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ピール・P50

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

P50ピール・エンジニアリング・カンパニーによって製造されていた三輪マイクロカーである。1962年から1965年にかけて生産されていた。世界最小の量産自動車として、2010年ギネスブックに認定されている。

概要

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ピール・P50
フロント
リア
概要
販売期間 オリジナル:
1962年 - 1965年
復刻版:
2010年 - (EV)
2011年 - (ガソリン版)
ボディ
乗車定員 1人
ボディタイプ 1ドアクーペ
駆動方式 後輪駆動
パワートレイン
エンジン DKW 49 cc 空冷2ストローク
最高出力 4.2 ps
変速機 3速MT
車両寸法
ホイールベース 1,270 mm
全長 1,340 mm
全幅 990 mm
全高 1,000 mm
車両重量 56 kg
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1955年、それまでフェアリングの製造などを行っていたピール・エンジニアリング・カンパニーは、「マンクスカー」を発表し、マイクロカー製造への参入を発表した。マンクスカーは税制の改正などの諸事情により市販されずに終わったが、その製造ノウハウを生かし新たなマイクロカーを計画した。 1962年、ピール初の量産車であるP50を発表、デリバリーを開始した。P50は当時の価格で199ポンドという非常に低廉な価格で提供された。製造拠点はマン島に置かれた。

P50はシティカーとして設計された。コンセプトは「大人一人にショッピングバッグ一つ」で、居住空間は必要最低限であり、ドライバー1人が乗り込むと買物袋程度の積載が行える程度であった。

ボディはグラスファイバー(GFRP)製で、ドアは後ろヒンジのものが左側に1枚のみ備わる。灯火類はフロントに1つのヘッドランプとリアに2つのテールランプ/ブレーキランプを備え、ターンシグナルランプはフロントにのみ装着された。そのため交差点を曲がる際には後続車へは手信号で合図する必要があった。ワイパーは1本のみフロントウインドシールドの上部に装備された。カラーバリエーションはデイトナホワイト、ドラゴンレッドとダークブルーが設定されていた。エンジンはDKW製のモペッド用を流用、排気量49 ccの2ストロークエンジンから4.2馬力を発揮する。最高速度は61 km/hを誇り、公称燃費は2.8 L/100 kmであった。

P50はリバースギア(後退用ギア)を備えていなかった。しかし車重が60 kg弱と非常に軽量なため、必要に応じて背面のバンパー位置に備わったハンドルを持ち、キャスターバッグのように牽引して方向転換を行うことが可能であった。

1963年にはプロモーションのためブラックプールにあるブラックプールタワーの上層階に運ばれ、観測バルコニーの周りを走行しそのボディの小柄さと小回りのよさをアピールした。

P50は1965年まで製造された。総生産台数は3年で47台と振るわなかった。

その後2010年には、ピール・エンジニアリング・リミテッド[1]より、レプリカバージョンの復刻生産が開始された。なお、このピール・エンジニアリング・リミテッドは、かつてのピール・エンジニアリングと直接的な関連はない。復刻版の外見は非常にオリジナルに似ているが、サスペンションステアリング、ドライブトレイン等、主要なメカニズムに大きな違いがある。2010年よりデリバリーされたP50は電気モーターで駆動する電気自動車(EV)であった。モーターは最高速度16 km/h(10 mph)の速度でしか走れなかったため、公道での使用はできなかった。しかしEVである利点としてバックギアを備えていた[要出典]。2011年には公道走行可能な新たなバージョンのEVと、3馬力の4ストロークエンジンを備えたガソリンバージョンのデリバリーが開始された。両モデルともにバックギアが標準装備された。生産はかつてのマン島ではなく、サットン・イン・アッシュフィールド英語版で行われている。

脚注

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関連項目

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外部リンク 

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