ブイヨンキューブ
ブイヨンキューブ(Bouillon cube)は、ブイヨンまたはフォンを脱水し、約15mm角の小さな立方体に成型したものである。カナダやアメリカ合衆国ではブイヨンキューブ、オーストラリア、アイルランド、ニュージーランド、南アフリカ共和国及びイギリスではストックキューブ、フィリピンではブロスキューブ等と呼ばれる。乾燥させた野菜や肉の出汁に少量の脂肪、グルタミン酸ナトリウム、食塩、シーズニングを含む。ベジタリアンやヴィーガン向けのものもある。また、顆粒状や粉末状にしたブイヨンもある。
歴史
[編集]タブレット状にした乾燥した肉の出汁は、1718年に死去した17世紀のイギリス人料理記者アン・ブレンコウは既に知っており[1]、その他でも1735年には知られていた[2]。19世紀初頭のフランスの複数の料理人(Lefesse、Massue、Martinら)は、ブイヨンキューブ及びタブレットの特許を出願したが、新規性がないとして却下された[3]。1831年にはニコラ・アペールも乾燥ブイヨンを提案している。
19世紀中盤にドイツの化学者ユストゥス・フォン・リービッヒが肉エキスを開発したが、ブイヨンキューブよりも高価なものだった。
工業生産されたブイヨンキューブは、マギーにより1908年、オクソが1910年、クノールが1912年に販売を始めた。1913年には少なくとも10のブランドが入手可能であり、食塩の含量は59-72%であった[4]。
日本では1962年に味の素より「味の素KKコンソメ」が発売された[5]。
材料
[編集]ブイヨンキューブの一般的な材料は、食塩、水素化脂質、グルタミン酸ナトリウム、香料等である[6]。
製法
[編集]ブイヨンキューブは、液体状のブイヨンを乾燥させて作るのではなく、ペーストに既に乾燥した材料を混ぜて作る。容器の中で材料を混ぜ、混合のために寝かせ、立方体の形に成型する。または、押出成形機の中で直接混ぜる[7]。
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ Joan Thirsk, ‘Blencowe , Anne, Lady Blencowe (1656-1718)’, Oxford Dictionary of National Biography, Oxford University Press, Oct 2005; online edn, Jan 2007 accessed 17 Nov 2016
- ^ Vincent La Chapelle, Le cuisinier moderne, as cited in Davis
- ^ Jennifer Davis, Defining Culinary Authority: The Transformation of Cooking in France, 1650-1830, Louisiana State University Press, 2013, p. 154f
- ^ Cook, F. C. (1913). “Bouillon Cubes”. Journal of Industrial & Engineering Chemistry 5 (12): 989. doi:10.1021/ie50060a009.
- ^ [1]
- ^ https://www.walmart.com/ip/Telma-Beef-Flavour-Stock-Cube-1.50-oz/10323813
- ^ https://www.google.com/patents/US6099888