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シアン化ベンジル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シアン化ベンジル
benzyl cyanide
識別情報
CAS登録番号 140-29-4 チェック
PubChem 8794
ChemSpider 13839308 ×
日化辞番号 J5.653G
特性
化学式 C8H7N
モル質量 117.15 g/mol
外観 無色の油状液体
匂い フローラル調
密度 1.015 g/cm3
融点

-24℃

沸点

233-234℃

への溶解度 微溶
溶解度 アルコール・油類に可溶
危険性
主な危険性 急性毒性
引火点 101℃[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

シアン化ベンジル(シアンかベンジル、: benzyl cyanide、略称: BnCN)は、化学式C6H5CH2CNで表される有機化合物。他の誘導体の前駆体や[2]、医薬品製造の中間体となり、国によっては香料の原料として用いられる[3]

性質と反応

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塩化ベンジルシアン化ナトリウムとの反応により生成する。

主な用途として、活性メチレン基脱プロトン化[4][5]に使われるほか、メチルフェニデートフェノバルビタールアンフェタミンなどの製造時の中間体となる。このため、アメリカの麻薬取締局による規制の対象となる。

天然にはコショウソウ精油ネロリ油に存在し、香料向けの合成品はシグマアルドリッチ社が製造する。重いフローラル調の香りを持ち、ジャスミンや橙花などの香料の調合原料に用いられることがあるが、日本では使用されない[3]

安全性

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日本の毒物及び劇物取締法では劇物、消防法では危険物第4類(引火性液体)第3石油類に指定されている。毒性に関しては、ラットに経口投与した場合の半数致死量(LD50)が270mg/kg、ラットに経皮投与した場合のLD50が2g/kg、マウスに吸入させた場合の最小致死量(LCL0)が100mg/kgの調査結果がある[1]

脚注

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  1. ^ a b 製品安全データシート大陽日酸
  2. ^ Peter Pollak, Gérard Romeder, Ferdinand Hagedorn, Heinz-Peter Gelbke “Nitriles” in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry 2002, Wiley-VCH, Weinheim. doi:10.1002/14356007.a17_363
  3. ^ a b 『合成香料 化学と商品知識』印藤元一著 2005年増補改訂 化学工業日報社 ISBN 4-87326-460-X
  4. ^ Masumi Itoh, Daijiro Hagiwara, Takashi Kamiya (1988). "New Reagent for tert-Butoxycarbonylation: 2-tert-Butoxycarbonyloxyimino-2-phenylacetonitrile". Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 6, p. 199
  5. ^ Stanley Wawzonek, Edwin M. Smolin (1955). "α-Phenylcinnamonitrile". Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 3, p. 715