コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ブッゲ・ヴェッセルトフト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブッゲ・ヴェッセルトフト
Bugge Wesseltoft
ブッゲ・ヴェッセルトフト(2016年)
基本情報
出生名 Jens Christian Bugge Wesseltoft
生誕 (1964-02-01) 1964年2月1日(60歳)
出身地  ノルウェーテレマルク県ポースグラン
ジャンル ジャズニュージャズエレクトロニカ
職業 ミュージシャン、作曲家、音楽プロデューサー
担当楽器 ピアノ、キーボード、電子楽器、パーカッション
レーベル Jazzland Recordings、ECMレコード
共同作業者 New Conception of Jazz
公式サイト buggesroom.com
ジョン・スコフィールドとともに、2006年にドイツで開かれたメルス・ニュー・ジャズ・フェスティバル英語版にて

ブッゲ・ヴェッセルトフト(Bugge Wesseltoft、1964年2月1日 - )は、ノルウェージャズ・ミュージシャン、ピアニスト、作曲家、音楽プロデューサー。

人物

[編集]

ノルウェーのポースグラン英語版出身。父はジャズ・ギター奏者エリク・ヴェッセルトフト[1]

キャリア

[編集]

シーエン高校を卒業。16歳まではパンク・バンドに在籍したが、父の影響を受けてジャズの道に進んだ。ブラスバンドやダンス楽団にて活動したのち、1983年に19歳でプロになった。1984年にオスロの父の元に引っ越した。

その後、ノルウェーのロックやポップスの分野で活躍していたが、ジャズが関心事だった。音楽の勉強を学校でするつもりだったが、仕事で忙しかったため、正規の音楽教育は諦めた。

1980年代末までU and Z、Et Cetera、Oslo Groove Companyなどのポップス、ロック、ジャズのバンドに参加した。ピアノの腕前によって次代の天才と見なされた。

クヌート・リースネス英語版1989年に共演。

アリルド・アンデルセン英語版から連絡を受け、Vossajazz (フェスティバル)のための委託作品に参加し、アルバム『Sagn』 (1990年)と、続くアルバム『Arv』 (1993年)がリリースされた。

ヤン・ガルバレクのアルバム『黙示録』 (1990年)に参加[1]。1990年初頭にノルウェーのジャズ・シーンに衝撃を与える。

ECMレコードと契約。フューチャー・ジャズないしはニュージャズと呼ばれたスタイルで演奏する。その後、ツアーでジャズ・ロックを演奏し、自身のJazzlandレーベルで一連の録音を行う。

この時期、ギタリストのテリエ・リピダルヨン・エベルソン英語版、実験的ジャズ・ボーカリストのシゼル・アンドレセンなどと共演。シゼル・アンドレセンとの共演歴は長く、1994年にはアルバム『エグザイル』に参加している。

1993年、彼自身のVossajazzのための委託作品『A Little War Story』も上演された。

1996年に自身のバンド「New Conception Of Jazz」を組織、アルバム『ニュー・コンセプション・オブ・ジャズ』を発表。スペルマン賞英語版を受賞した。[2]

電子音楽に参入したことでアコースティックにこだわらなくなり、ジャンルの壁を越えてヒップホップの要素も取り入れた。1998年『シェアリング』ではDJやスクラッチを多用して、シーンに衝撃を与えた。[2]

1999年、ビリー・コブハムが「Billy Cobham presents Nordic」名義で発表したアルバム『Off Color』を一緒に録音し、ツアーを行った。

1990年代に作品がノルウェーのテクノ・ダンス音楽シーンで支持された。クラブシーンとのつながりは2000年の『Jazzland Remixed』アルバムにつながり、若い世代に大評判となった。

「Existence」という曲がフィリップ・アレル英語版の映画『Extension du domaine de la lutte』(1994年のミシェル・ウエルベックの小説を映画化作品)に使われた。

2013年9月、ノルウェーのKristiansandで行われたThe Punkt Festivalでのピアノ・ソロ演奏は称賛された。[3]

受賞歴

[編集]
  • 1996年: Smugetprisen
  • 1996年: スペルマン賞英語版 ジャズ部門: アルバム『ニュー・コンセプション・オブ・ジャズ』
  • 1997年: コングスバーグ・ジャズ・アワード英語版
  • 1998年: スペルマン賞 ジャズ部門:アルバム『Duplex Ride』 ※with シゼル・アンドレセン
  • 1999年: ガムレン賞 ジャズ部門
  • 2002年: スペルマン賞 オープン・クラス: アルバム『アウト・ヒア、イン・ゼア』 ※with シゼル・アンドレセン
  • 2004年: バディ賞 awarded by The Norwegian Jazz Forum[1]

ディスコグラフィ

[編集]

ソロ

[編集]
  • 『イッツ・スノーイング・オン・マイ・ピアノ』 - It's Snowing on My Piano (1997年、ACT)
  • 『ニュー・コンセプション・オブ・ジャズ』 - New Conception of Jazz (1997年、Jazzland/Sonet)
  • 『シェアリング』 - Sharing (1998年、Jazzland/EmArcy)
  • 『ムーヴィング』 - New Conception of Jazz: Moving (2001年、Jazzland/EmArcy)
  • 『ライヴ』 - New Conception of Jazz Live (2003年、Jazzland)
  • 『フィルミング』 - New Conception of Jazz: Film Ing (2004年、Jazzland)
  • 『IM』 - IM (2007年、Jazzland)
  • New Conceptions of Jazz box (2008年、Jazzland)
  • 『プレイング』 - Playing (2009年、Jazzland)
  • 『デュオ』 - Duo (2011年、Jazzland) ※with ヘンリク・シュワルツ
  • 『ソングス』 - Songs (2011年、Jazzland)
  • Last Spring (2012年、ACT)
  • Trialogue (2014年、Jazzland)
  • OK World (2014年、Jazzland)
  • Bugge & Friends (2015年、Jazzland)
  • Everybody Loves Angels (2017年、ACT)
  • 『ブッゲ・ヴェッセルトフト&プリンス・トーマス』 - Bugge Wesseltoft & Prins Thomas (2018年、Smalltown Supersound)

リムデン(with マグヌス・オストロム、ダン・ベルグルンド)

[編集]
  • 『リフレクションズ&オデッセイズ』 - Reflections & Odysseys (2019年、Jazzland)
  • Space Sailors (2020年、Jazzland)
  • Live In Umeå’' (2020年、Jazzland) ※2019年10月、Umeå Jazz Festivalでのライブ録音

参加アルバム

[編集]

フィン・コーレン

  • The Blake Project: Spring (1997年、Bard)
  • The Blake Project: Spring: The Appendix (1998年、Bard)
  • Lovecloud (1999年、Bard)

ヤン・エッグム

  • Dacapo (1990年、Sigma Music)
  • Underveis (1991年、Grappa)
  • Nesten Ikke Tilstede (1993年、Grappa)
  • Deilig (1999年、Grappa)
  • Kjaerlighet & AErlighet 2 (2011年、Grappa)

ビョルン・アイスヴォーグ

  • Til Alle Tider (1992年、Norsk)
  • Landet Lenger Bak (1995年、Norsk)
  • Rundt Neste Sving (2010年、Petroleum)

シゼル・アンドレセン

  • 『エグザイル』 - Exile (1994年、ECM)
  • Nightsong (1994年、Curling Legs) ※連名アルバム
  • Duplex Ride (1998年、ACT/Curling Legs) ※連名アルバム
  • 『アンダートゥ』 - Undertow (2000年、Jazzland/EmArcy)
  • 『アウト・ヒア、イン・ゼア』 - Out Here. In There. (2002年、Jazzland) ※連名アルバム

ローラン・ガルニエ

  • The Cloud Making Machine (2004年、F/PIAS)
  • The Cloud Making Machine Reworks (2005年、F/PIAS)
  • Retrospective (2006年、F/PIAS)
  • Public Outburst (2007年、F/PIAS)

クヌート・ライエシュルード

  • Soul of a Man (1998年、Kirkelig Kulturverksted)
  • Sub (1999年、Kirkelig Kulturverksted)
  • Gitar (2009年、Jazzland)

オイスタイン・スンネ

  • Du Ma'kke Komme Her Og Komme Her (1994年、Spinner)
  • Sann Er'e Bare (2005年、Spinner)
  • Bestefar (2016年、Spinner)

ヴァンプ

  • 『おはよう、妹』 - Godmorgen, Soster (1993年、Major Selskapet)
  • Horisonter (1994年、Major Selskapet)
  • 13 Humler (1996年、Major Selskapet)
  • Flua Pa Veggen (1998年、MajorStudio)
  • St. Mandag (2008年、MajorStudio)

その他

  • アイヴィン・オールセット : Electronique Noire (1998年、Jazzland/EmArcy)
  • アリルド・アンデルセン : Sagn (1990年、Kirkelig Kulturverksted)
  • アリルド・アンデルセン : Arv (1994年、Kirkelig Kulturverksted)
  • マイ・ブリット・アンデルセン : Rippel Rappel (1994年、Grappa)
  • ババズーラ : Gecekondu (2010年、Doublemoon)
  • ビーディー・ベル : 『クローサー』 - Closer (2005年、Jazzland)
  • ビーディー・ベル : On My Own (2016年、Jazzland)
  • Kirsten Bråten Berg : Syng Du Mi Royst (2001年、Grappa)
  • マリ・ボイネ : 『エイト・シーズンズ』 - Eight Seasons: Gavcci Jahkejuogu (2002年、Lean/EmArcy/Universal)
  • クヌート・ブーエン : Tonebod (2008年、Nyrenning)
  • トーレ・ブリュンボルグ : 『ティード』 - Tid (1993年、Curling Legs)
  • トーレ・ブリュンボルグ : Gravity (2003年、Vossa Jazz)
  • カティア・カルデナル : Canta Alf Proysen: Navegas Por Las Costas (1999年、Kirkelig Kulturverksted)
  • ビリー・コブハム : Nordic (1996年、Eagle)
  • ビリー・コブハム : Off Color (1999年、Eagle)
  • Dance with a Stranger : Look What You've Done (1994年、Norsk)
  • ラーシュ・ダニエルソン : Melange Bleu (2006年、ACT)
  • リック・ダンコ : 『ライディン・オン・ザ・ブラインズ』 - Ridin' On the Blinds (1994年、Grappa)
  • Di Derre : Gym (1996年、Sonet)
  • ドリー・デラックス : Which Witch (1987年、Notabene)
  • リサ・ディラン : Change of Habit (2015年、Kirkelig Kulturverksted)
  • ヨン・エベルソン : Thirteen Rounds (1997年、Curling Legs)
  • ヨン・エベルソン : Dreams That Went Astray (2001年、EmArcy/Jazzland)
  • トルン・エリクセン : Glittercard (2004年、Jazzland/Universal)
  • トルン・エリクセン : Prayers & Observations (2005年、Jazzland)
  • ヤン・ガルバレク : 『黙示録』 - I Took Up the Runes (1990年、ECM)
  • ヤン・ガルバレク : 『聖なる儀式』 - Rites (1998年、ECM)
  • ジルベルト・ジル : O Sol De Oslo (1998年、Blue Jackel)
  • Gitarkameratene : Typisk Norsk (2010年、Grappa)
  • デニス・ゴンザレス : Welcome to Us (1994年、GOWI)
  • アスラク・ハルトベルク : The Dancer (2013年、Oslo)
  • ヨルン・ホエル : Kjaerlighetens Teater (1991年、Polydor)
  • ベンディク・ホフセス : Planets, Rivers and...Ikea (1996年、Verve Forecast)
  • トーレ・ヨハンセン : Earth Stills (2015年、Inner Ear)
  • ジョイス : Just a Little Bit Crazy (2003年、Far Out)
  • イーロ・コイヴィストイネン : Altered Things (1992年、Timeless)
  • アウドゥン・クライヴェ : Bitt (1997年、Jazzland/EmArcy)
  • ハンネ・クローグ : Hanne (1989年、Sonet)
  • ミカエル・クローン : Sovnlose Netter (2018年、Drabant Music)
  • エヴァ・クルーゼ : In Water (2014年、Redhorn)
  • オーラ・クヴェルンベルグ : Night//Driver (2006年、Jazzland)
  • ニルス・ラングレン : Christmas With My Friends (2007年、ACT)
  • ラーヴァ : The Rhythm of Love (1990年、Mercury)
  • ラーシュ・リッロ・ステンベルグ : Oslo (2000年、Sonet)
  • スザンヌ・ルンデング : Mot (2011年、Kirkelig Kulturverksted)
  • マイク・マイニエリ : 『曙光 -Northern Lights-』 - Northern Lights (2006年、NYC)
  • マリリン・マズール : Circular Chant (1995年、Storyville)
  • マルルイ・ミランダ : 2 IHU Kewere: Rezar (1997年、ACT)
  • ニルス・ペッター・モルヴェル : Remakes (2005年、Par/Sula)
  • The Monroes : Long Way Home (1993年、EMI/BMG)
  • マンゴリアン・ジェットセット : Beauty Came to Us in Stone (2006年、Jazzland)
  • セシリア・ノービー : Arabesque (2010年、ACT)
  • オスト&ケイジェックス : 『ケイジャン・ランチ』 - Cajun Lunch (2010年、Diynamic Music)
  • オスト&ケイジェックス : Freedom Wig (2015年、Diynamic Music)
  • アン・グレテ・プレウス : Millimeter (1994年、WEA)
  • マリカ・マクーフ・ラスムッセン : Cairo (2006年、Rapid)
  • radio.string.quartet.vienna : In Between Silence (2017年、Jazzland)
  • テリエ・リピダル : Vossabrygg (2006年、ECM)
  • チェーティル・サウネス : Lystyv (1993年、Norsk)
  • ヘンリク・シュワルツ : Scripted Orkestra (2018年、7k!)
  • ヘンリク・シュワルツ : In Spite of Everything (2020年、Sunday Music/Between Buttons)
  • ティム・スコット : Everywhere I've Been (1996年、Waterfall)
  • ケネス・シーヴァートセン : Remembering North (1993年、NORCD)
  • スールヴァイグ・シュレッタイェル : Jazz at Berlin Philharmonic I Norwegian Woods (2014年、ACT)
  • Olav Stedje : Ei Gave Til Deg (1990年、Slager)
  • トールビョルン・スンデ : Meridians (1998年、ACT)
  • プリンス・トーマス : Ambitions (2019年、Smalltown Supersound)
  • プリンス・トーマス : Bugge Wesseltoft Versions (2016年、Horisontal Mambo)
  • クヌート・ヴェルネス : Roneo (1993年、Curling Legs)
  • クヌート・ヴェルネス : Jacques Tati (1995年、Curling Legs)
  • パオロ・ヴィナッチャ : Very Much Alive (2010年、Jazzland)
  • ベント・アルネ・バリン : The Birth and Re-Birth of Swedish Folk Jazz (1998年、ACT)
  • ワックス・ポエティック : On a Ride (2012年、Nublu)
  • イェンス・ヴェネルボー : Big Crazy Energy Band Vol. 2 (1994年、NOPA/NRK)
  • エリック・ヴェッセルトフト : Con Amor (2004年、Normann)
  • エリック・ヴェッセルトフト : To Someone I Knew (2013年、Normann)
  • ウンニ・ウィルヘルムセン : Definitely Me (1997年、Mercury)
  • ウンニ・ウィルヘルムセン : To Whom It May Concern (1996年、Mercury)
  • ダファー・ヨーゼフ : Digital Prophecy (2003年、Justin Time/Enja)
  • ベルティーン : Morbid Latenight Show (1998年、Parlophone)

参考

[編集]

参照

[編集]
  1. ^ a b c Halvorsen, Tore (13 February 2009). "Bugge Wesseltoft Extended Biography". Norsk Biografisk Leksikon (Norwegian). Kunnskapsforlaget. 2013年10月8日閲覧
  2. ^ a b Kelman, John. “Bugge Wesseltoft: New Conception of Jazz Box Review”. All About Jazz date=2009-03-04. 2013年10月8日閲覧。
  3. ^ Kelman, John (2013年12月13日). “John Kelman's Best Live Shows of 2013”. All About Jazz. 2013年12月14日閲覧。

外部リンク

[編集]
受賞
先代
ヴィグレイク・ストラース・トリオ
スペルマン賞英語版 ジャズ部門受賞者
1996年
次代
ヴィグレイク・ストラース・トリオ
先代
ニルス・ペッター・モルヴェル
コングスバーグ・ジャズ・アワード 受賞者
1997年
次代
シゼル・アンドレセン
先代
ニルス・ペッター・モルヴェル
スペルマン賞 オープン・クラス受賞者
1998年
次代
クロイト
先代
ニルス・ペッター・モルヴェル
ガムレン賞 ジャズ部門受賞者
1999年
次代
クリスティン・アスビョルンセン
先代
アンニャ・ガルバレク
スペルマン賞 オープン・クラス受賞者
2002年
次代
ニコ・ヴァルケアパー
先代
ニルス・ペッター・モルヴェル
バディ賞 受賞者
2004年
次代
アルヴェ・ヘンリクセン