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四フッ化ケイ素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フッ化ケイ素から転送)
四フッ化ケイ素
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識別情報
CAS登録番号 7783-61-1
RTECS番号 VW2327000
特性
化学式 SiF4
モル質量 104.08 g/mol
外観 無色気体
(湿度が高いと発煙)
密度 1.66 g/cm3(-95℃、固体)
融点

-86℃

沸点

-95.5℃で昇華(1 atm

への溶解度 加水分解
粘度 ? cP(?℃)
構造
分子の形 正四面体
双極子モーメント 0 D
危険性
主な危険性 有毒気体、腐食性
NFPA 704
0
3
2
Rフレーズ R14 R26/27/28 R31 R34
Sフレーズ S23 S26 S36/37/39 S45
関連する物質
関連物質 四塩化ケイ素 SiCl4
シラン SiH4
ヘキサフルオロケイ酸 H2SiF6
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

四フッ化ケイ素(しフッかケイそ)は分子式SiF4で表される化合物である。分子の形は正四面体であり、沸点融点は4℃しか離れていない。1812年にデービー (John Davy)によって初めて合成された[1]

生成

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SiF4リン酸塩肥料の副生成物である。また、気体のフッ化水素HFとケイ酸塩との反応からも得られる。実験室ではBaSiF6固体を300℃以上に加熱して揮発性のSiF4とBaF2とに分解することで得られる。必要なBaSiF6ヘキサフルオロケイ酸H2SiF6の水溶液と塩化バリウムとから得られる[2]。相当する量のGeF4を用いても同様にして得られる(ただし熱処理には700℃を要する)[3]

利用

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揮発性が高く、マイクロ電子工学と有機合成化学においてわずかな利用例があるだけである[4]

産出

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火山ガスは大量の四フッ化ケイ素を含み、産出量は1日あたり数トンに及ぶ[5]。四フッ化ケイ素は部分的に加水分解されヘキサフルオロケイ酸を形成する。

参考文献

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  1. ^ John Davy (1812). “An Account of Some Experiments on Different Combinations of Fluoric Acid”. Philosophical Transactions of the Royal Society of London 102: 352-369. http://links.jstor.org/sici?sici=0261-0523%281812%29102%3C352%3AAAOSEO%3E2.0.CO%3B2-4. 
  2. ^ Hoffman, C. J.; Gutowsky, H. S. “Silicon Tetrafluoride” Inorganic Syntheses McGraw-Hill: New York, Volume 4, pages 145-6, 1953.
  3. ^ Hoffman, C. J.; Gutowsky, H. S. "Germanium Tetrafluoride” Inorganic Syntheses McGraw-Hill: New York, Volume 4, pages 147-8, 1953.
  4. ^ Shimizu, M. "Silicon(IV) Fluoride" Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, 2001 John Wiley & Sons. DOI: 10.1002/047084289X.rs011
  5. ^ T. Mori, M. Sato, Y. Shimoike, K. Notsu (2002). “High SiF4/HF ratio detected in Satsuma-Iwojima volcano's plume by remote FT-IR observation”. Earth Planets Space 54: 249-256. http://www.terrapub.co.jp/journals/EPS/pdf/2002/5403/54030249.pdf.