ファブリキウス橋
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ファブリキウス橋 Pons Fabricius (Ponte Fabricio) | |
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所在地 | ティベリーナ島とカンプス・マルティウス間 |
建設時期 | 紀元前1世紀 |
建設者 | 道路長官ルキウス・ファブリキウス |
建築様式 | 石造2径間アーチ橋 |
関連項目 | ローマの古代遺跡一覧 |
ファブリキウス橋(ラテン語: Pons Fabricius,イタリア語: Ponte Fabricio ファブリチオ橋)は、イタリア ローマのテヴェレ川に架かる橋で、ティベリーナ島とテヴェレ川左岸のカンプス・マルティウスを結ぶ橋[1][2]である。現存する最も古いローマの石造アーチ橋で、紀元前62年[1][3]に架橋された。クアトロ・チャピ橋(イタリア語: Ponte dei Quattro Capi)とも呼ばれており、橋の両端の胸壁(パラペット)にヤヌスとヘルマの四面の頭部を持つ石柱が4本建てられていたことから名付けられた。この石柱は、14世紀に近隣のグレゴリオ・デッラ・ディウィナ・ピエタ聖堂に移設[4]された。
ローマ帝国の政治家であり歴史家のカッシウス・ディオの著作によれば、キケロが執政官を務めた翌年の紀元前62年に、それまでここにあった木造橋が焼け落ちたため、再建したのが現在のファブリキウス橋であるという。この橋は道路長官のルキウス・ファブリキウスの監督[1]により建造されたため、ファブリキウス橋と呼ばれた。紀元前23年の洪水で被害を受け、紀元前21年に修復された[1]が、建設以来、現在まで現役で利用されている。
橋の全長62m、径間24.5m[5]と24.25m[1]、幅5.5mのファブリキウス橋は、コア部分はトゥファ(沈殿岩)を用いており、表面の化粧板は大理石とトラバーチンを用いている。2つのアーチの間にある小さな孔は、橋の重さを軽くするとともに、洪水時にこの孔に水を流すことで橋に作用する水圧を逃がすためのもの[3]である。現在は歩行者専用橋として使われている。
アクセス
[編集]参考文献
[編集]- ^ a b c d e Samuel Ball Platner, A Topographical Dictionary of Ancient Rome, Pons Fabricius
- ^ マーカス・ビニー『巨大建築の美と技術の粋 世界の橋』河出書房新社、2017年、21頁。ISBN 978-4-309-27838-4。
- ^ a b 日本大学理工学部 柳沢善明「セメントのルーツをイタリアに求めて」
- ^ Claridge, Amanda (1998). Rome: An Oxford Archaeological Guide. Oxford: Oxford Univ. Press
- ^ 径間長順リスト