ピアノのための変奏曲 (ヴェーベルン)
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ピアノのための変奏曲 作品27は、アントン・ヴェーベルンが作曲した独奏ピアノのための変奏曲である。ヴェーベルン作品の中で、最も多く演奏されるピアノ曲である。
概要
[編集]ヴェーベルンは1903年頃から1904年にかけて約12曲のピアノ曲を作曲しているが、1906年以降はピアノ曲をほとんど作曲しなかった[1]。このピアノのための変奏曲は、唯一作品番号が与えられたピアノ曲で、1936年にウィーン郊外のメートリンクで作曲され、1年の歳月をかけたという。
ヴェーベルンはピアニストのエドゥアルト・シュトイアーマンによる初演を想定していたが、彼が亡命していたために1937年9月27日にペーター・シュタドレンにより初演が行われた。
構成
[編集]全3楽章で、全体は唯一のセリー(音列)主題に基づいて十二音技法により厳格に構成されており、緩-急-緩の順で配列されている。演奏時間は約6分から7分。
- 第1楽章 きわめてほどよく、普通の速さで
- 54小節の楽章で、変形されたソナタ形式と見ることもできる。全曲の主題の音列(英語表記 E-F-C#-E♭-C-D-G#-A-B♭-F#-G-B)が提示され、右手と左手の2声によって主題と逆行形を同時に示し、鏡像構造をとる。鏡像的な処理はこの楽章中様々に応用されている。
- 第3楽章 穏やかに流れるように
- 66小節の楽章で最も長大である。全体は6つの部分から構成される変奏曲である。第5変奏で鋭いクライマックスに達したのち、フェルマータを挟んで静かなコーダとなる。最後は弱奏で途切れるように終わる。
脚注
[編集]- ^ いずれも作品番号はないが、1924年には『子供のための小品』、1925年には『メヌエットのテンポで』と題する2曲のピアノ曲が作曲されている。またこの他にはピアノソナタの楽章(1905-06)や作曲年不明のピアノ小品(2曲)などが確認されている[1]。
外部リンク
[編集]- 概要(音源あり)
- ピアノのための変奏曲 作品27の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト。PDFとして無料で入手可能。