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フリソデウオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フリソデウオ
フリソデウオ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
: アカマンボウ目 Lampriformes
: フリソデウオ科 Trachipteridae
: フリソデウオ属 Desmodema
: フリソデウオ D. Polystictum
学名
Desmodema polystictum
(Ogilby, 1897 )
和名
フリソデウオ(振袖魚)
英名
Ribbonfish, Deal fish
若魚
ユキフリソデウオの若魚

フリソデウオ振袖魚 学名 Desmodema polystictum)は条鰭綱アカマンボウ目フリソデウオ科に属する魚類の一種。

生息地

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北は北海道、南は高知県や、山口県沖の太平洋日本海及び、類縁種が大西洋の熱帯海域の沖合中層域にすむ。

台風や大時化の後に、幼魚や成魚が稀に沿岸に漂着する。

特徴

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紫色をおびた銀白色の体色で、背びれは朱色。成魚では体の前部は著しく側扁し、尾部がながく伸長する。眼は大きくて、眼径は吻長より大。尾びれは小さめで、幼魚時代は、腹びれと臀びれはない。

幼魚では尾部は伸長せず、発達した腹びれをもつ。沖合いの中層に住み、そこで立ち泳ぎのような姿勢になって、プランクトンや浮遊性の甲殻類を食べて暮らしていると言われる。

幼魚時代の姿は最初は頭部付近の背鰭が大きいが、成長と共にそれは短くなっていく。腹鰭も非常に大きく、振袖魚という和名は、この幼魚時代の腹鰭が着物の振り袖に似ていることから。

成魚になると、目立っていた腹鰭がすっかり退化してしまい、全く別の種類の魚のように見えてしまう。種的にも、身体面でも、生態面でも、同じアカマンボウ目の魚であるリュウグウノツカイに近く、稀にしか発見されない点も似ている。

また、成魚が体を波打たせるようにして泳ぐ姿も、振り袖に似ていない事もないと言われる。腹鰭が無くなり、推進力を背部の殆どを占める大きな背鰭に頼っている為に、遊泳力があまりない。成魚の体長は1mほどと比較的大型の魚類であるにもかかわらず、滅多に発見されない珍しい魚となっている。

近縁種

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ユキフリソデウオ

日本近海にはフリソデウオ科の魚類で、次のような種がいる。

いずれも稀な魚類であり、人間生活に重要な関わりを持つ種はいない。

オキフリソデウオ Desmodema lorum
本種に似ているが、成魚は頭部付近の背鰭が大型化することで見分けが付く。体長1mほど。幼魚時代は頭部背鰭が著しく伸びる。
ユキフリソデウオ Zu cristatus
体長は1mほどになる。前種や本種に似ているが、幼魚時代は、体の背鰭付近に3つの斑文が現れる。
テンガイハタ Trachipterus trachypterus
体長2mを越える。幼魚時代は体各部の鰭が大きいが、成魚になると、背鰭と尾鰭以外は目立たなくなる。
サケガシラ Trachipterus ishikawae
体長2m以上の大型魚。本種だけが、幼魚時代の姿が判明していない。

関連項目

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参考文献

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  • 阿部宗明 北隆 『原色魚類大図鑑』 北隆館 ISBN 978-4832608207
  • 北村雄一 『深海生物ファイル―あなたの知らない暗黒世界の住人たち』 ネコパブリッシング、2005年。ISBN 978-4777051250
  • 尼岡邦夫 『深海魚 暗黒街のモンスターたち』 ブックマン社、2009年。ISBN 978-4-89308-708-9