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フレンチ・カクタス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フレンチ・カクタス(French Cactus)は、冷たいタイプロングドリンクに分類される、テキーラをベース(基酒)としたカクテルである。

テキーラをベースとしたカクテルには何らかのジュース(果汁)を使用することが多い[1]が、このカクテルはジュースを一切使用しない数少ないテキーラベースのカクテルとして知られている[1]

標準的なレシピ

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作り方

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を入れたオールド・ファッションド・グラス(容量180ml程度)に、まずテキーラ、次にホワイト・キュラソーを注ぎ、軽くステアすれば完成である。

備考

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  • 後述のカクテル名の由来に関して、フランス産のホワイト・キュラソーを使うから「フレンチ」と付いているという説を取る場合、ホワイト・キュラソーには、コアントローが指定される[2]
  • 飲む人の好みにより、材料は増減される場合もある。なお、ホワイト・キュラソーはリキュールの1種であるから、必ず糖分を含んでいる。したがって、ホワイト・キュラソーの分量を増やせば、より甘くなる。

カクテル名の由来

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フレンチ・カクタス(French Cactus)というカクテル名の由来には、幾つかの説がある。最初に、Frenchとは「フランスの」とか「フランス風の」といった意味の英単語であり、Cactusとは「サボテン」という意味の英単語であることを確認しておきたい。

使用される酒の生産地に関係するとする説

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フレンチ・カクタスには、テキーラとコアントローだけが使用される。テキーラがテキーラであるための条件の1つとして、それがメキシコで作られている蒸留酒であることが挙げられる。したがって、テキーラは必ずメキシコ産である。そして、コアントローはフランス産のホワイト・キュラソーである。つまり、メキシコ産の酒と、フランス産の酒を使用することから、このカクテルにフレンチ・カクタスという名称が与えられたとする説が存在する[2]

必ずメキシコ産であるテキーラに、フランス産のコアントローが混ぜられることで、フランス風(French)になるというわけだ。したがって、この説を取る場合、使用するリキュールは、コアントローでなければならなくなる。

他のカクテルが関係しているとする説

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フレンチ・カクタスと、同じタイプのカクテル(仕上がった時のスタイルが似ているカクテル)として、フレンチ・コネクションという名称の比較的有名なカクテルが存在する。フレンチ・カクタスの「フレンチ」は、このフレンチ・コネクションの「フレンチ」をいただいたものだとする説が存在する[1]

今でこそホワイト・キュラソーと言えばコアントローが有名だが、キュラソー自体は、別にフランスの酒ではなく、元々はオランダのデ・カイパー社が創製したリキュールである[3]

「フレンチ」の由来に関して、使用している酒とは無関係であるとするこの説は、キュラソーの歴史には合致する。では、残る「カクタス」の由来だが、テキーラがテキーラであるための条件の1つとなっていることとして、原材料としてリュウゼツランを51%以上使用していることが挙げられる。リュウゼツランは厳密にはサボテンではないが、メキシコでは、葉が針状の植物をサボテンと呼ぶこともあるという[4]

つまり、メキシコ産のサボテンのようなもの(リュウゼツラン)を原料とした酒を使っているから、サボテンを意味する英語「Cactus(カクタス)」と付けられたのではないかという説である。ただし、メキシコにはサボテンが存在する。なので、リュウゼツランなどとは無関係に、単純にテキーラの産地であるメキシコに存在するサボテンを、テキーラから連想して、サボテンを意味する英語の「Cactus(カクタス)」と付けたのではないかという説もある[5]

これらが合わさって「フレンチ・カクタス」となったというわけだ。この説を取るのであれば、使用するリキュールはホワイト・キュラソーであれば良いことになる。

出典

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  1. ^ a b c 上田和男『カクテル』西東社、2001年、121頁。ISBN 4-7916-0994-8 
  2. ^ a b YYTproject編『The カクテルハンドブック』池田書店、2006年、92頁。ISBN 978-4-262-17231-6 
  3. ^ 福西英三『リキュールブック』柴田書店、1997年、44-46頁。ISBN 4-388-05803-3 
  4. ^ 上田和男監修『カクテル・ハンドブック』池田書店、1997年、62頁。ISBN 4-262-12007-4 
  5. ^ 上田和男『カクテル Handy Book』西東社、2001年、91頁。ISBN 4-7916-0977-8 

参考文献

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  • 若松誠志 監修『ベストカクテル』 p.209 大泉書店 1997年9月5日発行 ISBN 4-278-03727-9