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ピルナ 014

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ライプツィヒスプリングフェア1958で展示されたピルナ014

Pirna 014(ピルナ 014)はドイツ民主共和国のジェットエンジンである。1958年から最初のエンジンの系列が使用され始めた。ドレスデン近郊のピルナ・ターボ機械工場(VEB Strömungsmaschinen Pirna)で生産された。このエンジンはユンカース ユモ 012英語版と後継機であるユンカース ユモ 004の直系の後継機である。

このエンジンはドイツで初めて旅客用に設計された。これらの機体はVEBフルクツォイヴェルケ ドレスデン(VEB Flugzeugwerke Dresden)で開発段階だったバーデ 152試作機に搭載された。

最初の試験飛行は1959年9月11日イリューシンIl-28Rの胴体に懸架されて行われた。1961年ソビエトとの繋がりによる政治的な決断により152の計画と全ての開発計画は中止させられた。エンジンは非常用発電機として生産された。

派生型

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  • ピルナ 014-A0 – 先行量産型、1957年
  • ピルナ 014-A1 – 一連の量産型、1959年
  • ピルナ 014-A2 – 既存の量産型から船舶用ガス発電機用に改良を施された 1961年
  • ピルナ 014-A3 – 既存の量産型から船舶用ガス発電機用に改良を施された 1961年
  • ピルナ 014-A5 – ガス発電機用として最大負荷電力時に発電所で使用するためにピルナ E-1と組み合わせて使用された。 1962年
  • ピルナ 014-C – A-0の計画型、1960年

更なる開発

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  • ピルナ 016 – 新たな設計の圧縮機と組み合わせて旧式の014を置き換える計画、1958年
  • ピルナ 018 – ターボプロップエンジン用の圧縮機の試験エンジン
  • ピルナ 020 – 圧縮機試験用のツインフローターボジェット試験エンジン

派生型の一覧

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分類 形式 配置 圧縮比 燃料消費率 空気消費 タービン入り口温度 推力或いは出力 乾燥重量 速度
ピルナ 014-A0 ターボジェット 12V2T 7:1 0.85 kg/kph 52.0 kg/s 1050°K 3,150キロポンド (30,900 N; 6,900 lbf) 1,060 kg (2,340 lb) 8000rpm
ピルナ 014-A1 ターボジェット 12V2T+ 7:1 0.86 kg/kph 57.5 kg/s 1070°K 3,300キロポンド (32,000 N; 7,300 lbf) 1,050 kg (2,310 lb) 8200rpm
ピルナ 014-C ターボジェット 12V2T+ 7:1 0.859 kg/kph 57.5 kg/s 1070°K 3,300キロポンド (32,000 N; 7,300 lbf) 1,065 kg (2,348 lb) 8200rpm
ピルナ 016 (計画) ターボジェット 12V3T 11.9:1 0.72 kg/kph 60.4 kg/s 1035°K 3,500キロポンド (34,000 N; 7,700 lbf) 1,050 kg (2,310 lb) 8700rpm

配置: V=軸流圧縮機の段数, T=タービン段数. (+ 追加段数)

仕様諸元 (ピルナ 014-A0)

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  • タービンの段数: 1
  • 圧縮機の段数: 12
  • 推力: 32.3 kN
  • 推力毎の燃料消費: 88.6 kg / h / kN
  • 圧縮比: 7
  • 空気流量: 53 kg air / sec
  • 重量: 1,050 kg
  • 全長: 3,446 mm
  • 直径: 981 mm

一般的特性

  • 形式: ターボジェット
  • 全長: 3,446 mm (135.7 in)
  • 直径: 981 mm (38.6 in)
  • 乾燥重量: 1,060 kg (2,340 lb)

構成要素

  • 圧縮機: 12段軸流式
  • 燃焼器: カン-アニュラ型燃焼器, 12基
  • タービン: 2段
  • 使用燃料: ケロシン / ジェット燃料 (仕様 T-1)

性能

出典: Mewes, ピルナ014. Flugtriebwerke der DDR.


生産されたエンジンの一覧

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試作 (802工場)

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ピルナ 014

分類 派生型 用途
V-00 0 ---
V-01 A ---
V-02 A0 ---
V-03 A0 ---
V-04 A0 ---
V-05 A0 ---
V-06 A0 ---
V-07 A0 ---
V-08 A0 ---
V-09 A0 ---
V-10 A0 ---
V-11 A0 ---
V-12 A0 ---
V-13 A0 ---
V-14 A0 ---
V-15 A0 ---
V-16 A0 ---
V-17 A0 ---
V-18 A0 ---
V-19 A0 ---
V-20 A1 ---
V-21 A0 ---
V-22 A1 ---
V-23 A0 ---
V-24 A0 ---
V-25 A1 ---
V-26 A1 ---
V-27 A1 ---
V-28 A1 ---
V-29 A1 ---
V-30 A1 ---
V-31 A1 ---
V-32 A1 ---
V-33 A1 ---
V-34 A1 ---
V-35 A1 ---

ピルナ 014-C

分類 派生型 用途
V-00 C ---
V-01 C ---
V-02 C ---

ピルナ 016

分類 派生型 用途
V-01 - ---

ピルナ 018

分類 派生型 用途
V-00 - ---
V-01 A ---
V-02 A ---
V-03 A ---

ピルナ 020

分類 派生型 用途
V-01 A ---

量産 (807工場)

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分類 派生型 用途
L-1 0 ---
L-2 0 ---
L-3 0 ---
L-4 0 ---
L-5 0 ---
000 A0 ---
001 A0 ---
002 A0 ---
003 A0 ---
004 A0 ---
005 A0 ---
006 A0 ---
007 A0 ---
008 A0 ---
009 A0 ---
010 A0 ---
011 A0 ---
012 A0 ---
013 A0 ---
014 A0 ---
015 A0 ---
016 A0 ---
017 A0 ---
018 A0 ---
001 A1 ---
002 A1 ---
003 A1 ---
004 A1 ---
005 A1 ---
006 A1 ---
007 A1 ---
008 A1 ---

残存機

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既知の残存機:

  • ターボジェット ピルナ 014 A2 (以前の A0/V-16)、ガスタービン工場 ピルナ 051/1用のガス発生器に改造されてドレスデン交通博物館の航空機の展示区画に展示される。
  • ミュンヘンのドイツ博物館にピルナ 014 A0/V-05 が展示される
  • A1 ジェットが産業博物館 ケムニッツで展示。[1] これは1961年以降に高速船で使用された。
  • Mewesによればピルナ 014 A5 ガス発生器と小型のガスタービンを備えたピルナ 029Strömungsmaschinenbau Pirna GmbHにあるらしい。同社は1990年の民営化後のVEB Strömungsmaschinen Pirnaの後継会社である。1995年まで存在したが2年後に破産した。建物は2011年に投資家に売却された。[2] 現在のエンジンの所在は不明。
  • ドレスデン工科大学Gerhart Potthoffの建物の交通科学部にもある。

ピルナ014 A0/V-16は平均的な型式でドレスデン交通博物館の地域交通の展示場にある。ミュンヘンのドイツ博物館の航空宇宙部門では1991年2月1日からピルナ014 A0/V-05カットモデルが見られる。ドレスデン工科大学にあるHettnerstraße交通研究所のGerhart Potthoff-ビルディングでも同様のカットモデルが保管されている。

関連項目

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出典

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書籍

Mewes, Klaus-Hermann (1997). Pirna 014. Flugtriebwerke der DDR: Entwicklung, Erprobung und Bau von Strahltriebwerken und Propellerturbinen. Aviatic-Verlag. pp. 159. ISBN 9783925505393 

引用
  1. ^ "Turbostrahltriebwerk Pirna 014," www.saechsisches-industriemuseum.de Retrieved: 2 August 2012.
  2. ^ "Kaufvertrag zum Speisehaus unterzeichnet," www.pirna.de Retrieved: 2 August 2012.

外部リンク

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