ブッシュバック属
ブッシュバック属 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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クーズー Tragelaphus strepsiceros
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Tragelaphus de Blainville, 1816[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ブッシュバック属[2] | ||||||||||||||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ブッシュバック属 (Tragelaphus) は、哺乳綱鯨偶蹄目ウシ科に分類される属。ウシ科ではウシ亜科に属し、さらにイランド属とともにTragelaphini族に区別されるが、ウシ亜科から分けてブッシュバック亜科に置くこともある。シタツンガやクーズーをそれぞれシタツンガ属、クーズー属に分ける場合もある。主にアフリカに生息。
種類
[編集]以下の現生種の分類は、Grubb(2005)に従って7種とする[1]。和名は川田ら(2005)に従う[2]。
ブッシュバック
[編集]ブッシュバック(Tragelaphus scriptus)は体高70cm程度の中型の種で、雄は鬣と20cm前後の角を有する。サハラ以南のアフリカ(セネガル、ソマリア、アンゴラ、ケープなど)の森林や藪に主に生息し、白い縦縞の文様などから様々な亜種に分類されるが、諸説ある。ここでは以下に主な亜種を並べ、和名は今泉(1988)[3]に、英名はJosé(2016)従う[4]。
- T. s. phaleratus カビンダブッシュバック Central bushbuck
- T. s. makalae マカラブッシュバック
- T. s. knutsoni カメルーンブッシュバック
- T. s. bor ナイルブッシュバック Nile bushbuck
- T. s. decula タナブッシュバック Abyssinian bushbuck
- T. s. dianae ダイアナブッシュバック
- T. s. scriptus セネガルブッシュバック
- T. s. fasciatus ソマリブッシュバック Eastern coastal bushbuck
- T. s. delamerei ケニアブッシュバック
- T. s. dama ダマブッシュバック
- T. s. massaicus マサイブッシュバック
- T. s. ornatus ザンビアブッシュバック Chobe bushbuck
- T. s. roualeyni リンポポブッシュバック
- T. s. sylvaticus ケープブッシュバック Cape bushbuck
ニアラ
[編集]ニアラ(Trgelaphus angasii)はマラウイ、アンゴラなどの沼地に生息している種で、体高120cm、体長150cm前後の中型で、雄は80cmを超える長い角を持つ。茂みの深いところにハーレムを形成して少数頭で生息する。亜種は認められていない。
マウンテンニアラ
[編集]マウンテンニアラ(Trgelaphus buxtoni)はニアラにくらべて体高120cm、体長200cmとかなりの大型種。雄が持つ角も120cmあり、1回から2回ほど捩れている。1908年にエチオピア南部のサハツ山、標高2700mで発見された。乾期になるとさらに高地へ移動し、4200m前後に分布する。ニアラと同じくハーレムを形成する。シダモからハラールにかけての山岳地帯に生息する。亜種は認められていない。
シタツンガ
[編集]シタツンガ(Trgelaphus spekii)はニアラに似た種であるが、硬毛を持ち、雄の有する角は1回から2回捩れている。セネガル、エチオピア、スーダン、タンザニア、カメルーン、コンゴ、ジンバブエ、ザンビアなどの葦やパピルスなどの茂る沼地に生息する。ハーレムを形成する場合と、1対の場合と両方が確認されており、大きな群れは形成しない。和名は今泉(1988)[3]に、英名はJosé(2016)従う[4]。
・T. s. gratus ガボンシタツンガ Western Sitatunga
中部アフリカ赤道以北周辺と一部ガンビア周辺に生息する。白斑は個体差が大きい。後脚が長く猫背に見える。角は1〜2回捻れる[4]。
・T. s. spekeii ニアンザシタツンガ East African Sitatunga
南スーダン〜タンザニアに生息する。オスは灰褐色、メスは鮮やかな赤褐色である。蹄が長く、角は半〜1回捻れる[4]。
・T. s. sylvestris ヌコシシタツンガ Nkosi Island Sitatunga
ニアンザシタツンガに近い亜種で、ヴィクトリア湖セセ諸島(英語版)ヌコシ島に生息する。食物が制限されているためか、体と角が小さい[4]。
・T. s. selousi ザンベジシタツンガ Zambezi Sitatunga
コンゴ南部からコンゴ民主共和国中央部、ザンビア、タンガニーカ湖南端、ナミビア、ボツワナ北部などの湿地環境に生息する。オスは茶色がかった灰色、メスは濃い褐色。斑点はオスがなく、メスはあっても微か。角は1~1.5回捻れる[4]。
クーズー
[編集]クーズー(Trgelaphus trepsiceros)はヨーロッパに生息するアカシカに似た種で、180cmを超える角を持つ大型種。山地や石の多い藪地などに小さな群れまたはハーレムを形成して生息する。ソマリア、エチオピア、スーダン、ケニア、コンゴ、アンゴラなど広域に分布。
レッサークーズー
[編集]レッサークーズー(Trgelaphus imberbis)は体つきはクーズーに酷似しているが小型で、雄は80cm程度の角を有する。ソマリア、エチオピア、タンザニア、ケニアなどの乾燥地帯に生息する。
ボンゴ
[編集]参考文献
[編集]- ^ a b Peter Grubb, “Order Artiodactyla,” In: Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (eds.), Mammal Species of the World (3rd ed.), Volume 1, Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 637-722.
- ^ a b 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
- ^ a b 今泉吉典 「ブッシュバック亜科の分類」『世界の動物 分類と飼育7 (偶蹄目III)』今泉吉典監修、東京動物園協会、1988年、19-21頁。
- ^ a b c d e f José R. Castelló (2016). "BOVIDS of the World Antelopes, Gazelles, Cattle, Goats, Sheep, and Relatives". PRINCETON UNIVERSITY PRESS PRINCETON AND OXFORD. pp. 572-577