ブラケットクリープ
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ブラケットクリープ(Bracket creep)とは、インフレ局面で発生する、実質的な増税である。インフレ局面で、税額の調整を行わないと自然発生的に実質増税となるため「隠れた増税」「ステルス増税」などと呼ばれることがある[1]。
メカニズム
[編集]日本の所得税は累進課税制度となっているため、所得金額が増えれば増えるほど税率は高くなる[2]。インフレ局面において、名目賃金が上昇する中で課税所得金額が調整されない状況が続くと、賃上げにより高い税率が適用されるようになる。
例: Aさんは現在、300万円の課税所得を得ています。パンの値段は1斤300円です。インフレによりAさんの賃金・物価ともに2倍となり、課税所得額は600万円、パンの値段は600円となりました。このケースにおいて、Aさんの実質賃金は変化しませんが、実質賃金の上昇によりAさんの税率は10%から20%に上昇しました。
上記の例ように、インフレによる物価上昇分が反映されない状況が続くと、所得税による税収が物価上昇率や賃上げ率以上に上がることになる。この事象に対応するために、税額控除や課税所得額のインフレ調整が必要である[3]。
出典
[編集]- ^ “【税理士監修】ブラケットクリープとは何か?意味や企業ができる対策をチェック”. edenred.jp (2024年9月6日). 2024年11月1日閲覧。
- ^ “No.2260 所得税の税率|国税庁”. www.nta.go.jp. 2024年11月1日閲覧。
- ^ 大和総研. “そろそろ所得税のインフレ調整検討を | 大和総研”. そろそろ所得税のインフレ調整検討を 2023年07月14日 | 大和総研 | 是枝 俊悟. 2024年11月1日閲覧。