ピーポくん
ピーポくんは、警視庁のマスコットキャラクター。
概要
[編集]都民と警視庁のきずなを強めるため「親しまれ、信頼される警視庁」をテーマに、警視庁のシンボルマスコットとして1987年(昭和62年)4月17日に、発案者の鎌倉節、デザイン担当の上原幸子、名前を付けた安藤隆春ら[1]により誕生した。名前の由来は、人々の「ピープル」と、警察の「ポリス」の頭文字から[2]。
ピーポくんはほぼ全身が黄色であり、耳が大きく、腰にはベルト(1994年3月まで警察官の装備として採用されていた負革の付いた帯革)を締めている。
ピーポくんは特定の動物ではなく、いろいろな動物の可愛らしい部分をイメージ化して作られたものである。顔が大きく体が小さいなど、愛着のあるキャラクターとして幼児向けの要素も盛り込んでいるが、大きい耳やアンテナ、見開いた目には、それぞれ以下のような役目を持つとされる[3]。
- 耳:都民の声を幅広く聞くためのもの
- アンテナ:社会全体の動きを素早くキャッチするためのもの
- 目:社会すみずみまで見わたすためのもの
キャラクター展開
[編集]1987年4月17日にキャラクター制定[4]。ピーポくんは元々、警視庁広報課が発案しキャラクターデザイナーと共同で製作したもので、その著作権は警視庁に帰属し、商標登録もされている(登録権利者は東京都)[5]。そのため、テレビ番組やコミックなどでピーポくんをモデルにしたキャラクター(あるいはピーポくんそのもの)を登場させる際には、「ピーポーくん」などと言い換えられることがある(許可なく『ピーポくん』そのものを出演させた場合は、本物を示す言葉として使われているので商標としての使用には反しないが、著作権や意匠に関する部分で違反となる。)。
当初は防犯ポスターなどに使われていたが、その後、縫いぐるみや携帯ストラップ、メモ帳、消しゴム、マウスパッド、テレカ、Tシャツ、キーホルダー、防犯ブザーなど各種グッズが製作・販売されるようになった(警視庁管内の運転免許試験場の売店などで購入できる)。また、警視庁公式ウェブサイトにはいたるところにピーポくんが登場する。さらに、警視庁管内の交番や警察署の各課窓口などには、縫いぐるみやポスター、建て看板などが置かれていたりもする。
2002年(平成14年)4月17日から“ピーポくんのうた”が使われ始め、イベントなどで利用されている。作詩作曲は清水道代で同年2月に採用された[2]。CDは非売品[2]。
2016年以降に発表されている広報用映像やWebアニメなどでは声優の原奈津子が声を担当している[6]。
2021年(令和3年)6月29日から警察署および自動車警ら隊など、 地域部で運用するパトカーにステッカーが貼られるようになった。 パトカーの屋根上に設置されている赤色灯の昇降装置の前面に「警視庁」と入っている台座部分の左右と後方の計3か所に、敬礼する姿で貼られている[7]。
2024年(令和6年)3月、これまで縫いぐるみの製造を担当していた工場が職人の高齢化により、閉鎖した[8]。これを受けて、警視庁職員互助組合は製造先を東京都葛飾区の製造業者に変更した上で、2025年(令和7年)4月から販売を再開する予定[9]。
刑事ドラマなどでの登場も多く、この種のマスコットキャラクターとしては好意的、かつ認知度も高いキャラクターである。
ピーポくんの家族
[編集]ピーポくんには家族がおり、父母妹弟、さらに祖父母もいる。それぞれの容姿はピーポくんをモデルとしており大きな形状変化は見られない。彼らの声はウェブ上で聞くことが可能である[10]。
- おじいさん
- おばあさん
- おとうさん
- おかあさん
- ピー子(妹)
- ピー太(弟)
騒動
[編集]2022年12月、「ピーポくん」が中指を立てたパロディ・イラストに、「懲役上等」「Goodbye Police」などといったキャプションをあしらった図柄のステッカーを制作し、オークション・サイトで販売していた愛知県在住の夫婦が、商標法違反の疑いで書類送検された[11]。
2023年9月16日、昭島市の拝島駅前で行われた交通安全イベントで熱中症で倒れるトラブルがあった。この日、隣接する八王子市の最高気温は32.4度であった[12]。
脚注
[編集]- ^ 愛されて35年 明かされた「ピーポくん」誕生の秘話【news深掘り】:時事ドットコム
- ^ a b c フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 1』講談社、2003年。
- ^ ピーポくんのしょうかい
- ^ 警視庁ピーポくん30年…実は7人家族永遠の子ども毎日新聞 2017年5月1日
- ^ “名刺に「ピーポくん」お値段1千円? 商標法違反容疑で男を逮捕”. 朝日新聞 (2021年11月17日). 2021年11月17日閲覧。
- ^ haranatsukoのツイート(715497891826012160)
- ^ “なぜ? 東京のパトカーに「ピーポくん」一斉出現! 経緯&範囲を警視庁に聞いた”. 乗りものニュース (2021年9月9日). 2023年9月13日閲覧。
- ^ “ピーポくん人形、製造中止 工場閉鎖、他業者と交渉中”. 共同通信 (2024年8月20日). 2024年8月21日閲覧。
- ^ “「ピーポくん」ぬいぐるみ復活 製造業者決定、25年春販売へ”. 共同通信 (2024年12月25日). 2024年12月26日閲覧。
- ^ ピーポくんの家族紹介
- ^ “「中指立てた『ピーポくん』が“懲役上等”」偽物ステッカー販売か 愛知県の夫婦を書類送検(2022年12月12日取得のウェブ・アーカイブ)”. TBS NEWSDIG. 2023年6月6日閲覧。
- ^ “ピーポくんが熱中症で倒れる… 東京・昭島市で交通安全を呼びかけるイベント 当時隣接する八王子市では最高気温32.4度を記録”. TBS NEWSDIG. 2023年9月17日閲覧。
関連項目
[編集]- 官公庁のマスコットキャラクター一覧 - 他道府県警にもマスコットキャラクターが存在する。
- 東京都交通局 - 交通安全や火災予防などの普及啓発のため、警視庁及び東京消防庁の協力により、都電荒川線で「ピーポくん号」と「キュータ号」を運行。
- キュータ - 東京消防庁のマスコットキャラクター。
- ポドリくん - 韓国警察庁のマスコットキャラクター。ピーポくんを見た韓国の警察関係者が、ピーポくんを参考に作ったと言われる。