フルイタチャンプサ
フルイタチャンプサ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ロサンゼルス自然史博物館にて、フルイタチャンプサのホロタイプ標本
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地質時代 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
後期ジュラ紀 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Fruitachampsa Clark, 2011 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
タイプ種 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Fruitachampsa callisoni Clark, 2011 |
フルイタチャンプサ[1](学名:Fruitachampsa)は、アメリカ合衆国コロラド州に分布する上部ジュラ系のモリソン層から化石が産出した、ワニ形上目に属する絶滅した偽鰐類の属。多数の標本が発見されており、短い頭部と卓越した1対の犬歯状の下顎歯を持つ、相対的に長い四肢で四足歩行を行う全長1メートル未満の陸棲捕食者であることが示されている。2011年に正式に記載されるまでは"Fruita form"として知られていた。タイプ種はF. callisoni[2][3]。
発見
[編集]フルイタチャンプサの化石はアメリカ合衆国コロラド州で発見された。発見地の堆積物は上部ジュラ系のモリソン層である。古生物学者のジェームズ・クラークとジョージ・カリソンが1975年にフルイタチャンプサの最初の化石を発見したのち、より完全な化石が1976年、1977年、1979年に発見されている。また、同じく基盤的なワニ形類であるMacelognathus (en) との共産も知られている[3]。
属名Fruitachampsaは1980年代から存在していたが、正式な記載と共に公開されていなかったため裸名と考えられていた。タイプ種Fruitachampsa callisoniはClark (2011)により正式に記載され、種小名はジョージ・カリソンへの献名となった[3]。
特徴
[編集]フルイタチャンプサの体は大部分が複数の部分的骨格と頭蓋骨から知られている。フルイタチャンプサは全長1メートル未満の小型のワニ形類で、最大の頭蓋骨長は9センチメートルである[3]。背側から見た場合に頭蓋骨は正方形であり、吻部に向かうにつれて狭くなる。吻部の外見は現生のカイマン亜科に属するコビトカイマン属と類似するが、現生のワニと異なり平坦化していない。他の初期のワニ形類と同様に、眼瞼骨は眼窩の後側に伸びる。顎の後半の歯は先端部が平坦化しており、その全長に亘って稜が走る。他のワニ形類と異なり、フルイタチャンプサは下顎窓を欠く[3]。二次口蓋を持つ点はゾスクスをはじめとする初期のワニ形類やさらに派生的なワニ形類と共通する一方、近縁属であるシソスクスと異なる[3]。
フルイタチャンプサは前凹後凸の椎骨を持つ点でShartegosuchidaeに属する他の属から区別される[3]。また、他の基盤的ワニ形類と同様に、陸棲であるため極端に細長い四肢を持つ。背部を被覆する皮骨板は重複する2つの列を構成しており、現生ワニのものと比較して薄い。フルイタチャンプサの標本の大半は各椎体と神経弓が癒合していることと仙椎と仙肋が癒合していることから成体と考えられている。いくつかの個体に見られる深く孔の空いた頭蓋天井や癒合した前頭骨といった他の特徴も成熟個体であることを示唆する。このため、現状得られている標本よりも遥かに大型に成長を遂げる可能性は低い[3]。
分類
[編集]記載論文であるClark (2011)の系統解析において、フルイタチャンプサはNominosuchusやShartegosuchusおよびAdzhosuchusと共に中正鰐類と異なる分岐群を構築している[3]。当該分岐群内においてフルイタチャンプサはNominosuchusよりも派生的で、ShartegosuchusとAdzhosuchusよりも基盤的である[3]。以下はClark (2011)に基づくクラドグラム。
Crocodyliformes |
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一方でAdams (2013)の系統解析では、フルイタチャンプサはシソスクスと共に中正鰐類の基盤的位置に置かれている[4]。Adams (2013)の系統樹におけるフルイタチャンプサはシソスクスよりも派生的で、また中正鰐類を二分する大分類群であるノトスクス類と新鰐類の両者よりも基盤的とされている[4]。
古生物学
[編集]フルイタチャンプサはShartegosuchidaeの属のうち唯一北アメリカ大陸から発見されている属であり、また当該分類群における最も新しい時代の属でもある。フルイタチャンプサがアメリカ合衆国西部に生息していたことから、当該の科はアジアから北アメリカに分布を拡大したことが示唆される。後期ジュラ紀においてアジアと北アメリカを繋ぐ唯一の経路はヨーロッパを通るものであり、Shartegosuchidaeはヨーロッパに生息していた可能性が高いもののそれを示す化石証拠が発見されていない[3]。
出典
[編集]- ^ 小林快次『ワニと恐竜の共存 巨大ワニと恐竜の世界』北海道大学出版会、2013年7月25日、14頁。ISBN 978-4-8329-1398-1。
- ^ Foster, John (2007). Jurassic West: The Dinosaurs of the Morrison Formation and Their World. Bloomington, Indiana: Indiana University Press. pp. 153–154. ISBN 978-0-253-34870-8. OCLC 77830875
- ^ a b c d e f g h i j k Clark, James M. (2011). “A new shartegosuchid crocodyliform from the Upper Jurassic Morrison Formation of western Colorado”. Zoological Journal of the Linnean Society 163 (s1): S152–S172. doi:10.1111/j.1096-3642.2011.00719.x .
- ^ a b Adams, T. L (2013). “A new neosuchian crocodyliform from the Lower Cretaceous (Late Aptian) Twin Mountains Formation of north-central Texas”. Journal of Vertebrate Paleontology 33 (1): 85-101. doi:10.1080/02724634.2012.713277 .