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ファイアフライ・エアロスペース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ファイアフライ・エアロスペース
Firefly Aerospace
種類 非公開会社
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
テキサス州シーダーパーク
設立 2014年
業種 輸送用機器
事業内容 ロケット打ち上げ
外部リンク fireflyspace.com
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ファイアフライ・エアロスペース (Firefly Aerospace) は、2014年に創業されたアメリカテキサス州シーダーパークを拠点とする航空宇宙企業2022年現在、小型ロケットのファイアフライ・アルファ英語版を運用している。

概要

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2014年ファイアフライ・スペース・システムズ (Firefly Space Systems) として設立。当初は拡張性の高いエアロスパイクエンジンに、炭素繊維複合材製の機体、加圧供給式のエンジンという特徴的な構成のロケットを開発していた[1]。しかしロケットを打ち上げないまま2017年3月に一度破産しており、ウクライナを拠点とする実業家のマックス・ポリアコフ英語版の元で現在のファイアフライ・エアロスペースに改名して再建された[2][3]

その後はエンジンを一般的な仕組みに戻す一方でペイロードを増強するなど現行のファイアフライ・アルファ英語版へと設計を見直して開発を再開[3]。米政府による規制から資本は2022年2月にAE Industrial Partnersに売却されたが[4]、同年10月1日の2度目の打ち上げで初めて衛星の軌道投入に成功した[5]

自前のロケット開発の他、月着陸船ブルーゴーストの開発や[6]ノースロップ・グラマンアンタレス330ロケットの1段目の開発も手掛けている[7]

ロケット

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ファイアフライ・アルファ

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ファイアフライ・アルファ1号機

ファイアフライ・アルファは、全長29.48m、直径1.8mの二段式の小型ロケットである[8]。1段目にリーヴァー1エンジンを4基、2段目にライトニング1エンジンを1基搭載しており、推進剤には上下段ともケロシン (RP-1) と液体酸素 (LOX) を使用する[8]。低軌道に1,170kg、太陽同期軌道に745kgの打ち上げ能力を持つ[8]。価格は1機1500万ドルを予定している[3]

初打ち上げは2021年9月に行われたが、1段目のトラブルで失敗[3]2022年10月の二度目の打ち上げで、初めて軌道投入を果たした[5](ただし予定していた軌道からは逸脱[9])。

2024年2月1日、アルファの即応打ち上げを標準化すると発表した[10]

medium launch vehicle (MLV)

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MLVは、ノースロップ・グラマンと2025年中の打ち上げを目指し共同開発している、全長55.7m、フェアリングの直径5.2mの二段式の大型ロケットである[11]。1段目にミランダエンジンを7基、2段目にミランダ・バキュームエンジンを1基搭載し、推進剤には上下段ともケロシン (RP-1) と液体酸素 (LOX) を使用する。低軌道に16,000kgの打ち上げ能力を持つ予定[12][13]

エンジン

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ミランダ

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ミランダは、ノースロップ・グラマンのアンタレス330に加えて、今後のMLVロケットの第1段で使用するために設計された次世代ロケットエンジンである[13][14][15]。ミランダの推力は1,023kN、ISPは305秒。ミランダは、Fireflyのリーバーエンジンとライトニングエンジン、および燃焼タップオフサイクルと同じRP-1およびLOX推進剤を使用する。

ミランダは以前は「リーヴァー2」として知られていた。

ミランダ・バキューム

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ミランダ・バキュームは、MLVロケットの上段用に設計された真空最適化バージョンである[13]。真空推力は890kN、ISPは328秒で、推進剤としてRP-1とLOXを使用する。複数の上段の燃焼を必要とするミッションでは、再点灯可能である。

脚注

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  1. ^ “最新型打上げロケット「ファイアフライ・アルファ」の開発順調”. tokyoexpress. (2016年8月11日). http://tokyoexpress.info/2016/08/11/%E6%9C%80%E6%96%B0%E5%9E%8B%E6%89%93%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%80%8C%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%95/ 2018年12月16日閲覧。 
  2. ^ “Firefly Space Systems assets to be sold”. space news. (2017年3月15日). https://spacenews.com/firefly-space-systems-assets-to-be-sold/ 2018年12月16日閲覧。 
  3. ^ a b c d 米ロケット企業「ファイアフライ」、初のロケット打ち上げ試験に挑むも失敗”. マイナビニュース (2021年9月10日). 2022年10月9日閲覧。
  4. ^ AE Industrial Partners to acquire stake in Firefly from Noosphere” (英語). SPACENEWS (2022年2月24日). 2022年10月17日閲覧。
  5. ^ a b ファイアフライ、初めて衛星の軌道投入に成功 2回目の試験飛行「To The Black」を実施”. Sorae (2022年10月7日). 2022年10月9日閲覧。
  6. ^ NASA、ファイアフライと契約を結ぶ 2023年頃同社の月着陸船が月面へ”. Sorae (2021年2月6日). 2022年10月17日閲覧。
  7. ^ 中型ロケット「Antares」エンジンにFirefly–より重いペイロードを搭載可能に”. UchuBiz (2022年8月10日). 2022年10月17日閲覧。
  8. ^ a b c Alpha” (英語). Firefly Aerospace. 2022年10月17日閲覧。
  9. ^ Firefly says Alpha launch a success despite payload reentries” (英語). SPACENEWS (2022年10月10日). 2022年10月17日閲覧。
  10. ^ 米ファイアフライ、小型ロケット「アルファ」の即応打ち上げを継続”. UchuBiz (2024年2月8日). 2024年2月8日閲覧。
  11. ^ Medium Launch Vehicle” (英語). Firefly Aerospace. 2024年1月17日閲覧。
  12. ^ Davenport, Justin (2023年8月9日). “Northrop Grumman and Firefly's Antares 330 and MLV plans take shape” (英語). NASASpaceFlight.com. 2024年1月17日閲覧。
  13. ^ a b c Inc, Firefly Aerospace. “Firefly Aerospace Completes First Miranda Engine Hot Fire Test” (英語). www.prnewswire.com. 2024年1月18日閲覧。
  14. ^ Foust, Jeff (2022年8月8日). “Northrop Grumman and Firefly to partner on upgraded Antares” (英語). SpaceNews. 2024年1月18日閲覧。
  15. ^ published, Brett Tingley (2023年11月29日). “Firefly Aerospace's new rocket engine spouts green flames in 1st 'hot fire' test (photo)” (英語). Space.com. 2024年1月18日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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