コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ビービー・ハーヌム・モスク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビービー・ハーヌム・モスク
基本情報
所在地 ウズベキスタンの旗 サマルカンド
宗教 イスラム教
建設
形式 モスク
様式 ティムール朝
完成 1404
ドーム高(外側) 40m
テンプレートを表示

ビービー・ハーヌム・モスク (ラテン文字:Bibi-Khanum Mosque、ペルシア語: مسجد بی بی خانم‎、ウズベク語: Bibi-Xonum machiti / Бибихоним жоме масжиди、ビビ・ハヌム・モスクとも表記) はウズベキスタンサマルカンドにあるモスクである。モスクの名前は14世紀にサマルカンドを支配したティムールの妻の名前より採られている[1]

特徴

[編集]
1905年から1915年までの間に、カラー写真の先駆者であったセルゲイ・プロクジン=ゴルスキーにより撮影された写真、1897年の地震によるモスクの崩壊の跡が見られる。
ゴルスキーにより撮影された当時のモスクの外壁

外壁 (この写真を参照) は高さ167m、幅109mである。 モスクのクーポラの高さは40mであり[2]、入口部分の高さは35mである[3]中庭には大理石による大規模なクルアーンのスタンドがある[4]。モスクの屋根はインドから運ばれたという480本の石柱によって支えられている[5]


歴史

[編集]
モスクのドーム部分の高さは40mに達する。
モスクのミナレット

ティムールによるインド遠征後[6]の1398年、フィールーズ・シャー・トゥグルクがデリーに建てたモスクであるフィールーズ・シャー・コトラに感動した彼は[7]、新たに首都と定めたサマルカンドに大規模なモスクの建設を命じた[5]。 モスクはインド征服の際に持ち帰った貴石を使用して建設された。ティムール朝時代にこの地を訪れ後に「中央アジア旅行記」を著した[8]イベリア半島のカスティリャ王国から使節として訪れた騎士であるルイ・ゴンザレス・デ・クラビホによると、モスク建設に使用する貴石を運ぶために98頭の象を使用し、ティムール本人の立会いのもとモスクは1404年から1405年の間に完成したとされている。しかし、ティムールは入り口の門のイーワーンの高さが気に入らず、直ちに立て直しを命じた[9]。ティムールの死後、モスクは次第に使用されなくなり、何世紀もの後には砕けて廃墟と化していた。この原因としては、当時の技術からすると急速な造成を行ったためだとされている[10][11]。1897年に起きた地震によりモスクは部分的にではあるが崩壊した[12]

1974年、ウズベク・ソビエト社会主義共和国政府はモスクの再建を始めた[13] (この写真を参照)。しかし現在のモスク (未完成) は事実上新しく造成されたモスクであり、以前のモスクの跡は残っていない。一方、ビービー・ハーヌム・モスクの付近で開催されているシヨブバザール (写真を参照) は600年前に以前のモスクが建設された当時と全く変わらない賑わいを見せている。

関連項目

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ Bibi Khanym Mosque Reviews”. IGoUGo.com (2000年10月11日). 2013年1月16日閲覧。
  2. ^ Muzey.uz, Соборная мечеть Биби-Ханым Archived 2007年11月21日, at the Wayback Machine. muzey.uz (ロシア語)
  3. ^ Carillet, Joel (2006年6月6日). “In Pictures: Samarkand, Uzbekistan”. Gather.com. 2007年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月16日閲覧。
  4. ^ Burnett, Doug (2000年9月7日). “Uzbekistan 2000 - Samarkand”. BootsnAll.com. 2013年1月16日閲覧。
  5. ^ a b 羽田, p. 205.
  6. ^ Bibi-Khanym mosque”. Skiouros.net. 2013年1月16日閲覧。[リンク切れ]
  7. ^ 宮原2015, p. 88.
  8. ^ クラビホ - 世界大百科事典 第2版の解説 コトバンク、2013年1月16日閲覧。
  9. ^ 羽田, p. 206.
  10. ^ Samarkand City”. Stantours.com (2002年4月24日). 2007年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月16日閲覧。
  11. ^ Highlights of CA” (PDF). Steppes Travel (2006年3月22日). 2007年9月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月16日閲覧。
  12. ^ Bibi Khanym Mosque”. TripAdvisor.com. 2013年1月16日閲覧。
  13. ^ Bibi Khanym Mosque”. iExplore.com (2001年7月14日). 2007年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月16日閲覧。

10. Xurshid Davron. Bibixonim qissasi (Khurshid Davron. The narration of the Bibi-Khanum),Tashkent,.1991

参考文献

[編集]

書籍

[編集]
  • 羽田正『モスクが語るイスラム史』中央公論社中公新書〉、1994年。ISBN 4-12-101177-5 

論文

[編集]

外部リンク

[編集]

座標: 北緯39度39分38秒 東経66度58分45秒 / 北緯39.66056度 東経66.97917度 / 39.66056; 66.97917