ブラウンスネーク
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ブラウンスネーク属 | |||||||||||||||||||||||||||
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トウブブラウンスネーク P. textilis
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Pseudonaja Günther, 1858 |
ブラウンスネーク(英:brown snake、学名:Pseudonaja)は、オーストラリア全土に広く生息するコブラ科ブラウンスネーク属の毒蛇の総称。属名は「偽のフードコブラ属」という意味だが、実際はタイパン属に近縁である。
概要
[編集]オーストラリアは、世界の中でも危険な毒蛇が数多く生息する国として知られる。特にブラウンスネークは、民家や裏庭など人間が生活する空間にも頻繁に出現することから、住民と遭遇する機会も多く、咬傷被害が後を絶たない。2005年-2015年のオーストラリアにおけるヘビの咬傷被害の内、41%がブラウンスネークによるものであり、他のヘビよりもはるかに多かった[1][2]。また2000年-2016年に起こった毒蛇による死亡事故35件のうち、23件はブラウンスネークによるものであった[3]。
下位分類
[編集]9種が分類される[4]。和名は田原(2020)による[5]。
- Pseudonaja affinis Günther, 1872 ドューガイト (dugite or spotted brown snake)
- Pseudonaja aspidorhyncha (F. McCoy, 1879)[6] ハナアテブラウンスネーク (strap-snouted brown snake) オーストラリア東部
- Pseudonaja guttata (Parker, 1926) ハンテンブラウンスネーク (speckled brown snake or spotted brown snake) ノーザンテリトリー、クイーンズランド州、南オーストラリア州
- Pseudonaja inframacula (Waite, 1925) ペニンシュラブラウンスネーク (peninsula brown snake) 南オーストラリア州、西オーストラリア州、エアー半島
- Pseudonaja ingrami (Boulenger, 1908) イングラムブラウンスネーク (ingram brown snake)[7] ノーザンテリトリー、クイーンズランド州、西オーストラリア州
- Pseudonaja mengdeni Wells & Wellington, 1985[6] セイブブラウンスネーク (gwardar or western brown snake) ニューサウスウェールズ州、ノーザンテリトリー、クイーンズランド州、南オーストラリア州、ビクトリア州、西オーストラリア州
- Pseudonaja modesta (Günther, 1872) リングブラウンスネーク (ringed brown snake) ニューサウスウェールズ州、ノーザンテリトリー、クイーンズランド州、南オーストラリア州、西オーストラリア州
- Pseudonaja nuchalis Günther, 1858 クビモンブラウンスネーク (northern brown snake) ノーザンテリトリー、クイーンズランド州
- Pseudonaja textilis (A.M.C. Duméril, Bibron & A.H.A. Duméril, 1854) トウブブラウンスネーク (eastern brown snake) ニューサウスウェールズ州、ノーザンテリトリー、クイーンズランド州、南オーストラリア州、ビクトリア州、イリアンジャヤ南東部、パプアニューギニア東部
キングブラウンはその名に反してブラックスネーク属に分類される[8]。
形態・生態
[編集]全長は150-200cm。体色は茶色、オレンジ色、灰色など様々である。
さまざまな環境に生息し、農地でも普通に見られる。昼行性で、動きは俊敏。動物食で、ネズミ、トカゲなどを食べる。威嚇、攻撃する時は、首をSの字に持ち上げる。
毒性
[編集]毒性は非常に強力であり、トウブブラウンスネークがニホンマムシの550倍、セイブブラウンスネークが45倍と、高い殺傷能力を持つ。毒性は主に出血毒・神経毒の2種類で、噛まれた瞬間に致命傷になり得る即効性を持っており、身体麻痺やけいれん・脳内出血などの神経性疾患を引き起こす[9][10]。
脚注
[編集]- ^ “【オーストラリアの毒蛇】ブラウンスネークのすべて|イースタンブラウンスネーク・ウェスタンブラウンスネーク”. outdoor.ymnext.com. 2023年8月16日閲覧。
- ^ Johnston, Christopher I.; Ryan, Nicole M.; Page, Colin B.; Buckley, Nicholas A.; Brown, Simon G.A.; O'Leary, Margaret A.; Isbister, Geoffrey K. (2017). “The Australian Snakebite Project, 2005–2015 (ASP-20)”. Medical Journal of Australia 207 (3): 119–25. doi:10.5694/mja17.00094. hdl:1959.13/1354903. PMID 28764620. オリジナルの2017-10-06時点におけるアーカイブ。 2017年10月6日閲覧。.
- ^ Welton, R.E.; Liew, D; Braitberg, G. (2017). “Incidence of fatal snake bite in Australia: A coronial based retrospective study (2000-2016)”. Toxicon 131 (11–15): 11–15. doi:10.1016/j.toxicon.2017.03.008. PMID 28288937.
- ^ "Pseudonaja ". The Reptile Database. www.reptile-database.org.
- ^ 田原義太慶『毒ヘビ全書』グラフィック社、2020年2月25日、315-316頁。ISBN 978-4-7661-3313-4。
- ^ a b Skinner, Adam (2009). “A multivariate morphometric analysis and systematic review of Pseudonaja (Serpentes, Elapidae, Hydrophiinae)”. Zoological Journal of the Linnean Society 155: 171–97. doi:10.1111/j.1096-3642.2008.00436.x.
- ^ Beolens, Bo; Watkins, Michael; Grayson, Michael (2011). The Eponym Dictionary of Reptiles. Baltimore: Johns Hopkins University Press. xiii + 296 pp. ISBN 978-1-4214-0135-5. (Pseudonaja ingrami, p. 130).
- ^ “【オーストラリアの毒蛇】ブラウンスネークのすべて|イースタンブラウンスネーク・ウェスタンブラウンスネーク”. outdoor.ymnext.com. 2023年8月16日閲覧。
- ^ “【ブラウンスネーク(蛇)の生態!】生息地やなにを餌にしているのか等5個のポイント! | 爬虫類大図鑑”. hachurui-japan.com (2022年3月1日). 2023年8月16日閲覧。
- ^ Isbister, Geoff (2006). “Snake Bite: Current Approach to Treatment”. Australian Prescriber 29 (5): 125–129. doi:10.18773/austprescr.2006.078.
参考文献
[編集]- Günther A (1858). Catalogue of the Colubrine Snakes in the Collection of the British Museum. London: Trustees of the British Museum. (Taylor and Francis, printers). xvi + 281 pp. (Pseudonaja, new genus, p.227).