ピーウィーの大冒険
ピーウィーの大冒険 | |
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Pee-wee's Big Adventure | |
監督 | ティム・バートン |
脚本 |
フィル・ハートマン ポール・ルーベンス マイケル・ヴァーホル |
製作 |
ロバート・シャピロ リチャード・ギルバート・エイブラムソン |
出演者 |
ポール・ルーベンス エリザベス・デイリー マーク・ホルトン |
音楽 | ダニー・エルフマン |
撮影 | ヴィクター・J・ケンパー |
編集 | ビリー・ウェバー |
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 |
1985年8月9日[1] 劇場未公開[1] |
上映時間 | 90分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $7,000,000 |
興行収入 | $40,940,662[2] |
次作 | ピーウィー・ハーマンの空飛ぶサーカス |
『ピーウィーの大冒険』(ピーウィーのだいぼうけん、Pee-wee's Big Adventure)は、1985年に公開されたアメリカ映画である。
概要
[編集]本作は子供番組で人気を博したポール・ルーベンス演じるキャラクター「ピーウィー・ハーマン」の初主演映画である。もともと演劇集団ザ・グラウンドリングスに所属していたルーベンスは、何か強烈なキャラクターはないかという悩みからこのキャラクターを思いついた。舞台・テレビに出演するや否や、子供からの絶大な人気を博し、番組ホストとしてのポジションに君臨した。また、ティム・バートンも本作で長編映画監督のデビューを飾っている。脚本にはルーベンスをはじめ、当時同じくザ・グラウンドリングスに所属していたコメディアンのフィル・ハートマンらも参加している。低予算で製作された本作だが、本国アメリカではヒットを記録した。そのようなメインストリームでの成功がありつつ、同時にカルト映画としても扱われている[3][4]。
日本では劇場公開されておらず、ビデオソフトとして発売された[1]。
ストーリー
[編集]とある郊外の一軒家に住むピーウィー・ハーマン(ポール・ルーベンス)は、大切にしている赤い自転車が大のお気に入り。ある日、マジック・グッズを買いに町へ出たピーウィーは何者かに自転車を盗まれてしまう。あまりのショックに取り乱したピーウィーは、自転車を探すべく独自に調査をし始める。調査の一環で訪れたインチキ占い師(エリカ・ヨーン)から「アラモ」へ向かえと告げられたのを鵜呑みにし、ピーウィーはテキサスのアラモ伝道所を目指す。そんなピーウィーに道中で様々な騒動が巻き起こる。
キャスト
[編集]※括弧内は日本語吹替
- ピーウィー・ハーマン - ポール・ルーベンス(島田敏)
- ドティ - エリザベス・デイリー(安達忍)
- フランシス・バクストン - マーク・ホルトン(安西正弘)
- シモーヌ - ダイアン・サリンジャー(小宮和枝)
- ミッキー - ジャド・オーメン(朝戸鉄也)
- 執事 - プロフェッサー・タナカ(荒川太朗)
- ラージマージ - アリス・ナン
- ティナ - ジャン・フックス
- 記者 - フィル・ハートマン
- ケヴィン・モートン - ジェイソン・ハーヴェイ(神代知衣)
- ジェームズ・ブローリン(江原正士)
- モーガン・フェアチャイルド(伊倉一恵)
- ミルトン・バール(クレジットなし)(村松康雄)
スタッフ
[編集]- 監督:ティム・バートン
- 製作:ロバート・シャピロ、リチャード・ギルバート・エイブラムソン
- 製作総指揮:ウィリアム・E・マッキューン
- 脚本:フィル・ハートマン、ポール・ルーベンス、マイケル・ヴァーホル
- 音楽:ダニー・エルフマン
- 撮影:ヴィクター・J・ケンパー
- 編集:ビリー・ウェバー
評価
[編集]レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは46件のレビューで支持率は87%、平均点は7.90/10となった[5]。Metacriticでは14件のレビューを基に加重平均値が47/100となった[6]。
補足
[編集]- 本作を監督する前に、ティム・バートンはウォルト・ディズニーでアニメーターとして働いており、ディズニーの出資で短編映画『フランケンウィニー』を製作した。子供向けではないと当時はお蔵入りになってしまうが、業界内では評判を呼び、この作品を見たプロデューサーとポール・ルーベンスから監督を打診された。
- 音楽を手掛けたダニー・エルフマンも、この作品で商業用の映画音楽家としてデビューしている。もともとこの作品の音楽を手掛けることになったきっかけは、バートンがエルフマンがボーカルとして活動していたカルトロックバンドの「オインゴボインゴ」のファンだったことにある。その後、バートン作品のほとんどの音楽はエルフマンが手掛けている。
- バートンがアニメーター出身という理由もあり、アニメーションやストップモーション・アニメーションが技法として所々に使われている。なお、ピーウィーがスタジオ内を奔走する場面では、ジェームズ・ブローリンやモーガン・フェアチャイルドが客演しており、ゴジラとキングギドラも登場する[7][8][1]。しかし、無許可での登場だったため、配給元のワーナー・ブラザースはゴジラの著作権を有する東宝から訴えられた[9][1]。その後、バートンは『マーズ・アタック!』(1996年)で正式に東宝の許可を得て、『ゴジラvsビオランテ』(1989年)の映像を流用している[8]。
- 本作は自転車を盗まれたピーウィーがそれを探しに旅に出るという物語であるが、ジャマイカ映画『ロッカーズ』から着想を得たという見方もされている。
脚注
[編集]- ^ a b c d e 野村宏平、冬門稔弐「8月9日」『ゴジラ365日』洋泉社〈映画秘宝COLLECTION〉、2016年11月23日、221頁。ISBN 978-4-8003-1074-3。
- ^ “Pee-wee's Big Adventure (1985)”. Box Office Mojo. 2009年9月17日閲覧。
- ^ Stewart, Tom (2021年9月24日). “10 Ways Pee-Wee's Big Adventure Still Holds Up Today” (英語). ScreenRant. 2024年9月1日閲覧。
- ^ “ピーウィー・ハーマンのおかしな世界【川原瑞丸のCINEMONOLOGUE Vol.35】|CINEMORE(シネモア)”. cinemore.jp. 2024年9月1日閲覧。
- ^ “Pee-wee's Big Adventure (1985)”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2022年7月16日閲覧。
- ^ “Pee-wee's Big Adventure Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. 2022年7月16日閲覧。
- ^ 「ゴジラ映画を100倍楽しむ100のカタログ 60 外国映画人のゴジラマニアたち」『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 新モスラ編』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一、Gakken〈Gakken MOOK〉、1992年12月10日、141頁。
- ^ a b 「ゴジラVSビオランテ特殊コラム作戦室」『ゴジラVSビオランテ コンプリーション』ホビージャパン、2015年12月16日、161頁。ISBN 978-4-7986-1137-2。
- ^ “『ゴジラ』より怖い、その著作権”. WIRED.jp (コンデナスト・ジャパン). (2010年6月1日) 2024年3月5日閲覧。