フランツ・ヨーゼフ・マクシミリアン・フォン・ロプコヴィッツ
ヨーゼフ・フランツ・マクシミリアン・フォン・ロプコヴィッツ Joseph Franz Maximilian von Lobkowitz | |
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ザーガン公 ラウドニッツ公 | |
ヨーゼフ・フォン・ロプコヴィッツ侯爵、アウグスト・フリードリヒ・エーレンハインツ(August Friedrich Öelenhainz)画 | |
在位 |
ザーガン公:1784年 - 1786年 ラウドニッツ公:1786年 - 1816年 |
出生 |
1772年12月7日 神聖ローマ帝国 ボヘミア王国、ラウドニッツ |
死去 |
1816年12月15日(44歳没) オーストリア帝国 ボヘミア王国、ヴィッティンガウ |
配偶者 | カロリーネ・ツー・シュヴァルツェンベルク |
子女 | フェルディナント・ヨーゼフ 他 |
家名 | ロプコヴィッツ家(弟系) |
父親 | フェルディナント・フォン・ロプコヴィッツ |
母親 | ガブリエッラ・ディ・サヴォイア=カリニャーノ |
ヨーゼフ・フランツ・マクシミリアン・フォン・ロプコヴィッツ(Joseph Franz Maximilian Fürst von Lobkowitz, 1772年12月7日 - 1816年12月15日)は、オーストリアのボヘミア系貴族、軍人、芸術愛好家。階級は陸軍少将。侯爵、ザーガン公爵、ラウドニッツ公爵。
生涯
[編集]フェルディナント・フォン・ロプコヴィッツ侯爵(Ferdinand Fürst von Lobkowitz, 1724年 - 1784年)とその妻でカリニャーノ公ルイージ・ヴィットーリオの娘であるガブリエッラ(1748年 - 1828年)の間の一人息子として生まれた。ランバル公爵夫人は母方の叔母にあたる。1792年8月2日、シュヴァルツェンベルク侯ヨーゼフ1世の娘カロリーネ(1775年 - 1816年)と結婚し、間に長男フェルディナント・ヨーゼフを始め12人の子女をもうけた。1786年にザーガン公領をクールラント公ペーター・フォン・ビロンに売却し、1789年に所領に由来するラウドニッツ公爵位を皇帝より授けられた。1803年に金羊毛騎士団の騎士に叙任された。
本職の軍務をこなすかたわら、美術、文学、音楽など芸術活動の熱心な後援者として知られていた。侯爵自身も音楽的才能を持ち、すぐれたバイオリン奏者だった[1]。ロプコヴィッツは経済力のない作曲家たちを支援し、彼らの作品が一般社会に認められるよう奔走した。フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの楽曲の注文主となり、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの作品が公の演奏会で紹介されるよう取り計い、彼らに活動資金を与えた。ロプコヴィッツはラウドニッツ城、アイゼンベルク城、ウィーンのロプコヴィッツ宮殿の3つの居館それぞれにオーケストラを雇い入れており、時には自身もオーケストラと共演することもあった。ウィーン音楽愛好協会、ボヘミア音楽文化振興協会、ウィーン演劇事業協会の会員でもあり、市民階層に芸術への関心を持たせる運動にも支援を行った。芸術振興に私財を惜しみなくつぎ込んだため、晩年には資金難に悩まされた。
ベートーヴェンの交響曲第3番「エロイカ」は、1804年にロプコヴィッツがラウドニッツ城付属オーケストラに演奏させたのが初演となった。
献呈
[編集]ハイドンは、以下の楽曲をロプコヴィッツに献呈している。
ベートーヴェンは、以下の楽曲をロプコヴィッツに献呈している[2]。
- 弦楽四重奏曲第1番~弦楽四重奏曲第6番(作品18の6曲)
- 交響曲第3番「エロイカ」
- 三重協奏曲
- 交響曲第5番「運命」
- 交響曲第6番「田園」
- 弦楽四重奏曲第10番
- 遥かなる恋人に(連作歌曲集作品98)
脚注
[編集]- ^ Die ZEIT vom 5. Juli 2012, S. 18
- ^ 沖島博美『プラハ迷宮の散歩道 百塔の都をさまよう愉しみ』ダイヤモンド・ビッグ社、2016年、124頁。ISBN 978-4-478-04850-4。
参考文献
[編集]- Tomislav Volek und Jaroslav Macek, Beethoven's Rehearsals at the Lobkowitz's, in: The Musical Times, Jg. 127 (1986), S. 75–80
- Jana Fojtíková und Tomislav Volek, Die Beethoveniana der Lobkowitz-Musiksammlung und ihre Kopisten, in: Beethoven und Böhmen. Beiträge zu Biographie und Wirkungsgeschichte Beethovens, hrsg. von Sieghard Brandenburg und Martella Gutiérrez-Denhoff, Bonn 1988, S. 219–258
- Jaroslav Macek, Die Musik bei den Lobkowicz, in: Ludwig van Beethoven im Herzen Europas. Leben und Nachleben in den böhmischen Ländern, hrsg. von Oldřich Pulkert und Hans-Werner Küthen, Prag 2000, S. 171–216
外部リンク
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