ピネハス (祭司)
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ピネハスは、旧約聖書の『出エジプト記』などに登場するユダヤ人の祭司。
レビ族の出身で祭司エルアザルの息子であった。荒れ野を放浪するイスラエルの民がシティムで異教神バアルを拝んでいたとき、ピネハスはミディアン人の女を連れ込んだイスラエルの男性をもろともに槍で突き刺した。これを神はよろこび、イスラエルを襲わせた災害を去らせ、ピネハスとその子孫に永遠の祭司職を約束する(『民数記』25:1-18)。
イスラエルはこうしてペオルのバアルにつきしたがったので、主はイスラエルにむかって怒りを発せられた。そして主はモーセに言われた、「民の首領をことごとく捕え、日のあるうちにその人々を主の前で処刑しなさい。そうすれば主の怒りはイスラエルを離れるであろう」。モーセはイスラエルのさばきびとたちにむかって言った、「あなたがたはおのおの、配下の者どもでペオルのバアルにつきしたがったものを殺しなさい」。モーセとイスラエルの人々の全会衆とが会見の幕屋の入口で泣いていた時、彼らの目の前で、ひとりのイスラエルびとが、その兄弟たちの中に、ひとりのミデアンの女を連れてきた。祭司アロンの子なるエレアザルの子ピネハスはこれを見て、会衆のうちから立ち上がり、やりを手に執り、そのイスラエルの人の後を追って、奥の間に入り、そのイスラエルの人を突き、またその女の腹を突き通して、ふたりを殺した。こうして疫病がイスラエルの人々に及ぶのがやんだ。しかし、その疫病で死んだ者は二万四千人であった。主はモーセに言われた、「祭司アロンの子なるエレアザルの子ピネハスは自分のことのように、わたしの憤激をイスラエルの人々のうちに表わし、わたしの怒りをそのうちから取り去ったので、わたしは憤激して、イスラエルの人々を滅ぼすことをしなかった。このゆえにあなたは言いなさい、『わたしは平和の契約を彼に授ける。これは彼とその後の子孫に永遠の祭司職の契約となるであろう。彼はその神のために熱心であって、イスラエルの人々のために罪のあがないをしたからである』と」。 — 民数記25章3節から13節(口語訳)
やがて、イスラエル全体の指導者の一人となっていたピネハスはヨルダン川東側に移動したルベン族、ガド族、マナセ族が勝手に祭壇を築いたときには同地へ赴き、これを糾弾している。ルベン族らはこれに弁明し、戦争の危機は回避された(『ヨシュア記』22:16-20)。