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ピアノ協奏曲第5番 (ヴィラ=ロボス)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
初演の会場となったロンドンロイヤル・フェスティバル・ホール

ピアノ協奏曲第5番 W521 は、エイトル・ヴィラ=ロボスが1954年に作曲したピアノ協奏曲。作曲者自身の指揮による録音が残されている。

概要

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本作は1954年にリオデジャネイロで作曲された。フェリシア・ブルメンタールの委嘱により書かれたものであり、曲は彼女に献呈された。ブルメンタールは1955年5月8日にロンドンロイヤル・フェスティバル・ホールにおいて、ジャン・マルティノン指揮、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で本作を初演している[1]。作曲者との共演による録音はその翌年に行われた[2]。ブルメンタールは以降も本作の普及に貢献し続けた[2]

楽器編成

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ピアノ独奏ピッコロフルート2、オーボエ2、コーラングレクラリネット2、バスクラリネットファゴット2、コントラファゴットホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバティンパニ、打楽器(バスドラムシロフォン)、チェレスタハープ弦五部

楽曲構成

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本作は全4楽章で構成される。作曲者の自作自演盤の演奏時間は19分20秒[3]

  1. Allegro non troppo
  2. Poco adagio
  3. Allegretto scherzandoCadenza
  4. Allegretto

第1楽章はソナタ形式を採用している。管弦楽の序奏が鏡像関係のモチーフを奏し、練習番号3から第1主題が提示される。これはイ短調で緩やかなワルツに類似しており、3/4拍子と6/8拍子が交代しながら進む。鏡像モチーフをピアノが奏する経過を経て、半音階的かつガーシュウィン風の第2主題が、嬰ト短調で練習番号11から現れる。練習番号15で第1主題が再現されると練習番号18からハ短調の第3主題が続き、提示部の終わりを迎える[4]

出典

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  1. ^ Villa-Lobos, sua obra 2009, p. 57.
  2. ^ a b Morrison, Chris. ヴィラ=ロボスのピアノ協奏曲 - オールミュージック. 2022年11月12日閲覧。
  3. ^ Villa-Lobos Conducts Villa-Lobos - オールミュージック. 2022年11月12日閲覧。
  4. ^ Tarasti 1995, pp. 349–350.

参考文献

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  • Tarasti, Eero. 1995. Heitor Villa-Lobos: The Life and Works, 1887–1959, translated from the Finnish by the author. Jefferson, North Carolina, and London: McFarland. ISBN 0-7864-0013-7.
  • Villa-Lobos, sua obra. 2009. Version 1.0. MinC / IBRAM, and the Museu Villa-Lobos. Based on the third edition, 1989.

関連文献

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  • Anon. 1955. "New Piano Concerto by Villa-Lobos: An Emotional Work". The Times, Issue 53216 (10 May): 3.
  • Appleby, David P. 2002. Heitor Villa-Lobos: A Life (1887–1959). Lanham, Maryland: Scarecrow Press. ISBN 978-0-8108-4149-9.
  • Fortes Filho, Raimundo M. de Melo. 2004. "Concerto Para Piano e Orquestra n. 1 de Villa-Lobos: Um Estudo Analítico-Interpretativo". Masters thesis, Universidade Federal da Bahia.
  • Johnson, Bret. 1992. "Villa-Lobos: Piano Concertos Nos. 1–5 by Cristina Ortiz, Miguel Gomez-Martinez". Tempo, New Series, No. 182, Russian Issue (September): 60–61.
  • Mitchell, Donald. 1955. "London Music". The Musical Times 96, No. 1349 (July): 378–380
  • Peppercorn, Lisa M. 1984. "Villa-Lobos's Commissioned Compositions". Tempo, New Series, No. 151 (December): 28–31.
  • Porter, Andrew. 1955. "Villa-Lobos’s Piano Concerto No. 5". London Musical Events 10, no. ?6.

外部リンク

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