ピアノ協奏曲第1番 (ストヨフスキ)
表示
ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 作品3は、ジグムント・ストヨフスキが1890年に完成させたピアノ協奏曲。演奏時間は約35分[1] 。
概要
[編集]初演は1891年にパリのサル・エラールで作曲者自身の独奏、バンジャマン・ゴダール指揮、コロンヌ管弦楽団の演奏で行われた[1]。また1892年2月19日にはベルリンフィルとの共演で、またイギリス、マンチェスターではハレ管弦楽団の演奏で再演されている[1]。曲はアントン・ルビンシテインに献呈された。
楽曲構成
[編集]- 第1楽章 アンダンテ・ポコ・モッソ - アレグロ・ウン・ポコ・マエストーソ 2/2拍子
- 第2楽章 アンダンテ・ソステヌート・エ・モルト・カンタービレ 4/4拍子
- 第3楽章 アレグロ・コン・フォーコ 6/8拍子 - プレスト 2/4拍子 - ピウ・プレスト
- 最後の華やかなコーダの直前に、第1楽章と第2楽章の主題が回想され、融合される[1]。
1893年10月1日のミュージカル・タイムズ誌は次のような分析を掲載している。
曲は和声を伴わない管弦楽によって、不思議な雰囲気で開始される(作曲者はベートーヴェンのあの弦楽四重奏曲の緩徐楽章を思い浮かべていたのだろうか?)管弦楽の開始部ではこの楽章の第一主題が奏でられるが、技巧と工夫を凝らしてある。第二主題は第一主題から派生したものが一般的な平行長調で現れ、素晴らしい対比を形成する。第2楽章は変ニ長調のロマンツァ、すなわち嬰ハ長調とはエンハーモニックになる。最初のカンタービレの主題はショパン的な性格であり、大変魅力的だ。この主題はまず管弦楽で提示される。中間部の幾分力強さを感じるピウ・モッソの後は、短いながらも聴き栄えのするカデンツァを経て最初の主題に戻るが、今度は装飾的に演奏される。第3楽章はアレグロ・コン・フォーコであり、激しさと圧迫感に満ちている。腕の立つピアニストが弾かない限りは、この楽章が成り立つ見込みは低い。彼がいち早く自作を英国の聴衆の耳に届けてくれることが望まれる[1]。