フトイ
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フトイ
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Schoenoplectus tabernaemontani
(C.C.Gmel.) Palla | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
Scirpus lacustris Schoenoplectus tabernaemontani C.C.Gmel. |
フトイ(太藺、Schoenoplectus tabernaemontani (C.C.Gmel.) Palla)とはイグサに近い姿のカヤツリグサ科の植物である。
「フトイ」という名前は「太い」ではなく「太藺」、つまり「太い藺草」の意味である。実際にはイグサ科ではなく、カヤツリグサ科フトイ属に属する。ただし、その姿はさほどイグサに似ている訳ではない。古名は「ツクモ」(九十九)[1]。
日本全土に分布する。
特徴
[編集]湿地や浅い池などに生育する大柄な多年草で、高さは2m近くにもなる個体もある。地下茎は太くて横に這い、全体としてはまばらに花茎を立てて大きな群落を作る。地下茎の節から花茎を直立させる。花茎の基部には鞘があって、その先端は少しだけ葉の形になる。しかし花茎の長さに比べるとあまりに小さく、目立たない。花茎の断面はややいびつな円形。
花茎の先端には花序がつく。いくつか枝が出てその先端には小穂がつき、小穂の基部からさらに枝が出るようにして多数の小穂が散房状につく。花序の基部には苞が一つあるが、花序より短くて目立たない。そのためイグサのようには見えず、花序が花茎の先端に上を向いてついているように見える。
利用
[編集]観賞用
[編集]日本では、時に庭園の池などで観賞用に栽培される。フトイの変種であるシマフトイは花茎に白い横縞模様があり、鑑賞価値が高いものとして栽培されている。フトイは昔から夏の水物花材として多く使われてきた[2]。シマフトイも同様に水物花材として使われる[2]。
脚注
[編集]- 注釈
- 出典
- ^ 日本国語大辞典, デジタル大辞泉,大辞林 第三版,精選版. “九十九(ツクモ)とは”. コトバンク. 2019年12月4日閲覧。
- ^ a b 工藤 (1985), pp. 114–115
参考文献
[編集]- 工藤 和彦『作例と解説 いけばな花材ハンドブック 夏(二)』八坂書房、1985年。ISBN 4-89694-555-7。
関連項目
[編集] ウィキメディア・コモンズには、Schoenoplectus tabernaemontani (カテゴリ)に関するメディアがあります。
ウィキスピーシーズには、フトイに関する情報があります。