  5. ^ 國立成功大學 鄭和研究與活動簡訊
  6. ^ 張之傑 鄭和下西洋與麒麟貢 Archived 2012年12月3日, at the Wayback Machine.
  7. ^ Port Cities of the Horn
  8. ^ 上野友也 ソマリア内戦における緊急人道支援のディレンマ[リンク切れ]
  9. ^ a b “Al-Shabab Vows to Avenge US Raid in Somalia”. VOANews.com (Voice of America). (15 September 2009). オリジナルの2009年9月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090917172536/http://www.voanews.com/english/2009-09-15-voa15.cfm 15 September 2009閲覧。 
  10. ^ OPRF 海洋安全保障情報月報 2009年6月号[リンク切れ]
  11. ^ “Somalia's al-Shabab militants in 'deadly feud'”. BBC. (2013年6月20日). http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-22988404 2013年10月6日閲覧。 
  12. ^ “米軍、ソマリアとリビアで軍事作戦 過激派幹部を狙う”. AFP BB. (2013年10月6日). https://www.afpbb.com/articles/-/3000935 2013年10月7日閲覧。 
  13. ^ “Raid On Al-Shabab Stronghold In Barawe As Western Forces Strike Somali Town”. The Huffington Post. (2013年10月5日). http://www.huffingtonpost.com/2013/10/05/al-shabab-raid_n_4049824.html 2013年10月6日閲覧。 
  14. ^ “Mogadishu: Somali, African troops take key port from Shebab”. Ma'an News Agency. (2014年5月10日). http://www.maannews.com/eng/ViewDetails.aspx?id=731743 2015年3月19日閲覧。 

座標: 北緯1度12分 東経44度02分 / 北緯1.200度 東経44.033度 / 1.200; 44.033