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ブッチ・マイルス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブッチ・マイルス
Butch Miles
出生名 Charles J. Thornton Jr.
生誕 (1944-07-04) 1944年7月4日
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 オハイオ州アイアントン
死没 (2023-02-02) 2023年2月2日(78歳没)
ジャンル ジャズ
職業 ミュージシャン
担当楽器 ドラム
活動期間 1962年 - 2023年
レーベル Famous Door、Nagel Heyer

ブッチ・マイルスButch Miles1944年7月4日 - 2023年2月2日[1])は、アメリカジャズ・ドラマー。彼はカウント・ベイシー・オーケストラ、デイヴ・ブルーベックエラ・フィッツジェラルドサミー・デイヴィス・ジュニアフランク・シナトラレナ・ホーントニー・ベネットと演奏した[2]

略歴

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キャリア

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バディ・リッチジーン・クルーパジョー・ジョーンズをお気に入りのドラマーとして手本にしたマイルス[1]は、9歳でスネアドラムを演奏し始め、ウェストバージニア州立大学(1962年 - 1966年)で音楽を専攻した。学位を取得した後、彼はアイリス・ベル・トリオとのツアーに同行した[1]。3年半にわたりメル・トーメのドラマーを務め、ドラマーが必要になったカウント・ベイシーにマイルスを勧めたのはトーメとバディ・リッチであった。マイルスは1975年から1979年までカウント・ベイシー・オーケストラと共に過ごし、その後の1997年から2007年まで10年間にわたって再び戻ってきている[3]

ベイシーの自伝(1985年に出版)から:「ブッチがメル・トーメのバンドから私たちのところに来てくれた。バディ・リッチやソニー・ペインのように、彼は本物の観客にとっての喜びであり、非常にうまく物事を拾い上げていて、しばらくの間、そう約4年間にわたってそれをしたってことはすごく興味深かったんだ」。

マイルスは、1980年代と1990年代にグループ、ジャズ・エクスプレスのリーダーを務めた[4]ニューポート・ジャズ・フェスティバルモントルー・ジャズ・フェスティバルで演奏した[2]ウェストバージニア音楽の殿堂における2011年の入会メンバーとなっている。テキサス州立大学サンマルコス校に勤務し、退職した。

私生活と死

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2014年3月、マイルスは特発性肺線維症と診断された。治療は肺移植以外にない。彼は肺移植を受けて、回復期間に入った[5]

マイルスは、2023年2月2日にテキサス州オースティンにて78歳で亡くなった[6][7]

ディスコグラフィ

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リーダー・アルバム

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  • 『マイルス・アンド・マイルス・スウィング』 - Miles and Miles of Swing... (1978年、Famous Door)
  • Lady Be Good (1978年、Dreamstreet) ※with バッキー・ピザレリ
  • Butch's Encore (1979年、Famous Door)
  • 『サルーツ・チック・ウェッブ』 - Butch Miles Salutes Chick Webb (1980年、Famous Door)
  • Butch Miles Swings Some Standards (1981年、Famous Door)
  • Butch Miles Salutes Gene Krupa (1982年、Famous Door)
  • 『カウント・ベイシーに捧ぐ』 - Hail To The Chief! Butch Miles Salutes Count Basie (1984年、Famous Door)
  • More Miles...More Standards (1985年、Famous Door) ※with ジョージ・アンダース
  • Introducing the Ivory Coast Suite (1986年、Dreamstreet) ※ブッチ・マイルス・ジャズ・エクスプレス名義
  • Cookin' (1995年、Nagel Heyer)
  • Soulmates (2002年、Nagel Heyer) ※with ハワード・アルデン
  • Straight On Till Morning (2003年、Nagel Heyer)

参加アルバム

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カウント・ベイシー

  • 『ベイシー・ビッグ・バンド』 - Basie Big Band (1975年、Pablo)
  • 『アイ・トールド・ソー』 - I Told You So (1976年、Pablo)
  • 『モントルー'77』 - Montreux '77 (1977年、Pablo)
  • 『プライム・タイム』 - Prime Time (1977年、Pablo)
  • 『ベイシー・ビッグ・バンド・オン・ザ・ロード '79』 - On the Road (1980年、Pablo)
  • 『ベイシー・イン・ヨーロッパ』 - Basie in Europe (1985年、LRC)
  • 『カウント・ベイシー・ライヴ・イン・ジャパン'78』 - Live in Japan '78 (1985年、Pablo)
  • 『ファン・タイム』 - Fun Time (1991年、Pablo)
  • The Golden Years (1996年、Pablo)
  • 『カウント・プレイズ・デューク』 - Count Plays Duke (1998年、Mama)
  • 『スウィング・シフト』 - Swing Shift (1999年、Mama)
  • 『ベイシー・イズ・バック』 - Basie Is Back (2006年、Eighty-Eight's)
  • Swinging, Singing, Playing (2009年、Mack Avenue)

フィル・ボドナー

  • Fine & Dandy (1981年、Stash)
  • Highlights in Jazz (1985年、Stash)
  • Clarinet Virtuosity (2006年、Arbors)

ディック・ハイマン

  • The Kingdom of Swing & the Republic of Oop Bop Sh'Bam (1989年、Musicmasters)
  • From the Age of Swing (1994年、Reference)
  • Swing Is Here (1996年、Reference)

フリップ・フィリップス

  • 『フリッペンシュタイン』 - Flipenstein (1981年、Progressive)
  • 『リアル・スウィンガー』 - A Real Swinger (1988年、Concord Jazz)
  • Flip Philllips Celebrates His 80th Birthday (2003年、Arbors)

サル・サルヴァドール

  • 『イン・アワ・オウン・スウィート・ウェイ』 - In Our Own Sweet Way (1983年、Stash)
  • Plays the World's Greatest Jazz Standards (1984年、Stash)
  • Plays Gerry Mulligan (1985年、Stash)

ボブ・ウィルバー

  • Ode to Bechet (1982年、Jazzology)
  • Reflections (1983年、Bodeswell)
  • On the Road (1992年、Bodeswell)
  • Nostalgia (1996年、Arbors)
  • The Hamburg Concert (1996年、Nagel Heyer)
  • Memories of You (1996年、Black and Blue)

その他

  • ピーター・アップルヤード : Barbados Heat (1990年、Concord Jazz)
  • ピーター・アップルヤード : Barbados Cool (1991年、Concord Jazz)
  • デイヴ・ブルーベック : 『バック・ホーム』 - Back Home (1979年、Concord Jazz)
  • ジョン・バンチ : 『ワールド・ウォー・トゥー・ラヴ・ソングス』 - World War II Love Songs (1998年、Groove Jams)
  • ジョー・ブシュキン : 『プレイ・イット・アゲイン、ジョー』 - Play It Again Joe (1977年、United Artists)
  • レイ・チャールズ & カウント・ベイシー : 『レイ・シングス、ベイシー・スウィングス』 - Ray Sings, Basie Swings (2006年、Hear Music/Concord)
  • ローズマリー・クルーニー & カウント・ベイシー : 『アット・ロング・ラスト』 - At Long Last (1998年、Concord Jazz)
  • ドリー・ドーン : Memories of You (1981年、Dawn)
  • ダニー・ドリス : This One's for Basie (1994年、Black and Blue)
  • ビッグ・ジョー・ダスキン : Blues Rendez-Vous (1994年、Black and Blue)
  • デューク・エリントン : Four Symphonic Works by Duke Ellington (1989年、Musical Heritage Society)
  • エラ・フィッツジェラルド : 『デジタル・レコーディング・アット・モントルー'79』 - Digital III at Montreux (1980年、Pablo)
  • エラ・フィッツジェラルド : 『エラ・シングス&ベイシー・プレイズ』 - A Classy Pair (1982年、Pablo)
  • ジョニー・フリゴ : Live from Studio A in New York City (1989年、Chesky)
  • テリー・ギブス、バディ・デフランコ、ハーブ・エリス : Kings of Swing (1992年、Contemporary)
  • テリー・ギブス、バディ・デフランコ、ハーブ・エリス : A Tribute to Benny Goodman (2001年、Contemporary)
  • スコット・ハミルトン : 『スウィンギング・ヤング・スコット』 - Swinging Young Scott (1978年、Famous Door)
  • ピーナッツ・ハッコー : Swing That Music (1992年、Star Line)
  • ヘレン・ヒュームス : Helen (1981年、Muse)
  • アルバータ・ハンター : 『ザ・グローリー・オブ…』 - The Glory of Alberta Hunter (1982年、Columbia)
  • アルバータ・ハンター : Look for the Silver Lining (1983年、Columbia)
  • ミルト・ジャクソン & カウント・ベイシー : 『ミルト・ジャクソン・ウィズ・ベイシー・ビッグ・バンドVol.1』 - Milt Jackson + Count Basie + the Big Band Vol. 1 (1978年、Pablo)
  • ミルト・ジャクソン & カウント・ベイシー : 『ミルト・ジャクソン・ウィズ・ベイシー・ビッグ・バンドVol.2』 - Milt Jackson + Count Basie + the Big Band Vol. 2 (1978年、Pablo)
  • カーメン・レギオ : Tarrytown Tenor (1978年、Famous Door)
  • ロジャー・ケラウェイ & ディック・ハイマン : Piano Players & Significant Others (1990年、Musicmasters)
  • ジョージ・ケリー : Plays the Music of Don Redman (1984年、Stash)
  • ジョージ・マッソ : Choice N.Y.C. Bone (1979年、Famous Door)
  • ジョージ・マッソ : A Swinging Case of Masso-Ism (1981年、Famous Door)
  • デイヴ・マッケンナ : 『ノー・ホールズ・バード』 - No Holds Barred (1979年、Famous Door)
  • ダニー・モス : Weaver of Dreams (1995年、Nagel Heyer)
  • ジェリー・マリガン : 『リトル・ビッグ・ホーン』 - Little Big Horn (1983年、Five)
  • バッキー・ピザレリ & ジョン・ピザレリ : 『パッショネート・ギターズ』 - Passion Guitars (1998年、Groove Jams)
  • ルー・スタイン : Live at the Dome (1981年、Dreamstreet)
  • マキシン・サリヴァン : 『ハイライツ・イン・ジャズ』 - Highlights in Jazz (1999年、Storyville)
  • フランク・テイト : Live in Belfast (2001年、Nagel Heyer)
  • ウォーレン・ヴァシェ : Blues Walk (1978年、Dreamstreet)
  • マーリーン・ヴァープランク : Marlene VerPlanck Loves Johnny Mercer (1978年、Audiophile)
  • フィル・ウィルソン : Boston-New York Axis: Phil & Vic (1980年、Famous Door)
  • グレン・ゾットラ : Secret Love (1982年、Famous Door)
  • ワイルド・ビル・デイヴィソン : Wild Bill Davison All Stars (1987年、Timeless)
  • トム・サンダース : Wild Bill Davison Band & Guests (1996年、Nagel Heyer)
  • ワイルド・ビル・デイヴィス・スーパー・トリオ : That's All (1991年、Jazz Connaisseur)

脚注

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  1. ^ a b c Feather, Leonard; Gitler, Ira (2007). The Biographical Encyclopedia of Jazz. New York City, New York: Oxford University Press. pp. 463. ISBN 978-0-19-532000-8 
  2. ^ a b Butch Miles - Jazz Drums”. 2012年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月19日閲覧。
  3. ^ Colin Larkin, ed (1992). The Guinness Encyclopedia of Popular Music (First ed.). Guinness Publishing. pp. 1688/9. ISBN 0-85112-939-0 
  4. ^ Cook, Richard (2005). Richard Cook's Jazz Encyclopedia. New York City: Penguin Books. pp. 426. ISBN 0-14-102646-4. https://archive.org/details/richardcooksjazz00rich 
  5. ^ Fundraiser for Legendary Drummer, Butch Miles, Seeking Lung Transplant”. 2014年7月24日閲覧。
  6. ^ The Count Basie Orchestra” (英語). The Legendary Count Basie Orchestra. 2023年2月3日閲覧。
  7. ^ “Butch Miles (1944–2023)”. Modern Drummer. (February 2023). https://www.moderndrummer.com/2023/02/butch-miles-1944-2023/ 4 February 2023閲覧。 

外部リンク

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